/ 鑑定理論

テナント募集費用等とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

新規テナントの募集に際して行われる仲介業務や広告宣伝等に要する費用及びテナントの賃貸借契約の更新や再契約業務に要する費用等です。つまり、テナントを見つけて確保し、入り続けてもらうために賃貸人が払う費用で、運営費用の一つです。

テナント募集費用等とは

テナントが退去して部屋が空くと、仲介会社に募集を頼んで手数料を払い、募集の広告も出します。既存のテナントとの契約が満期になれば、更新や再契約の手続にも手間と費用がかかります。空室を埋め、入り続けてもらうために賃貸人が払うこうした費用がテナント募集費用等で、収益費用項目では運営費用の一つです。「等」が付くとおり、新規の募集だけでなく更新・再契約の業務まで一つの項目に入ります。

テナント募集費用等の図解:運営費用の五行目がテナント募集費用等。仲介の手数料も募集広告も、テナントを確保する費用。

運営費用の五行目がテナント募集費用等。仲介の手数料も募集広告も、テナントを確保する費用。

新規募集と更新・再契約を、一つの項目にまとめます

定義は、新規テナントの募集に際して行われる仲介業務や広告宣伝等に要する費用「及び」テナントの賃貸借契約の更新や再契約業務に要する費用等です。新しいテナントを入れる費用と、今のテナントに残ってもらう費用は、どちらも収入の源であるテナントを確保するための支出です。だから基準は二つを分けず、一つの項目にしています。更新や再契約の事務は管理業務にも見えますが、基準がこの項目の定義に書いているので、プロパティマネジメントフィーには入れません。

テナント募集費用等の図解:仲介の手数料も募集広告も更新の事務も、テナントを確保する費用。

仲介の手数料も募集広告も更新の事務も、テナントを確保する費用。

仲介の手数料も、募集広告の費用も、どちらも含めます

定義は「仲介業務や広告宣伝等に要する費用」と並べていて、広告宣伝費を除く定めはありません。仲介会社への報酬も募集広告の費用も、空室を埋めて収入を保つための支出という点で同じ性質です。どちらかを落とせば運営費用がその分だけ小さくなり、運営純収益が実態より大きく見えます。定義に例示された費用を、定義に無い理由で外すことはできません。

空室等損失で見込んだ入替えと、対応させて載せます

新規募集の費用は、テナントが入れ替わる期に発生します。基準の表に対応の定めはありませんが、運営収益の側で空室等損失として見込んだ入替えの頻度と、費用の側の募集費用の発生は、同じ予測から出てくるものです。更新料をその他収入に載せる期には、更新業務の費用もここに載せる、というように収入と費用の対応を確かめます。

新規テナントの募集に際して行われる仲介業務や広告宣伝等に要する費用及びテナントの賃貸借契約の更新や再契約業務に要する費用等

出典: 各論第3章 第5節

実務ではこう使う

仲介会社への手数料の慣行(賃料の1か月分など)と過去の募集実績から、想定する入替え区画の面積に応じて各期の募集費用を査定します。更新手数料を管理会社に払う契約なら、管理委託契約書でプロパティマネジメントフィーと分けて、ここに計上します。

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