商業施設の個別的要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
建物の用途毎に特に留意すべき個別的要因のうち、商業施設について留意事項が例示するもので、各階の床面積、天井高等に留意します。つまり、お客が安全に大勢来て、よく売れる建物かを見る要因です。
商業施設の個別的要因とは
同じ延床面積のビルでも、オフィスとして貸すのか、店を入れて商業施設として使うのかで、買い手や借り手が気にする所は変わります。店なら、フロアが広くて売場をたっぷり取れるか、天井が高くて商品が映えるかが売上に直結します。基準は、市場参加者が着目する個別的要因は建物の用途毎に異なると注意し、留意事項が商業施設について例示するのがこの要因です。まず各階の床面積、天井高等に留意し、多数のテナントが入るショッピングセンターのような大規模な商業施設では、集客施設として安全を確保しながら収益を上げる観点から、売場面積、客動線、商品の搬入動線、防災設備の状況、バリアフリー化の状況、施設立地・規模等に関する法令等にも留意します。

商業施設は、各階の床面積と天井高が売場の力を決める。
留意する項目は、建物の用途ごとに違います
留意事項は住宅・事務所ビル・商業施設・物流施設の順に、用途ごとに見る所を分けて例示します。事務所ビルでは基準階床面積、天井高、床荷重、情報通信対応設備・空調設備・電気設備の状況、共用施設の状態を挙げます。借り手の企業が机や機器を置いて働きやすいかを見るからです。留意事項に理由は書いてありませんが、商業施設で各階の床面積と天井高が前に出るのは、フロアごとに売場の広さと陳列の高さが売上を左右するためと考えられます。同じ「床面積」でも事務所ビルは基準階、商業施設は各階と書き分けているのも、店は階ごとに使い方が違うためと読めます。

テナント企業は床荷重と通信設備を、店長は各階の広さと天井の高さを気にする。
大規模施設では、安全性と収益性の両面から見ます
ショッピングセンターには不特定多数のお客が来ます。だから留意事項は、集客施設としての安全性を確保しつつ収益性の向上を図る、という観点を先に置きます。留意事項は項目を安全性と収益性に振り分けてはいませんが、防災設備の状況とバリアフリー化の状況は安全性の側、売場面積・客動線・商品の搬入動線は収益性の側と読めます。施設立地・規模等に関する法令等には、大規模小売店舗立地法のように出店や増床の可否を決める法令が当たり、将来の売場の広げ方に関わります。

大勢のお客が来る集客施設だから、安全を確保しながら収益を上げる作りかを見る。
各用途に共通する要因も、商業施設に当てはまります
用途ごとの例示は、各用途に共通する個別的要因に上乗せするものです。留意事項が共通の要因として挙げる自家発電設備・警備用機器の有無、省エネルギー対策の状況、建物利用における汎用性は、事務所ビルだけの項目ではありません。商業施設では電気代が収益に直結し、停電すれば営業が止まるので、共通の要因としてそのまま留意します。
各階の床面積、天井高等に留意する必要がある。 特に、多数のテナントが入居するショッピングセンター等の大規模な商業施設については、多数の顧客等が利用することを前提とした集客施設としての安全性を確保しつつ収益性の向上を図ることが重要であるとの観点から、売場面積、客動線、商品の搬入動線、防災設備の状況、バリアフリー化の状況、施設立地・規模等に関する法令等に留意する必要がある。
出典: 総論第3章 第3節
実務ではこう使う
ショッピングセンターの評価では、売場面積と有効率、駐車場から売場への客動線、バックヤードと搬入口の位置、消防設備の点検状況、スロープやエレベーターのバリアフリー対応を現地で確認します。大規模小売店舗立地法の届出内容と用途地域の制限は、増床や業態変更の余地に関わるので必ず調べます。テナントの売上と賃料の関係も、収益性の見立てに使います。
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