照応とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
土地の持つ諸特性と、その不動産が与件とする特定の自然的条件及び人文的条件とが、対応していることです。つまり、土地一般の性質が、目の前の一つの不動産では具体的な条件になって現れる、その対応を照応と呼びます。
照応とは
同じ市内の土地でも、川沿いの低地は地盤が弱く、丘の上の土地は地盤が固くて眺めがよい、というように条件が違います。この違いは偶然ではなく、土地は動かせず、一つとして同じものがないという土地の性質(自然的特性)から生まれています。基準は、不動産は「土地の持つ諸特性に照応する特定の自然的条件及び人文的条件」を与件として利用される、と定めます。土地一般の性質が、目の前の一つの不動産では「この地盤」「この道路」「この用途地域」という具体的な条件になって現れる、その対応関係が照応です。

土地の性質どおりに、その土地の条件が決まる。
特性は土地一般の性質で、条件はその不動産に現れた与件です
基準は「土地の持つ諸特性」と「特定の自然的条件及び人文的条件」を分けて書き、二つを「照応する」でつなぎます。特性は、地理的位置の固定性や用途の多様性のように、どの土地にも当てはまる一般的な性質です。条件は、地盤が固い、幅6mの道路に面する、住居地域にあるといった、目の前の不動産に与えられている個別の事情で、これを与件と呼びます。動かせないという性質があるからこの場所という条件が付き、いろいろに使えるという性質があるからこの用途地域という条件が付く、というように、一般の性質が個別の条件に姿を変えて現れます。
自然的特性はおもに自然的条件に、人文的特性はおもに人文的条件に現れます
土地の特性は、固定性・不動性・個別性などの自然的特性と、用途の多様性・併合及び分割の可能性・社会的及び経済的位置の可変性などの人文的特性の二つに分かれます。基準は「土地の持つ諸特性に照応する特定の自然的条件及び人文的条件」と書くだけで、自然の側どうし、人の側どうしが対応するとまでは書いていません。ただ、特性と条件の分け方を同じ言葉で書いているので、自然的特性は地盤や地形や傾斜といった自然的条件に、人文的特性は道路や駅や用途地域といった人文的条件になっておもに現れる、と読めます。人の手が入る前からあるものが自然の条件、人が作ったり決めたりしたものが人の条件です。動かせない、増えないという自然の側の性質は地盤や地形に、いろいろに使える、位置づけが変わるという人の側の性質は道路や用途地域に、おもに現れます。

人の手が入る前からあるのが自然的条件、人が作り決めたのが人文的条件。
照応があるから、不動産のあり方は土地の影響を大きく受けます
不動産の条件が土地の特性に照応して決まるということは、その上に何を建ててどう使うかも、土地に引きずられるということです。同じ設計のアパートを建てても、駅に近い平らな土地なら満室になり、山あいの傾いた土地なら造成費がかさんで空室が出ます。基準は、土地は他の一般の諸財と異なる特性を持つと書き、その特性に照応する条件を与件として不動産が利用されると続けるだけで、不動産のあり方が土地の影響を受けるとまでは書いていません。ただ、条件が土地の特性に照応して決まる以上、個々の不動産のあり方はその土台である個々の土地の影響を大きく受ける、と読めます。土地の性質を飛ばして条件だけ並べると、なぜその条件が価格に効くのかを説明できません。

同じ設計の建物でも、土地が違えば不動産のあり方が違う。
不動産は、この土地の持つ諸特性に照応する特定の自然的条件及び人文的条件を与件として利用され、その社会的及び経済的な有用性を発揮するものである。
出典: 総論第1章 第2節
実務ではこう使う
現地調査で書き取る地盤、傾斜、前面道路、駅までの距離、用途地域は、どれも土地の特性がこの不動産で具体的な条件になった姿です。評価書の個別的要因の項は、対象不動産がどんな条件を与件として引き受けているかの一覧で、その条件が土地の特性に照応していることを前提に書きます。条件だけを並べて土地の性質に触れないと、なぜその条件が価格に効くのかを依頼者に説明できません。
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