主要構造部とは?建築基準法での意味を図でわかりやすく解説
壁、柱、床、はり、屋根、階段の六つで、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、最下階の床、ひさし、屋外階段などは除きます。つまり、火災のときに建物が倒れず燃え広がらないための骨格にあたる部分で、耐火建築物の定義や大規模の修繕の判断の土台になります。
主要構造部とは
建て方の途中の木造住宅を思い浮かべると、柱が立ち、はりが渡され、床と屋根が張られ、壁と階段ができて、家の形になります。建築基準法は、この壁、柱、床、はり、屋根、階段の六つを主要構造部と呼びます(2条5号)。ただし、部屋を仕切るだけの間仕切壁、地面のすぐ上の最下階の床、ひさし、屋外階段のように、建築物の構造上重要でない部分は除きます。火事のときに建物が倒れず、火が燃え広がらないための骨格はどこか、という見方で決めた範囲です。この六つが耐火構造かどうかで耐火建築物になるかが決まり、この六つの過半を直すかどうかで大規模の修繕になるかが決まります。

壁・柱・床・はり・屋根・階段の六つが、火災のときの骨格。
六つに限られ、最下階の床や屋外階段、ひさしは除きます
2条5号は壁、柱、床、はり、屋根、階段を主要構造部とし、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段などを除いています。最下階の床は地面に接していて、火災で焼け落ちても下に人がいません。屋外階段は屋外にあって火や煙が回りにくく、むしろ避難に使えます。間仕切壁は部屋を分けているだけで、抜けても建物は倒れません。火災のときの役目がない部分は、骨格から外しているわけです。

屋外階段は避難に使え、最下階の床の下には人がいないから除く。
地震の荷重を支える構造耐力上主要な部分とは、別の概念です
基礎や土台は、建物の重さや地震の揺れを受け止める大事な部分ですが、主要構造部には入りません。これらは施行令1条3号の「構造耐力上主要な部分」で、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材のうち、自重や積載荷重、風圧、地震などを支えるものを指します。主要構造部は火に対する骨格、構造耐力上主要な部分は力に対する骨格で、見る危険が違うので範囲も違います。壁や柱のように両方に入る部分もあれば、基礎のように片方だけの部分もあります。

火に対する骨格が主要構造部、力に対する骨格が構造耐力上主要な部分。
耐火建築物や準耐火建築物は、主要構造部の性能で決まります
耐火建築物は、主要構造部のうち政令で定める部分以外の部分(特定主要構造部)が耐火構造などで、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備を持つ建築物です(2条9号の2)。準耐火建築物は、主要構造部を準耐火構造としたものなどです(2条9号の3)。火災のときに倒れず燃え広がらない骨格がどこまで火に耐えるかで、建物全体の耐火の等級が決まる仕組みです。この等級は、共同住宅で2以上の直通階段が要る居室の面積の線が100㎡から200㎡へ広がるなど、避難の規定の緩和にもつながります(令121条1項5号・2項)。
荷重を支える部分が木材なら、木造建築物等になります
木造建築物等とは、主要構造部のうち自重または積載荷重を支える部分が木材、プラスチックなどの可燃材料で造られた建築物です(23条、令109条の4)。延べ面積が1,000㎡を超える木造建築物等は、外壁と軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造としなければなりません(25条)。骨格が燃える材料でできた大きな建物は、隣からの火を外壁で止めないと一気に燃え広がるからです。
主要構造部 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
出典: 建築基準法 2条5号
実務ではこう使う
建物の評価では、主要構造部が耐火構造か準耐火構造かで法定耐用年数の区分や保険料、避難規定の適用が変わり、賃貸経営の収益に影響します。築古の木造アパートの再調達原価や修繕費を見積もるときは、主要構造部の過半に及ぶ工事かどうかで確認申請の要否まで変わります。
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