/ 鑑定理論

林地の個別的要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

林地の一筆ごとに、その価格を個別的に形成する要因です。つまり、その山で木がよく育ち、切った木を運び出しやすく、手入れに通いやすいかを、日照・標高・土壌・木材の搬出の難易・管理の難易・規制の六つで見ます。

林地の個別的要因とは

同じ山でも、林道のすぐ脇にある緩やかな斜面と、道から遠く離れた急な斜面では、生えている木が同じでも土地の値段は違います。切った木を林道まで下ろす手間、下刈りや間伐のために通う手間が、一筆ごとに違うからです。こうした、その一筆に備わっていて価格を個別に決める条件が、林地の個別的要因です。基準は主なものを六つ例示していて、木が育つ条件と、人の手が届く条件の二つに分けると全体がつかめます。

林地の個別的要因の図解:林道の脇の緩い斜面と、道から遠い急斜面では、木が同じでも土地の価格がちがう。

林道の脇の緩い斜面と、道から遠い急斜面では、木が同じでも土地の価格がちがう。

六つの項目は、木が育つ条件と人の手が届く条件に分かれます

木が育つ条件が、「日照、乾湿、雨量等の状態」「標高、地勢等の状態」「土壌及び土層の状態」の三つです。標高が高すぎれば寒くて育ちが遅く、急な地勢では根が張りにくいので、山では標高と地勢が一筆の条件になります。人の手が届く条件が、「木材の搬出、運搬等の難易」と「管理の難易」の二つで、切った木を道まで下ろせるか、下刈りや間伐に通えるかを見ます。これに保安林の指定などの「公法上及び私法上の規制、制約等」を加えて六つです。

林地の個別的要因の図解:木が育つ三つと、人の手が届く二つに、規制を加えて六つ。

木が育つ三つと、人の手が届く二つに、規制を加えて六つ。

農地とは三つが共通で、管理と耕うんが対になります

「日照、乾湿、雨量等の状態」「土壌及び土層の状態」「公法上及び私法上の規制、制約等」は、農地と林地の両方に例示されています。田畑は毎年耕して植えるので農地は「耕うんの難易」、山は何十年もかけて手入れするので林地は「管理の難易」です。農地にある「農道の状態」「灌漑排水の状態」「集落との接近の程度」「集荷地との接近の程度」「災害の危険性の程度」は林地にはありません。木は水路から水を引いて育てるものではなく、毎日集荷場へ運ぶものでもないからです。

地域要因の林道と労働力が、一筆では搬出と管理になります

林地地域の地域要因は、気象、標高・地勢、土壌・土層、「林道等の整備の状態」、「労働力確保の難易」、行政上の助成及び規制の六つです。地域に林道が通っていて働き手が集まりやすいかが地域の条件で、その一筆から林道まで木を下ろせるか、その一筆の手入れに通えるかが一筆の条件です。基準は二つの表の対応を書いていませんが、地域の「林道等の整備の状態」は一筆では「木材の搬出、運搬等の難易」に、地域の「労働力確保の難易」は一筆では「管理の難易」に当たる、と読むと二つの表が混ざりません。

林地の個別的要因の図解:地域に林道があっても、この一筆から下ろせるかは別。

地域に林道があっても、この一筆から下ろせるかは別。

林地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。

出典: 総論第3章 第3節

実務ではこう使う

林地の個別分析では、林道や作業道からの距離、傾斜と標高、搬出に使える道の幅、下刈りや間伐の手間、樹種と林齢を現地と森林簿で確かめます。保安林の指定や地域森林計画の対象かどうかは規制として調べます。林地の価格は立木と土地を分けて考えることが多く、土地の側の条件としてこの六つを整理します。

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