永続性とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
土地は建物のように老朽化してなくなることがない、という自然的特性の一つです。基準は括弧書きで「不変性」と言い換えており、つまり土地そのものには寿命がないということです。
永続性とは
築40年の家が傷んできたので取り壊し、同じ場所に新しい家を建てる。よくある話です。このとき壊されるのは建物だけで、下の土地は祖父の代から同じ場所に同じ形で残っています。家は数十年で建て替えになりますが、土地は使っても古びず、使い尽くしてなくなることもありません。この性質を基準は永続性と呼び、括弧の中に「不変性」と添えて、自然的特性の一つに挙げています。

家は建て替えても、下の土地は祖父の代から同じ場所に同じ形で残る。
永続性は土地の性質で、値打ちが変わらない意味ではありません
永続性は、土地が物として老朽化しないという物理的な性質です。土地の値打ちがずっと同じという意味ではありません。基準は同じ節で、諸条件の変化に伴って不動産の利用形態と社会的及び経済的な有用性は変化する、と定めています。駅ができれば同じ土地の使われ方も値打ちも変わります。固定的で硬直的なのは土地という物であって、その上での使われ方と役立ち方は動きます。
古い建物が残ると、敷地の経済価値が下がることがあります
基準は、諸条件の変化に伴って不動産の利用形態と社会的及び経済的な有用性は変化する、とだけ定めています。土地は古びなくても、その上に所有者名義の古い建物が建ったままだと、その土地は最有効使用から外れます。壊す費用がかかり、建て替えまで新しい使い方ができないからです。だから建物の老朽化が、敷地である土地の経済価値を下げることがある、と読めます。土地の永続性と、その土地が今いくらで売れるかは別の問題だということです。

土地は古びなくても、古い建物が載ったままだと敷地の値打ちは下がる。
括弧の言い換え「不変性」は、固定性とは別の語です
基準の自然的特性には、括弧の言い換えが付くものがあります。永続性には「不変性」、不動性には「非移動性」、個別性には「非同質性、非代替性」です。地理的位置の固定性は場所が変えられないことで、永続性とは別の性質として並びます。土地は場所も変えられず、古びもしない、という二つの性質を、基準は別々の語で言っています。
土地だけの原価法は、再調達原価を求められるときに限られます
原価法は、対象不動産をもう一度作るといくらかかるか(再調達原価)を求め、古びた分などを差し引く(減価修正)手法です。建物は築年で古びるので減価を見積もれますし、作り直す費用も出せます。基準は、土地のみの場合は再調達原価を適切に求めることができるときに限って原価法を適用できる、とだけ定めています(総論第7章)。これは、土地は古びないので減価を見積もる前提がなく、多くの土地は作り直す費用も出せないためだ、と読めます。造成地のように、素地の取得原価に造成費を加えて再調達原価を出せる土地がその例です。

建物は古びるから減価を見積もれるが、土地は古びず、多くは作り直す費用も出せない。
自然的特性として、地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等を有し、固定的であって硬直的である。
出典: 総論第1章 第2節
実務ではこう使う
建物及びその敷地の評価では、建物は築年から減価を見積もる一方、土地はその時点の地域の価格水準から求めます。現地で古い家が傾いていても、土地の輪郭と面積は登記のとおりで変わっていないことを確かめます。依頼者が「土地も古くなったから安いはず」と言っても、土地そのものは古びない、と説明できるようにしておきます。
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