/ 鑑定理論

林地地域の地域要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

林地地域に属する不動産の価格の形成に全般的な影響を与える地域要因で、基準は気象、標高・地勢、土壌・土層、林道等の整備、労働力確保の難易、行政上の助成及び規制の6項目を例示しています。つまり、木がよく育つ山かどうかと、切った木を安く運び出せる山かどうかです。

林地地域の地域要因とは

山を買う人は、家を建てる人とは全く別のものを見ています。日当たりや雨の量、標高と斜面の傾き、土の深さで杉やヒノキの育ちが決まり、林道が通っているか、山仕事をする人を近くで確保できるかで、切った木を運び出す費用が決まります。この二つ、木が育つ条件と木を出す費用の条件が、その山一帯の値段の水準を決めます。基準はこれを林地地域の地域要因として6項目にまとめています。

林地地域の地域要因の図解:林道が谷まで通り人手もそろう山あいと、道が途切れた奥山。地域全体で林地の価格水準が違う。

林道が谷まで通り人手もそろう山あいと、道が途切れた奥山。地域全体で林地の価格水準が違う。

六つの要因は、木の育ちと木を出す費用に分かれます

気象の状態、標高・地勢等の状態、土壌及び土層の状態の三つは、木竹がどれだけよく育つかを左右します。林道等の整備の状態と労働力確保の難易の二つは、育った木を切り出して運ぶ費用を左右します。残る行政上の助成及び規制の程度は、保安林の指定や造林への補助のように、山の使い方を外から縛ったり後押ししたりするものです。林業で稼げる山ほど地域の価格水準が高い、という考え方が土台にあります。

農地地域と共通する要因と、林地の側にだけある要因があります

気象の状態、土壌及び土層の状態、行政上の助成及び規制の程度は、農地地域の地域要因にも同じ語で並んでいます。作物も木も、日照と雨と土で育つからです。地勢は、農地地域が起伏や高低を見るのに対し、林地地域では標高が先に来ます。標高が上がると気温が下がり、育つ樹種も生育の速さも変わるからです。林道等の整備の状態と労働力確保の難易は農地地域には無く、農地地域の側には代わりに道路等の整備の状態や集荷地・消費地との位置関係が置かれています。

林地地域の地域要因の図解:気象・土壌・行政は農地と共通、林道と労働力は林地の側。

気象・土壌・行政は農地と共通、林道と労働力は林地の側。

転換の程度が低い山では、林地地域の要因を重く見ます

山が切り開かれて住宅地に変わりつつある地域では、原則として転換後の住宅地域の地域要因を重く見ます。ただし転換の程度が低く、まだほとんどが山のままなら、転換前の林地地域の地域要因を重く見ます。この段階では都心との距離や交通施設の状態より、林道等の整備の状態のほうが値段に効いているからです。

林地地域の地域要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。

出典: 総論第3章 第2節

実務ではこう使う

林地の評価では取引事例が少ないので、地域分析で林道がどこまで通っているか、標高と傾斜、樹種と地位(土地の生産力の等級)、山仕事の人手を近くで確保できるか、保安林や地域森林計画の規制を調べます。都市の近くの山なら、宅地化や別荘地化の見込みが値段を左右するので、林地地域の要因に加えて転換先の地域の要因も見ます。

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