/ 鑑定理論

有用性とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

有用性とは、土地が持つ、役に立つ力のことで、基準は、土地はその持つ有用性の故にすべての国民の生活と活動とに欠くことのできない基盤である、と定めています。つまり、住む、働く、作物を育てるといった営みが土地の上でしかできないから、土地は暮らしの土台だということです。

有用性とは

新しく区画ができた分譲地を思い浮かべてください。家が建ち、保育園ができ、スーパーが開き、公園で子どもが遊び始めます。どれも土地の上でしかできません。この、物を載せ、人が暮らし働く場になる土地の力が有用性です。基準は不動産の定義の直後に、土地はその持つ有用性の故にすべての国民の生活と活動とに欠くことのできない基盤である、と書き、不動産の値打ちの話をこの一文から始めます。

有用性の図解:造成されたばかりの土地に、家も保育園も店も載っていく。

造成されたばかりの土地に、家も保育園も店も載っていく。

有用性は土地の側の力で、効用は人が認めるものです

有用性は、土地そのものが持っている、役に立つ力です。効用は、基準が「その不動産に対してわれわれが認める効用」と書くとおり、人がその力を自分の生活や活動に役立てようと認めたときに生まれるものです。基準は二つを対にして説明してはいませんが、土地の側の語が有用性、人の側の語が効用と分けて読むと、第1節の二つの文が読み分けられます。効用は相対的稀少性、有効需要とともに、三者の相関結合で経済価値を生みます。

有用性は、条件を与件として、地域の中で発揮されます

土地の役に立つ力は、それだけで働くのではありません。基準は、不動産は土地の特性に照応する特定の自然的条件及び人文的条件を与件として利用され、その社会的及び経済的な有用性を発揮する、と書きます。海に面し、幹線道路につながるという条件がそろって初めて、その土地は倉庫用地として役に立ちます。さらに不動産は、条件を共通にする他の不動産とともに地域を構成し、地域との依存や補完、地域内の不動産との協働、代替、競争の関係を通じて有用性を発揮します。港の倉庫は、港と道路と周りの倉庫群があってこそ働く、ということです。

有用性の図解:海と道路と周りの倉庫群があって初めて、その土地は倉庫用地として役に立つ。

海と道路と周りの倉庫群があって初めて、その土地は倉庫用地として役に立つ。

土地は古びなくても、有用性は変わります

土地には永続性があり、建物のように古びることはありません。しかし基準は、諸条件の変化に伴って、その利用形態並びにその社会的及び経済的な有用性は変化する、と定めます。港が別の場所に移れば、港のそばの倉庫用地は役に立たなくなり、住宅街の中の土地でも、上に老朽化した建物が建ったままだと、使い道が狭まって敷地の経済価値が下がることがあります。土地そのものは変わらないのに役に立ち方は変わる、というのが、第2節の自然的特性(固定的で硬直的)と有用性の変化とを並べて読むときの要点です。

有用性の図解:港が移ると、土地は同じでも倉庫用地としての役立ち方は変わる。

港が移ると、土地は同じでも倉庫用地としての役立ち方は変わる。

土地はその持つ有用性の故にすべての国民の生活と活動とに欠くことのできない基盤である。

出典: 総論第1章 第1節

実務ではこう使う

現地で日当たり、道路付け、地盤、周りの施設を見るのは、その土地がどんな暮らしや商売に役立つかを確かめる作業です。同じ土地でも、駅ができれば役立ち方が増え、幹線道路が付け替えられれば減ります。評価書の最有効使用の判定は、その土地の有用性を最も大きく発揮する使い方を選ぶことです。

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