相関関係とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
不動産の経済価値を表す価格と賃料との間に認められる、いわゆる元本と果実の関係のことです。つまり、同じ不動産の値打ちを売るときは価格、貸すときは賃料として表しているので、価格の高い不動産は賃料も高いという対応があるということです。
相関関係とは
不動産屋の店先で同じ通りの二軒の家を見比べると、売値3,000万円の家は家賃が月10万円、売値6,000万円の家は家賃が月20万円、というように、値段と家賃はだいたい釣り合っています。どちらも同じ家の値打ちを、買うときと借りるときで別の額に直しただけだからです。基準は、不動産の経済価値は交換の対価である価格と用益の対価である賃料の両方で表示され、「この価格と賃料との間には、いわゆる元本と果実との間に認められる相関関係を認めることができる」と定めます。元本が大きければ利息も多いように、価格の高い不動産ほど賃料も高い、この対応が相関関係です。

同じ家の値打ちを、売るときは価格、貸すときは賃料で表す。
価格と賃料は、同じ経済価値の二つの表示です
価格は交換の対価、つまり不動産を売り買いするときの額で、賃料は用益の対価、つまり不動産を使わせてもらうときの額です。どちらも同じ不動産の経済価値を表しています。基準の文にはありませんが、期間で言い直すと、価格は将来にわたる全期間の使用収益をまとめて表し、賃料はそのうちの一部の期間の使用収益を表す、と整理できます。預けた元本から毎年の利息が生まれるように、不動産という元本から賃料という果実が生まれるので、この二つを元本と果実になぞらえて相関関係と呼びます。同じ値打ちの表し方が二つあるだけなので、一方が高ければ他方も高く、一方が下がれば他方も下がります。
相関関係に着目した手法が、価格と賃料の両方にあります
価格と賃料が同じ値打ちの両側なら、片方からもう片方を求めることができます。賃料から生まれる純収益を還元利回りで割り戻して価格を求めるのが収益還元法です。反対に、土地建物の価格である基礎価格に期待利回りを掛け、必要諸経費等を足して新規賃料を求めるのが積算法で、継続賃料なら基礎価格に継続賃料利回りを掛ける利回り法があります。総論第7章の手法のうちこの三つは、どれも相関関係を土台にしています。

賃料から価格へ、価格から賃料へ。同じ値打ちの両側だから、どちらからでも求められる。
取り壊しが最有効使用でも、今ある建物の賃料はゼロになりません
古い建物について、最有効使用は取り壊して更地にすることだと判定されることがあります。それでも、建物が現に建っていて使える以上、借りる人はその建物を使う対価を払いますから、賃料はゼロにはなりません。最有効使用の判定は土地をどう使うのが一番よいかという話で、いま建っている建物にいくらの賃料が付くかは別の話です。相関関係は価格と賃料が釣り合うという性質であって、片方をゼロにする根拠にはなりません。

取り壊しが最善でも、今住んでいる人は家賃を払う。
相関関係は価格と賃料の間の関係で、相互関係とは相手が違います
総論第1章には、字面の近い語が並びます。価格と賃料の間にあるのが相関関係、地域と地域の間にあるのが相互関係、四つの要因の間で働くのが相互作用で、どれも相手が違います。相関関係はこのうち唯一、金額と金額の関係です。また、一つの不動産に所有権と借地権のように二つ以上の権利利益があるときは、それぞれの権利利益について価格が形成され得ると基準は言うだけで、権利どうしの関係については何も限定していません。
そして、この価格と賃料との間には、いわゆる元本と果実との間に認められる相関関係を認めることができる。
出典: 総論第1章 第2節
実務ではこう使う
貸家の評価では、賃料から純収益を求めて価格に還元し、土地建物の価格から賃料を積算して、二つを見比べます。価格に比べて賃料が極端に低ければ契約の事情を、賃料に比べて価格が極端に高ければ市場の過熱を確かめます。価格の仕事と賃料の仕事は、同じ相関関係の両側を見ています。
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