法令等とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
特定価格の定義にある「法令等による社会的要請」の法令等で、法律、政令、内閣府令、省令、その他国の行政機関の規則、告示、訓令、通達等のほか、最高裁判所規則、条例、地方公共団体の規則、不動産鑑定士等の団体が定める指針、企業会計の基準、監査基準をいいます。つまり、国会が作る法律だけでなく、裁判所や自治体の決ま...
法令等とは
「法令」と聞くと、国会で決まる法律や、内閣が定める政令を思い浮かべます。ところが特定価格の入口になる「法令等」は、それよりずっと広く、裁判所の規則、自治体の条例、不動産鑑定士の団体が定める指針、さらに企業会計の基準や監査基準まで含みます。会社が決算書に載せる不動産の値段は法律そのものではなく会計の基準が求めるものですが、それも法令等による社会的要請として扱える、ということです。特定価格を求めてよいのは法令等による社会的要請がある場合だけなので、どこまでが法令等かを定めたこの留意事項が、特定価格の範囲を決めています。

法律から会計・監査の基準まで、法令等の棚は広い。
企業会計の基準と監査基準も、法令等に含まれます
留意事項の列挙は二段になっています。前半は法律、政令、内閣府令、省令、その他国の行政機関の規則、告示、訓令、通達等という国の決まりで、後半は「のほか」で続けて、最高裁判所規則、条例、地方公共団体の規則、不動産鑑定士等の団体が定める指針、企業会計の基準、監査基準を加えています。会計や監査の基準が入っているので、財務諸表のための鑑定評価も法令等による社会的要請を背景にしうる、と読めます。国が作る決まりだけに絞ると、この後半がまるごと落ちてしまいます。
団体の指針は、届出と協議を経て合意形成されたものです
不動産鑑定士等の団体が定める指針とは、不動産の鑑定評価に関する法律第48条の規定により国土交通大臣に届出をした社団又は財団が定める指針で、国土交通省との協議を経て、その団体において合意形成がなされたものをいいます。どんな団体の内規でも法令等になるわけではなく、届出をした団体であること、国土交通省と協議したこと、団体の中で合意ができたことの三つがそろって初めて含まれます。民間の団体の決まりを法令と並べるには、国が関与した手続が要る、という組み立てです。

届出をした団体が、国土交通省と協議し、合意形成して初めて指針になる。
法令等による社会的要請が、特定価格の入口です
特定価格は、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合に求めます。証券化対象不動産の鑑定評価や、民事再生法・会社更生法に基づく鑑定評価のように、根拠となる法令等があって初めて、正常価格の前提を外す条件を置けます。依頼者の個人的な予定や、一時的な市況の悪さは法令等ではないので、それだけでは特定価格の入口に立てません。
法令等とは、法律、政令、内閣府令、省令、その他国の行政機関の規則、告示、訓令、通達等のほか、最高裁判所規則、条例、地方公共団体の規則、不動産鑑定士等の団体が定める指針(略)、企業会計の基準、監査基準をいう。
出典: 総論第5章 第3節
実務ではこう使う
財務諸表のための鑑定評価では、減損会計や時価開示に関する会計基準、監査基準が求める価格の考え方を確かめ、それが法令等による社会的要請に当たるかを判断します。証券化や再生手続の依頼でも、根拠となる法令等と、そこから導かれる鑑定評価目的を評価書に書きます。
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