提出先等とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
鑑定評価書が依頼者以外の者へ提出される場合の当該提出先と、鑑定評価額が依頼者以外の者へ開示される場合の当該開示の相手方をあわせた呼び名です。つまり、依頼者の先で評価書や評価額を受け取る相手です。
提出先等とは
依頼者が評価書を受け取って、それで終わりとは限りません。融資を受けるために銀行に提出する、株主総会で評価額だけを示す、取引の相手に値段の根拠として見せる。こうした「依頼者の先にいる相手」を、基準は提出先等と呼びます。評価書そのものが渡る相手(提出先)と、金額だけが伝わる相手(開示の相手方)の両方を含みます。依頼者への確認にあわせて、この提出先等が誰なのかを確かめ、関与不動産鑑定士・関与不動産鑑定業者との間に特別の関係がないかを明らかにします。

評価書そのものが渡る相手と、評価額だけが伝わる相手をあわせて提出先等と呼ぶ。
提出先等は、評価書が渡る相手と評価額を知る相手の総称です
基準は「鑑定評価書が依頼者以外の者へ提出される場合における当該提出先」と「鑑定評価額が依頼者以外の者へ開示される場合における当該開示の相手方」を並べ、二つをまとめて提出先等と定めています。評価書一式を受け取る銀行も、株主総会で金額だけを聞く株主も、その数字をもとに何かを判断する点では同じです。基準に理由は書いていませんが、評価書が渡ったかどうかで線を引かず、評価額が届く相手まで含めているのはそのためと読めます。
確認は、個別の名称でなく属性で足ります
留意事項は、提出先等の確認は依頼目的に応じ、必ずしも個別具体的な名称等による必要はなく、提出等の目的や提出先等の属性など、利用目的の把握に資するものでも足りるとしています。「どこの銀行か」まで分からなくても、「融資を受ける銀行に出す」と分かれば、評価書がどう使われるかはつかめるからです。裏を返せば、名称が分からない場合でも、利用目的の把握に資する情報は把握しなければなりません。

銀行の名前が決まっていなくても、融資審査に使うと分かれば足りる。
未定なら、未定である旨を明らかにすれば足ります
提出先等が未定の場合や明らかとならない場合は、その旨を明らかにすれば足ります。鑑定評価報告書の記載事項でも、提出先等との関係等について、提出先等が未定の場合又は明らかとならない場合はその旨を記載しなければならないとされています(総論第9章第2節)。書かなくてよいのではなく、「未定である」と書くのが基準の求める姿です。読み手が「確認していない」のか「確認したが未定だった」のかを区別できるようにするためと考えられます。

未定なら空欄にせず、「未定」と書く。
提出先等との特別の関係も、依頼者と同じ目安で明らかにします
依頼者との関係と同じように、提出先等と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との間の特別の資本的関係、人的関係及び取引関係の有無と内容を明らかにします。留意事項は、依頼者との関係について定めた特別の関係の内容を、「依頼者」を「提出先等」と読み替えて準用するとしています。提出先の銀行が自社の親会社である、という場合も、依頼者が親会社である場合と同じ扱いになります。
鑑定評価書が依頼者以外の者へ提出される場合における当該提出先又は鑑定評価額が依頼者以外の者へ開示される場合における当該開示の相手方(以下「提出先等」という。)と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との間の特別の資本的関係、人的関係及び取引関係の有無並びにその内容を明らかにしなければならない。
出典: 総論第8章 第2節
実務ではこう使う
依頼書には提出先の欄があり、「〇〇銀行(融資審査用)」「未定」のように記入してもらいます。名称が分からなくても「取引の相手方に提示する」と分かれば足りるので、その旨を確認して、評価書の依頼者及び提出先等の欄に記載します。提出先が後から決まった場合は、その相手との利害関係の確認をやり直します。
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