相互関係とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
地域と地域とが互いに影響し合い、その関係を通じて各地域が社会的及び経済的位置を占めることです。つまり、住宅街と商店街のように違う顔を持つ町どうしが結び付いて、町の中での役割と位置づけが決まるということです。
相互関係とは
郊外の住宅街に住む人は、朝は電車で都心のオフィス街へ働きに出て、帰りに駅前の商店街で買い物をします。住宅街は働く場所と買う場所がなければ成り立たず、オフィス街と商店街は住宅街の人がいなければ成り立ちません。基準は、各地域は他の地域と区別されるべき特性を持つとともに「他の地域との間に相互関係にたち、この相互関係を通じて、その社会的及び経済的位置を占める」と定めます。地域どうしの、この持ちつ持たれつの結び付きが相互関係です。

住む町と働く町は違うからこそ、電車でつながって一つになる。
違う顔を持つからこそ、地域どうしは結び付きます
基準は、地域が他の地域と区別されるべき特性をそれぞれ持つことと、他の地域との間に相互関係にたつことを、一つの文の中に並べて書きます。似た町どうしなら、互いに相手を必要としません。住む町、働く町、買い物をする町がそれぞれ違う役割を受け持っているから、行き来が生まれ、一つの経済圏になります。区別される特性と相互関係は、別々の性質ではなく、違うからこそ結び付くという一組の性質です。
相互関係の相手は地域どうしで、依存・補完とは相手が違います
総論第1章第2節には、相手の違う関係が三つ出てきます。一つの不動産とそれが属する地域との間は依存、補完の関係、その地域の中の不動産どうしは協働、代替、競争の関係で、この二つは不動産の地域性の話です。地域と地域との間の関係だけが相互関係で、こちらは地域の特性の話です。一軒の家が町に頼るのが依存・補完、隣の家と競うのが協働・代替・競争、町が隣町と結び付くのが相互関係、と相手で分かれます。
動くのは社会的及び経済的位置で、地理的位置ではありません
地域が相互関係を通じて占めるのは「社会的及び経済的位置」です。地図の上の場所は初めから決まっていて、隣の町がどう変わっても動きません。動くのは、その地域が周りの地域との関係の中でどんな役割を受け持ち、どれだけ人と金を集めているかという、社会と経済の中での位置づけです。隣町に大型の商業施設ができれば、こちらの商店街は場所が同じまま、買い物の中心という位置を失います。人文的特性の「社会的及び経済的位置の可変性」と同じ言葉で、地域の位置は変わりうるものだと言っています。

場所は同じでも、隣の町が変わると町の中での位置づけが変わる。
このような地域には、その規模、構成の内容、機能等に従って各種のものが認められるが、そのいずれもが、不動産の集合という意味において、個別の不動産の場合と同様に、特定の自然的条件及び人文的条件との関係を前提とする利用のあり方の同一性を基準として理解されるものであって、他の地域と区別されるべき特性をそれぞれ有するとともに、他の地域との間に相互関係にたち、この相互関係を通じて、その社会的及び経済的位置を占めるものである(地域の特性)。
出典: 総論第1章 第2節
実務ではこう使う
地域分析では、近隣地域の外側に同一需給圏を描き、対象不動産の属する地域が周りの地域とどう結び付いているかを書きます。隣の地域に新しい商業施設や駅ができれば、対象地域の商店街や住宅街の位置づけが上下し、これは地域どうしの相互関係の変化です。近隣地域の中だけを見ていると、この動きを見落とします。
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