用途変更とは?建築基準法での意味を図でわかりやすく解説
建築物の用途を変更して、6条1項1号の特殊建築物(その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの)にする場合には、政令で指定する類似の用途相互間の変更を除いて、建築確認の規定が準用されます。つまり、工事をしなくても使いみちを変えるだけで、着手前に確認が要ることがあります。
用途変更とは
空いた住宅をまるごと旅館にする、事務所ビルの一階を飲食店にする、といった転用を考えてみてください。壁を壊さなくても、人の集まり方や火の使い方が変われば、建物に求められる安全の水準は変わります。だから建築基準法は、使いみちを変えることそのものを用途変更として捉え、新築のときと同じように計画を確認させます。確認を受けるのは建築主で、確認するのは建築主事等または指定確認検査機関です。

壁を壊さなくても、事務所の一階を飲食店にするなら着手前に確認を受ける。
変更後が200平方メートル超の特殊建築物なら確認が要ります
87条1項は、建物の用途を変更して6条1項1号の特殊建築物のいずれかにする場合に、確認の規定を準用すると定めています。6条1項1号の特殊建築物とは、劇場、集会場、旅館、共同住宅、店舗、飲食店などの別表第一の用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるものです。見るのは変更後の姿なので、300平方メートルの住宅を旅館にするなら、旅館が特殊建築物になるので確認が要ります。逆に旅館を住宅にするなら、住宅は特殊建築物ではないので、この条による確認は要りません。

300平方メートルの住宅を旅館にするなら確認、150平方メートルなら要らない。
類似の用途どうしの変更なら、確認は要りません
87条1項のかっこ書は、政令で指定する類似の用途相互間の変更を確認の対象から外しています。施行令137条の18が、劇場・映画館・演芸場、公会堂・集会場、ホテル・旅館、下宿・寄宿舎、博物館・美術館・図書館、百貨店・マーケットその他の物品販売業の店舗、キャバレー・カフェー・ナイトクラブ・バー、といった組を定めています。同じ組の中なら人の集まり方も避難のしかたも変わらないので、500平方メートルの劇場を映画館にする変更に確認は要りません。飲食店から集会場、飲食店から寄宿舎のように組が違えば、原則どおり確認が要ります。

劇場から映画館なら確認は要らず、飲食店から集会場なら確認。
工事が終わったら、検査ではなく届出をします
87条1項は、7条1項の完了検査の規定を「建築主事等に届け出なければならない」と読み替えて準用しています。新築なら完了検査を申請して検査済証をもらいますが、用途変更では工事完了の届出で足ります。用途変更は建物の骨組みを変えないことが多く、図面と現場の照合を新築ほど厳密に要しないからです。
用途地域の用途制限も、用途変更のときに掛かります
87条2項は、用途を変更する場合に48条1項から14項までの用途制限を準用すると定めています。第二種中高層住居専用地域の住宅を旅館にしたいなら、その地域では旅館を建てられないので、特定行政庁の特例許可が要ります。工事の有無ではなく、変更後の用途がその地域で許されるかで判断します。
建築物の用途を変更して第六条第一項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条(第三項、第五項及び第六項を除く。)、(略)第七条第一項(略)の規定を準用する。この場合において、第七条第一項中「建築主事等の検査(略)を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事等(略)に届け出なければならない」と読み替えるものとする。
出典: 建築基準法 87条1項
実務ではこう使う
既存の建物を店舗やホテルに転用する案件では、200平方メートルの線と類似用途の組をまず確かめます。用途変更の確認が取れない建物は、最有効使用の判定で転用後の用途を前提にできません。評価書の個別的要因の欄には、確認の要否と用途制限への適合を書きます。
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