公平妥当な態度とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
鑑定評価に当たって、自己又は関係人の利害の有無その他いかなる理由にかかわらず、どちらにも寄らずに保つ態度です。鑑定士が守るべき遵守事項の一つです。
公平妥当な態度とは
鑑定士は依頼者から報酬をもらいますが、依頼者に有利な値段を出す仕事ではありません。天秤を水平に保つ、というのが一番近いイメージです。自分や身内に利害があっても、依頼者に頼まれても、傾けません。基準はこれを、鑑定士が守るべき五つの事項の三つ目に置いています。

依頼者にも親族にも寄らず、天秤を水平に保つ。
「いかなる理由にかかわらず」なので、例外はありません
基準は「自己又は関係人の利害の有無その他いかなる理由にかかわらず」と書きます。自分の利害、依頼者の頼み、報酬の多い少ない、どれも理由になりません。「良心に従い誠実に」という前段の責務と一続きの価値です。
秘密は守りますが、依頼者の味方になるわけではありません
鑑定士は、仕事で知った依頼者の秘密を外に漏らしてはいけません。これが守秘義務です。ただ、秘密を守ることと、依頼者に有利な値段を出すことは、別のことです。医者は患者のカルテを外に出しませんが、患者の望みどおりの診断書は書きません。それと同じで、鑑定士は依頼者の秘密は守りますが、値段は資料と分析で決めた数字のまま出します。基準に書かれているのは、守秘義務と公平妥当な態度の二つで、「依頼者の利益のために働く」という決まりはどこにもありません。

医者がカルテを守っても望みどおりの診断書は書かないのと同じ。
公平を保てないおそれがあるときは、引き受ける前に断ります
縁故や特別の利害関係があって公平な評価を害するおそれがあれば、態度で乗り切るのではなく、原則として引き受けません(五つ目の遵守事項)。三つ目と五つ目は、公平という一つの価値を「評価の途中」と「引受けの入口」の二か所で守っています。

公平を保てないおそれがあれば、入口で断る。
不動産の鑑定評価に当たっては、自己又は関係人の利害の有無その他いかなる理由にかかわらず、公平妥当な態度を保持すること。
出典: 総論第1章 第4節
実務ではこう使う
依頼者が「もう少し高い評価額にならないか」と身を乗り出しても、評価額は資料と分析から出た結論のまま動かしません。親族や取引先の物件を頼まれたら、まず利害関係の有無を確かめ、公平を害するおそれがあれば断ります。評価書に利害関係の有無を記載する欄があるのは、この態度を外から確かめられるようにするためです。
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