/ 行政法規

鑑定人とは?土地収用法での意味を図でわかりやすく解説

収用委員会が、審理や調査のために出頭を命じて鑑定をさせる専門家です。土地や建物、これらに関する所有権以外の権利の価格を鑑定させるときは、鑑定人のうち少なくとも1人は不動産鑑定士でなければなりません。

鑑定人とは

収用委員会の審理では、起業者は「この土地は1㎡10万円」、土地所有者は「いや15万円」と、価格の主張がぶつかります。収用委員会が自分で見て決めるだけでは心もとないので、中立の専門家に価格を鑑定させて裁決の根拠にします。その専門家が鑑定人で、収用委員会が出頭を命じて鑑定させます(65条1項2号)。土地や建物の価格を鑑定させるときは、鑑定人のうち少なくとも1人は不動産鑑定士でなければなりません(65条2項)。土地収用法が不動産鑑定士の名前を直接書いている数少ない条文で、鑑定士の仕事が収用の手続の中に組み込まれている場面です。

鑑定人の図解:双方の価格が食い違うから、中立の鑑定人に鑑定させて裁決の根拠にする。

双方の価格が食い違うから、中立の鑑定人に鑑定させて裁決の根拠にする。

当事者が申し立て、収用委員会が相当と認めれば鑑定させます

起業者、土地所有者、関係人は、自分が申し立てた事項や述べた意見の内容を証明するために、収用委員会に対して、資料の提出、参考人の審問、鑑定人に鑑定を命ずること、土地や物件の実地調査を申し立てることができます(63条4項)。収用委員会は、その申立てが相当であると認めるとき、または審理や調査のために必要があると認めるときは、鑑定人に出頭を命じて鑑定させることができます(65条1項2号)。当事者の申立てがなくても、委員会が必要と認めれば自ら命じられます。当事者は、出頭した鑑定人を自ら審問することも申し立てられます(63条5項)。

価格の鑑定なら、鑑定人の少なくとも1人は不動産鑑定士です

鑑定人に土地もしくは建物またはこれらに関する所有権以外の権利の価格を鑑定させるときは、当該鑑定人のうち少なくとも1人は、不動産鑑定士でなければなりません(65条2項)。鑑定人が3人いれば全員でなくてよく、1人が鑑定士であれば足ります。この要件は鑑定人についてのもので、収用委員会の委員7人(52条1項)に鑑定士がいなければならないという規定はありません。委員は法律、経済または行政にすぐれた者から選ばれ、価格の専門は鑑定人が受け持つという役割の分け方です。

鑑定人の図解:決まりは委員でなく鑑定人に付く。価格の鑑定人は少なくとも1人が鑑定士。

決まりは委員でなく鑑定人に付く。価格の鑑定人は少なくとも1人が鑑定士。

起業者や土地所有者とその身内は、鑑定人になれません

鑑定人は、委員の除斥事由(61条1項各号)に該当する者であってはなりません(65条5項)。起業者、土地所有者、関係人と、その配偶者、四親等内の親族、同居の親族、代理人、保佐人、補助人、当事者である法人の役員などは鑑定人になれません。当事者の側の人が価格を鑑定したのでは中立な根拠にならないからです。鑑定人には、条例の定めにより旅費と手当が支給されます(65条6項)。

鑑定人の図解:当事者側の人が鑑定しては中立な根拠にならないから、身内も鑑定人になれない。

当事者側の人が鑑定しては中立な根拠にならないから、身内も鑑定人になれない。

前項第二号の規定によつて鑑定人に土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の価格を鑑定させるときは、当該鑑定人のうち少なくとも一人は、不動産鑑定士でなければならない。

出典: 土地収用法 65条2項

実務ではこう使う

収用委員会から鑑定を命じられた鑑定士は、事業の認定の告示の時を価格時点として土地の相当な価格を鑑定し、審理で当事者からの審問にも答えます。起業者側の用地評価と所有者側の反論の両方を見た上で、中立の価格を示す役割です。起業者や土地所有者の親族に当たる鑑定士は、この鑑定人にはなれません。

関連用語

#不動産鑑定士試験 #行政法規 #鑑定人

短答式対策

肢別トレーニングで行政法規を攻略

過去問をベースにした一問一答形式のトレーニング。 行政法規の頻出論点を効率的に学べます。

年額プランなら1日わずか27円

トレーニングを始める 無料でアカウント作成
App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう
肢別トレーニング画面
用語集に戻る