/ 鑑定理論

利用形態とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

不動産が、与えられた自然的条件及び人文的条件のもとで、どのように利用されているかという使われ方です。つまり、畑か、駐車場か、住宅か、店かという、その不動産の使い方のことです。

利用形態とは

同じ通りを歩くと、畑、月極駐車場、戸建て住宅、一階が店の建物と、土地ごとに使われ方が違います。この一つひとつの使われ方が利用形態です。基準は、不動産は土地の持つ諸特性に照応する特定の自然的条件及び人文的条件を与件として利用され、諸条件の変化に伴ってその利用形態並びにその社会的及び経済的な有用性は変化する、と書きます。与件とはあらかじめ与えられた条件のことで、利用形態はその条件のもとで選ばれた使われ方、有用性はその使われ方が生む役立ちです。土地は動きませんが、使われ方は条件しだいで移り変わります。

利用形態の図解:畑、駐車場、住宅、店。土地ごとの使われ方が利用形態。

畑、駐車場、住宅、店。土地ごとの使われ方が利用形態。

利用形態は、与件である条件が変わると変わります

利用形態は、その不動産に与えられた自然的条件と人文的条件のもとで決まっています。だから条件が変われば使われ方も変わります。近くの大学が移転すれば学生向けアパートは空き、取り壊されて駐車場になり、逆に新しい道路が通れば畑が店に変わります。順番は決まっていて、条件が先に変わり、利用形態と有用性がそれを追って変わります。使われ方は固定されたものではなく、条件に応じて動くものです。

利用形態の図解:バイパスが開通して条件が変わると、街道沿いの食堂は貸店舗に変わる。

バイパスが開通して条件が変わると、街道沿いの食堂は貸店舗に変わる。

土地は動かなくても、その上の不動産の使われ方は変わります

基準が「その利用形態」と書くときの「その」は、土地を基盤とする不動産を指します。土地は、地理的位置の固定性や永続性という自然的特性の面では固定的であって硬直的です。しかし土地には用途の転換の可能性という人文的特性もあり、その面では可変的であって伸縮的です。その土地を基盤とする不動産の利用形態が移り変わるのは、この人文的特性があるからです。土地は同じ場所に同じ形で残りながら、その上の使われ方だけが畑から住宅へ、住宅から店へと移っていきます。動かない土地と、動く使われ方を分けて読むと、基準の文がそのまま読めます。

利用形態が最適か、持続できるかは常に検討します

不動産の属する地域は固定的なものではなく、常に拡大縮小、集中拡散、発展衰退の変化の過程にあります。地域が動くのだから、いまの利用形態が最適なものであるかどうか、仮に現在最適であっても時の経過に伴って持続できるかどうかを、常に検討しなければなりません。基準は、地域が常に変化の過程にあるから検討しなければならない、と理由まで書いています。裏返せば、検討が要るのは地域が動くからだ、と読めます。この検討が、最も値打ちの出る使い方を探す総論第4章の最有効使用の考え方につながり、第6章の地域分析・個別分析で標準的使用や市場参加者の利用形態の選択を見る作業として具体化します。

利用形態の図解:周りがビルに変わった駅前の駐車場。いまの使われ方が最適か、常に検討する。

周りがビルに変わった駅前の駐車場。いまの使われ方が最適か、常に検討する。

そして、これらの諸条件の変化に伴って、その利用形態並びにその社会的及び経済的な有用性は変化する。

出典: 総論第1章 第2節

実務ではこう使う

現地調査では、対象不動産の現況の利用形態を、建物の用途、階ごとの使われ方、空室や駐車場の有無として書き取ります。評価書では現況の利用形態と最有効使用を分けて書き、二つが違うなら、なぜ違うのか、その差が価格にどう効くのかを説明します。畑として使われている土地を宅地見込地として評価する場面がその代表です。

関連用語

#不動産鑑定士試験 #利用形態 #鑑定理論

アプリで学習

基準ビューワー × 穴埋めドリルで効率的に学ぶ

鑑定評価基準の原文をスマホで閲覧しながら、穴埋めドリルや論証トレーニングで知識を定着。 短答式・論文式どちらの対策にも対応しています。

年額プランなら1日わずか27円

基準ビューワーを見る 無料でアカウント作成
App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう
穴埋めドリル画面
用語集に戻る