/ 鑑定理論

見込地とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地です。つまり、畑が住宅地に、山林が畑に変わっていく途中の土地で、変わる先の名を付けて宅地見込地・農地見込地と呼びます。

見込地とは

町のはずれを歩くと、畑の間に新しい家が一軒、また一軒と建ち、農道が舗装され、バス停ができている場所があります。まだ畑の顔をしていますが、地域全体としては農地地域から宅地地域へ変わる途中にあります。こういう場所の土地が見込地で、変わる先が宅地なら宅地見込地、山林が切り開かれて畑になっていくなら農地見込地です。基準は、宅地・農地・林地と並ぶ土地の種別の一つとして見込地を置き、地域の種別の境を越えて「転換しつつある」地域の土地、と定めています。

見込地の図解:山から畑へ、畑から町へ。種別の境を越えて変わる途中の土地が見込地。

山から畑へ、畑から町へ。種別の境を越えて変わる途中の土地が見込地。

転換は種別の境を越える変化で、細分の中の移行と区別します

地域の種別には、宅地地域・農地地域・林地地域という大きな区分と、宅地地域の中の住宅地域・商業地域・工業地域という細分の二段があります。大きな区分の境を越えて変わることを基準は「転換」と呼び、その途中の土地が見込地です。同じ宅地地域の中で住宅地域が商業地域に変わるような、細分の間の変化は「移行」と呼び、その土地は移行地です。畑が住宅地になるのは転換なので、その土地は宅地見込地であって、宅地移行地という種別は基準にありません。

見込地はまだ宅地ではないので、更地という類型は使えません

宅地見込地は、宅地になると見込まれる土地であって、まだ宅地そのものではありません。更地は「建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地」と、宅地について定義された類型です。基準は見込地の類型を直接には書いていませんが、更地の定義が宅地について書かれている以上、転換しつつある地域の中の畑は、何も建っていなくても更地とは呼べないと読めます。種別は宅地見込地、現況は農地として組み立てます。宅地見込地の価格を求めるときに「転換後・造成後の更地を想定する」のは、今は更地ではないからこそ、将来の姿を仮に置いて計算するという意味です。

見込地の図解:今は畑だから更地ではない。将来の更地を想定して値段を組み立てる。

今は畑だから更地ではない。将来の更地を想定して値段を組み立てる。

熟成度で、どちらの地域の要因を重視するかが決まります

畑の一枚一枚が同じ速さで宅地に変わるわけではありません。道路や上下水道が入り、周りに家が建ち並んでいる場所は転換が進んでいて、まだ農道しかない場所は転換が始まったばかりです。この進み具合を熟成度と呼びます。基準は、転換しつつある地域では転換後の種別(宅地地域)の地域要因をより重視し、転換の程度が低いときは転換前の種別(農地地域)の地域要因をより重視する、と定めます。熟成度の低い宅地見込地の価格も、比準価格を標準に、農地としての価格に宅地となる期待性を加味した価格を比較考量して求めます。

見込地の図解:町に近い畑ほど転換が進み、重視する要因も宅地地域のものに寄る。

町に近い畑ほど転換が進み、重視する要因も宅地地域のものに寄る。

見込地とは、宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地をいい、宅地見込地、農地見込地等に分けられる。

出典: 総論第2章 第1節

実務ではこう使う

郊外の農地を評価するときは、周りで宅地開発や道路整備が進んでいるかを見て、農地として評価するか宅地見込地として評価するかを最初に決めます。見込地とするなら、行政上の規制、道路や上下水道の整備、住宅や店舗の建設の動きから熟成度を説明し、転換後の更地を想定した価格と比準価格を関連づけます。熟成度が低ければ、比準価格を標準に、農地としての価格に宅地となる期待性を加味した価格を比較考量します。

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