事業の認定の失効とは?土地収用法での意味を図でわかりやすく解説
事業の認定の告示から1年以内に裁決の申請がないときなどに、事業の認定が期間満了の日の翌日から将来に向かって効力を失うことです。つまり、認定を受けたまま起業者が動かないと認定は自動的に消え、土地は縛りのない状態に戻ります。
事業の認定の失効とは
道路事業が認定されて告示されると、地主は勝手に土地の形を変えられず、売ろうにも買い手がつきにくくなります。その状態で起業者が何年も動かなければ、地主は宙づりのままです。そこで法律は、告示から1年以内に裁決の申請がなければ認定を失効させ、土地を元の状態に戻します(29条1項)。失効は告示の日にさかのぼるのではなく、期間が満了した翌日から先に向かって生じます。起業者が事業を廃止・変更したときも、知事の告示の日から認定は効力を失います(30条)。

1年以内に裁決を申請しなければ、認定は翌日から消える。
失効は将来に向かってで、告示の日にはさかのぼりません
起業者が告示の日から1年以内に収用または使用の裁決の申請をしないときは、事業の認定は、期間満了の日の翌日から将来に向かってその効力を失います(29条1項)。それまでに行われた説明会や調書の作成が無かったことになるわけではなく、その日以降に効力がなくなるだけです。条文に理由は書いていませんが、告示の日にさかのぼって消すと、その間の立入りや周知の措置まで根拠を失って混乱するので、先に向かってだけ消すと考えられます。

済んだ手続はそのまま。消えるのは満了の翌日から先だけ。
4年以内に明渡裁決の申立てがないときも失効します
告示の日から4年以内に明渡裁決の申立てがないときも、認定は同じように将来に向かって失効します(29条2項前段)。この場合、既にされた裁決手続開始の決定と権利取得裁決は、取り消されたものとみなされます(29条2項後段)。手続を保留した土地について、告示から3年以内に手続開始の申立てがないときも失効します(34条の6)。裁決申請の1年、手続開始申立ての3年、明渡裁決申立ての4年と、三つの期限はどれも告示の日から数えます。
失効で損失を受けた土地所有者には、起業者が補償します
告示の後に、起業者が事業を廃止・変更し、または認定が失効したことによって土地所有者や関係人が損失を受けたときは、起業者はこれを補償しなければなりません(92条1項)。告示のあと形質の変更が制限され、売却の機会を失ったといった損失が対象です。この補償は、損失があったことを知った日から1年を経過すると請求できません(92条2項・91条2項)。補償は起業者と損失を受けた者が協議して定め、協議が成立しないときはどちらからでも収用委員会の裁決を申請できます(94条)。

認定で土地を縛ったのは起業者だから、失効の損失も起業者が補償する。
起業者が第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から一年以内に第三十九条第一項の規定による収用又は使用の裁決の申請をしないときは、事業の認定は、期間満了の日の翌日から将来に向つて、その効力を失う。
出典: 土地収用法 29条1項
実務ではこう使う
認定が失効した土地は、告示の後にかかっていた形質変更の制限が外れ、また普通の土地に戻ります。鑑定評価では、対象地が過去に事業の認定を受けて失効した経緯があれば、都市計画施設の区域の指定が残っているかどうかとあわせて公法上の規制を確かめます。失効までの間に売却の機会を失った損失は、起業者への補償の請求の話であって、土地そのものの価格には織り込みません。
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