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裁決の申請とは?土地収用法での意味を図でわかりやすく解説

起業者が、事業の認定の告示があった日から1年以内に、収用または使用しようとする土地が所在する都道府県の収用委員会に、収用または使用の裁決を求めることです。つまり、認定で収用できる事業と認められた後に、どの土地をいくらの補償で取得するかを決めてもらう手続の入口です。

裁決の申請とは

事業の認定は「この道路なら人の土地を取ってよい」という判断で、どの土地をいくらで取るかはまだ決まっていません。それを決めるのが収用委員会の裁決で、その裁決を求める申立てが裁決の申請です(39条1項)。申請できるのは起業者だけで、土地所有者や関係人は自分からは申請できず、起業者に申請をするよう求める請求権を持つにとどまります(39条2項)。申請書には事業計画書、土地ごとの補償の見積り、土地調書などを添え(40条)、収用委員会は縦覧と審理を経て裁決します。認定が一つ目の扉なら、裁決の申請は二つ目の扉です。

裁決の申請の図解:どの土地をいくらで取るかを決めてもらう入口。申請するのは起業者。

どの土地をいくらで取るかを決めてもらう入口。申請するのは起業者。

申請できるのは起業者で、告示から1年以内に収用委員会へ出します

起業者は、事業の認定の告示があった日から1年以内に限り、収用し、または使用しようとする土地が所在する都道府県の収用委員会に、収用または使用の裁決を申請することができます(39条1項)。1年を過ぎると認定が失効するので(29条1項)、この期限は起業者にとって命綱です。申請の相手は認定をした大臣や知事ではなく、土地のある都道府県の収用委員会です。申請に係る事業が告示された事業と異なるときなどは、収用委員会は裁決で申請を却下します(47条)。

土地所有者と関係人は、起業者に申請をするよう請求できるだけです

土地所有者と土地に関して権利を有する関係人は、自己の権利に係る土地について、起業者に対し、裁決の申請をすべきことを請求することができます(39条2項)。先取特権者、質権者、抵当権者、差押債権者、仮差押債権者は除かれ、一団の土地は残地となる部分を除いて分割して請求できません(39条2項ただし書)。認定の告示で土地が縛られたまま起業者が動かないとき、所有者の側から手続を進めさせる権利です。起業者が請求を受けた日から2週間以内に申請しなかったときは、収用委員会は権利取得裁決において、起業者が過怠金を支払うべき旨の裁決をしなければなりません(90条の4)。過怠金は、受けるべき補償金の額につき年18.25パーセントの割合で、怠った日数に応じて算定します。

裁決の申請の図解:所有者は起業者に請求できるだけ。請求から2週間で過怠金が付く。

所有者は起業者に請求できるだけ。請求から2週間で過怠金が付く。

申請書は2週間縦覧され、裁決は二段で行われます

収用委員会は裁決申請書を受理すると、市町村長に関係部分の写しを送り、土地所有者と関係人に申請があった旨を通知します(42条1項)。市町村長は直ちに公告し、公告の日から2週間、書類を公衆の縦覧に供します(42条2項)。土地所有者と関係人は縦覧期間内に収用委員会に意見書を提出でき、期間を過ぎても相当の理由があれば受理されます(43条1項)。縦覧期間が過ぎると収用委員会は遅滞なく審理を開始し(46条1項)、却下する場合を除いて、権利取得裁決と明渡裁決の二つの裁決を行います(47条の2)。明渡裁決は、起業者、土地所有者または関係人の申立てをまって行います(47条の2第3項)。

裁決の申請の図解:2週間の縦覧で意見を出させてから審理し、裁決は権利取得裁決と明渡裁決の二段。

2週間の縦覧で意見を出させてから審理し、裁決は権利取得裁決と明渡裁決の二段。

起業者は、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から一年以内に限り、収用し、又は使用しようとする土地が所在する都道府県の収用委員会に収用又は使用の裁決を申請することができる。(2項)土地所有者又は土地に関して権利を有する関係人(先取特権を有する者、質権者、抵当権者、差押債権者又は仮差押債権者である関係人を除く。)は、自己の権利に係る土地について、起業者に対し、前項の規定による申請をすべきことを請求することができる。

出典: 土地収用法 39条1項・2項

実務ではこう使う

裁決申請書には、土地とその権利に対する損失補償の見積りとその内訳を添付します(40条)。この見積りの根拠として起業者が鑑定評価を依頼するので、用地評価の評価書は裁決申請の書類の一部として審理の場に出ることになります。縦覧で土地所有者が意見書を出せば、評価の中身が争点になることもあります。

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