可変的であって伸縮的とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
土地の人文的特性(用途の多様性、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等)の性格をまとめて言い表した基準の言葉で、人の働きかけによって土地の使い方や区画や位置づけが変わり、伸び縮みするということです。自然的特性をまとめた「固定的であって硬直的」と対になります。
可変的であって伸縮的とは
土地そのものは動かせず増やせませんが、その上で何をするかは人が決めます。畑を宅地に変え、二つの区画を一つにし、駅ができれば郊外だった土地が駅前の土地になります。基準は、こうした人文的特性を三つ挙げたあと、まとめて「可変的であって伸縮的である」と締めます。基準はこの二語を分けて定義してはいませんが、言葉どおりに読めば、可変的は変えられること、伸縮的は伸び縮みすることで、どちらも人の働きかけで動く性格を言っています。土地は粘土のように、人の手で形も使い方も変えられる、というのが近いイメージです。

土地は一坪も増えないのに、区画も使い方も人が変えられる。
締めの言葉は、人が変えられるかどうかの分かれ目です
基準は、自然的特性を「固定的であって硬直的」、人文的特性を「可変的であって伸縮的」と締めます。締めの言葉は、五つと三つの特性の性格をひとまとめにした結論です。土地そのものの性質は人が何をしても変えられないから固定的で硬直的、人と土地の関係から生まれる性質は人の働きかけで変わるから可変的で伸縮的です。用途の多様性や位置の可変性を挙げながら「固定的であって硬直的」と締めると、人が変えられる性質を人が変えられないと言うことになり、一つの文の中で前後が食い違います。
価格に応じて需要が伸び縮みするのは、この特性の反映です
総論第4章の需要と供給の原則は、不動産は他の財と異なる自然的特性及び人文的特性を持つため、需要と供給及び価格の形成にはこれらの特性の反映が認められる、と定めます。価格が下がれば、住宅にも店にも駐車場にも使える土地なので、いろいろな用途の買い手が現れて需要が増え、価格が上がれば買い手は退きます。一方、価格が上がっても土地は新しく作れないので、供給側は硬いままです。第4章は両方の特性の反映が認められるとだけ書き、需要が人文的、供給が自然的と割り当ててはいませんが、需要の伸び縮みを用途の多様性などの人文的特性の反映、供給の硬さを不増性という自然的特性の反映と読むと、原則の文が具体的に見えてきます。

需要は価格に応じて伸び縮みするが、供給は硬いまま。
併合と分割は、伸び縮みが最も目に見える特性です
区画を合わせて大きくし、分けて小さくできるのが併合及び分割の可能性で、人文的特性の伸び縮みする性格が土地の形にそのまま現れる特性です。同じ土地を商業地としても住宅地としても使えるのも、人の働きかけで変わる性格の現れです。土地そのものは動かず増えもしないのに、人の側で区画の範囲と使い方を伸び縮みさせられる、というのが人文的特性の中身です。だから併合及び分割の可能性は、人が変えられない自然的特性の列には入りません。
人文的特性として、用途の多様性(用途の競合、転換及び併存の可能性)、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等を有し、可変的であって伸縮的である。
出典: 総論第1章 第2節
実務ではこう使う
区画整理や再開発の予定がある地域では、いまの区画と用途が数年で変わることを前提に評価します。分譲事業者から広い土地の評価を頼まれたときは、分けて売る前提の開発法を検討します。土地の使い方と区画が人の側で伸び縮みするからこそ、依頼目的に応じて、どの使い方を想定するかを確かめる必要があります。
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