仮使用とは?建築基準法での意味を図でわかりやすく解説
検査済証の交付を受けるまで使用できない建築物を、特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときなどに、交付前でも例外として使用することです。つまり、完成の証明が出る前に、安全だと確かめたうえで先に使い始める仕組みです。
仮使用とは
駅前の大きな商業ビルで、上の階はまだ工事中なのに1階の店だけ先に開いていることがあります。本来、6条1項1号・2号の建築物を新築したときは、検査済証をもらうまで建物を使えません。しかし、工事が長く続く大きな建物で、できあがった部分まで全部止めておくと、店の開業も入居も何か月も遅れます。そこで、安全上、防火上及び避難上支障がないと役所などが認めたときに限り、検査済証の前に使い始めることを認めます。これが仮使用です。入口は三つあり、誰が認めるか、あるいは日数の経過かで分かれます。

上の階は工事中でも、支障がないと認められた1階だけ先に使う。
原則は、検査済証の交付を受けるまで使えません
7条の6第1項の本文は、6条1項1号・2号の建築物を新築する場合と、これらの建築物(共同住宅以外の住宅と居室のない建築物を除く)の増改築や大規模の修繕などで廊下、階段、出入口、スプリンクラー、排煙設備、非常用の照明装置、防火区画などの避難施設等に関する工事を含む場合に、建築主は検査済証の交付を受けた後でなければ建築物を使用し、または使用させてはならない、と定めています。避難施設等の範囲は令13条が、含めない軽易な工事は令13条の2が定めています。6条1項3号の小さな建築物には、この使用制限がありません。
特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めれば使えます
7条の6第1項1号は、特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、検査済証の交付を受ける前でも仮に使用し、または使用させることができる、と定めています。使う部分の避難経路や防火の設備が働くかを、役所のトップが個別に見て判断する入口です。見る観点は安全上、防火上、避難上の三つで、交通上や衛生上は入っていません。
建築主事等や指定確認検査機関が大臣の基準で認める道もあります
7条の6第1項2号は、建築主事等(大規模建築物は建築主事)または指定確認検査機関が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していると認めたときも、仮使用を認めています。特定行政庁の入口が個別の判断であるのに対し、こちらは大臣の基準に当てはめる形式の認定なので、民間の機関にも任せられます。指定確認検査機関が認定したときは仮使用認定報告書を特定行政庁に提出し、基準に適合しないと特定行政庁が認めれば、その認定は効力を失います(7条の6第3項、4項)。

特定行政庁は個別に判断し、指定確認検査機関は大臣の基準に当てはめる。
完了検査の申請が受理されてから7日たてば、使えます
7条の6第1項3号は、7条1項の完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときも、検査済証の交付前に仮に使用できる、と定めています。指定確認検査機関が検査を引き受けた場合は、工事が完了した日か引受けの日の遅い方から7日です。役所側には受理から7日以内に検査する義務があるので(7条4項)、その日数が過ぎたら建築主を待たせ続けない、という対になった仕組みです。

受理から7日が過ぎたら、検査を待たずに使い始められる。
ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。一 特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたとき。二 建築主事等…又は第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき。三 第七条第一項の規定による申請が受理された日…から七日を経過したとき。
出典: 建築基準法 7条の6第1項ただし書
実務ではこう使う
大型商業施設やオフィスビルでは、テナントの開業日に合わせて低層階だけ仮使用の認定を受けて先に営業を始めることがあり、賃料の発生時期と工事の関係を評価書の前提に書きます。仮使用中の建物は検査済証がまだ無い状態なので、証書の所在を確かめて記載します。
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