/ 鑑定理論

立会人とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

実地調査に立ち会った人で、鑑定評価報告書の「対象不動産の確認に関する事項」に、その氏名及び職業を記載します。つまり、後日「現地はこうだった」に疑義が出たとき、鑑定士のほかに誰がその場にいたかをたどれるようにする記載です。

立会人とは

鑑定士が現地に行って建物を調べるとき、鍵を開けてくれる管理会社の担当者、部屋を案内する所有者、依頼者の社員などが一緒にいます。この、調査に付き添った人が立会人です。報告書には、実地調査を行った年月日、実地調査を行った鑑定士の氏名と並べて、立会人の氏名及び職業を書きます。基準がそう求めるのは、後日対象不動産の現況把握に疑義が生ずる場合があることを考慮してのことで、何年か後に「あのとき雨漏りはあったのか」と争いになったとき、鑑定士以外にその場を見ていた人に確かめられるようにしておくためです。

立会人の図解:現地調査に付き添った人の氏名と職業を、調査日と一緒に書き残す。

現地調査に付き添った人の氏名と職業を、調査日と一緒に書き残す。

氏名だけでなく、職業まで記載します

基準は「立会人の氏名及び職業」と定め、氏名だけでよいとはしていません。基準に理由までは書かれていませんが、同じ名前でも、その建物を毎日管理している管理会社の社員と、たまたま案内に来た依頼者の社員とでは、現地について知っていることの範囲が違います。職業が分かって初めて、読み手はその人の証言をどこまで信用してよいかを判断できます。個人の情報ではあっても、報告書の記載事項として求められている以上、省く定めはありません。

後日の疑義に備える五つの事項は、一組で書きます

同じ理由で並べて記載するのは、実地調査を行った年月日、実地調査を行った不動産鑑定士の氏名、立会人の氏名及び職業、実地調査を行った範囲(内覧の実施の有無を含む)、実地調査の一部を実施することができなかった場合のその理由、の五つです。「いつ・誰が・誰と・どこまで見たか・見られなかったならなぜか」がそろって、初めて後から現況把握をたどり直せます。鑑定士が複数で行ったなら全員の氏名を書き、室内に入れなかった部屋があれば、入れなかった理由まで書きます。

立会人の図解:いつ・誰が・誰と・どこまで見たかの五つがそろって、後から現況をたどれる。

いつ・誰が・誰と・どこまで見たかの五つがそろって、後から現況をたどれる。

照合した結果と合わせて、その場の記録も書きます

「対象不動産の確認に関する事項」には、まず物的確認と権利の態様の確認について、確認資料と照合した結果を書きます。これは「何を確かめて、資料と現地は合っていたか」という中身の記録です。立会人を含む五つの事項は、その確認を「どういう場でしたか」という記録で、中身の記録と合わせて記載します。結果だけ書いてあっても、その場の記録が無ければ、後で結果を確かめようがないからです。

また、後日対象不動産の現況把握に疑義が生ずる場合があることを考慮して、以下の事項を合わせて記載しなければならない。

出典: 総論第9章 第2節

実務ではこう使う

現地調査の日、鑑定士は管理会社の担当者に鍵を開けてもらい、室内を見ながら設備の状況を聞き取ります。評価書の確認事項の欄には、調査日、調査した鑑定士の氏名、立会人として担当者の氏名と「管理会社社員」のような職業、調査した範囲を書きます。立会人がいなかったなら、その旨を書いておくと後日の問い合わせに答えやすくなります。

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