権利の態様の確認とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
物的に確認された対象不動産について、その不動産に係るすべての権利関係を明瞭に確認し、鑑定評価の対象となる権利の存否とその内容を確認資料と照合する作業です。つまり、その土地・建物に誰のどんな権利が付いているかを、書類と聞き取りで洗い出します。
権利の態様の確認とは
一軒の家を買うとき、売主が本当に所有者か、銀行の抵当権が付いていないか、誰かが借りて住んでいないかを確かめずに代金を払う人はいません。同じ家でも、借家人が住んでいれば買った人はすぐには使えず、値段も変わります。基準は、物的確認が済んだ対象不動産について、所有権・借地権・借家権・抵当権など、その不動産に係るすべての権利関係を明瞭に確認し、第1節で確定した評価の対象となる権利の存否と内容を確認資料と照合する作業を権利の態様の確認と呼びます。留意事項は、賃貸借契約等については確認すべき七つの事項を挙げています。

一軒の家に付いている権利を全部洗い出してから、対象の権利と照合する。
対象が所有権でも、すべての権利関係を確認します
基準は「当該不動産に係るすべての権利関係」と書いています。評価の対象となる権利が所有権であっても、抵当権や借家権が付いていれば価格に響き、登記されていない使用貸借や口約束の貸借も同じです。だから、対象の権利だけを見るのではなく、その不動産の上にある権利を全部確かめたうえで、対象となる権利の存否とその内容を確認資料と照合します。確認資料は登記事項証明書や契約書の写しなどで、書面が無い権利は聴聞で確かめます。
賃貸借契約等は、七つの事項を確認します
留意事項は、賃貸借契約等に係る権利の態様の確認に当たって、原則として次の七つを確認しなければならないとしています。契約の目的、契約当事者、契約期間、契約数量、月額支払賃料、一時金の有無とその内容、賃貸条件等に係る特約です。貸家及びその敷地や借地権の評価では、賃料と期間と特約が収益や権利の価格の土台になるので、契約書でこの七つを押さえます。「原則として」とあるので、契約の内容によっては当てはまらない事項がある場合を残していると読めます。

契約書で確かめる七つ。目的・当事者・期間・数量・月額賃料・一時金・特約。
照合した結果は、確認方法とともに報告書に記載します
総論第9章第2節は、物的確認及び権利の態様の確認について、確認資料と照合した結果を明確に記載するよう定めています。あわせて、確認した事項ごとに、書面によるものか口頭によるものかという確認方法と、用いた確認資料も記載します。基準は理由を、後日疑義が生じることのないように、と書いています。聴聞で知った未登記の権利も、その旨と確かめ方を書き残します。
権利の態様の確認に当たっては、Ⅰによって物的に確認された対象不動産について、当該不動産に係るすべての権利関係を明瞭に確認することにより、第1節により確定された鑑定評価の対象となる権利の存否及びその内容を、確認資料を用いて照合しなければならない。
出典: 総論第8章 第4節
実務ではこう使う
登記事項証明書の甲区で所有権を、乙区で抵当権などの担保権を押さえ、賃貸中なら契約書の写しを取り寄せて七つの事項を一覧にします。契約書がない口約束の貸借は、依頼者や借主への聴聞で内容を確かめ、評価書には「口頭による確認」と方法まで書きます。借地上の建物なら、地代・期間・更新の定めが底地と借地権の価格を分けます。
関連用語
アプリで学習
基準ビューワー × 穴埋めドリルで効率的に学ぶ
鑑定評価基準の原文をスマホで閲覧しながら、穴埋めドリルや論証トレーニングで知識を定着。 短答式・論文式どちらの対策にも対応しています。
年額プランなら1日わずか27円