不動性とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
土地を持ち運べない、という自然的特性の一つです。基準は括弧書きで「非移動性」と言い換えており、つまり買った人が土地のところへ行くしかなく、土地はその場所の条件から離れられないということです。
不動性とは
家電の店では冷蔵庫も自転車も棚に並び、買えば家まで届けてもらえます。不動産屋の店先に並ぶのは、土地の写真と図面だけです。土地そのものは店に運べないので、買う人は担当者と一緒に現地へ行き、その場所で土地を見ます。物は買った人のところへ来ますが、土地は買った人が土地のところへ行くしかない、ということです。この性質を基準は不動性と呼び、括弧の中に「非移動性」と添えて、自然的特性の一つに挙げています。

冷蔵庫は店に並ぶが、土地は写真と図面でしか店に置けない。
動かせないから、価格は地域ごとに形成されます
米や車のように運べる財なら、安い地域で仕入れて高い地域で売る人が現れ、価格の差はやがて縮まります。土地は運べないので、A町の土地が余っていてもB町の需要には応えられず、価格の差はそのまま残ります。だから土地の価格は、全国一律ではなく地域ごとに形成されます。総論第6章で、対象不動産と代替関係にある不動産の存する範囲を同一需給圏として区切るのは、この性質があるからです。

運べる財は価格が均されるが、土地は運べないので地域ごとの価格が残る。
不動性と地理的位置の固定性は、並んで書かれる別の語です
自然的特性のうち、地理的位置の固定性は、その土地がどこにあるかが決まっていて変えられないことです。不動性は、その土地を持ち運べないことです。意味は近いものの、基準は別の語として並べています。括弧の言い換えも、不動性には「非移動性」、永続性には「不変性」と、それぞれ別に付いています。
動かせないから、その場所の条件をそのまま前提にして使います
土地は動かせないので、その土地に照応する自然的条件と人文的条件を与件として利用するしかありません。地盤、日当たり、道路の幅、駅までの距離は、土地を運んで変えることができない前提です。だからこそ鑑定士は現地に出向いて条件を確かめ、地域の中でその土地がどんな位置にあるかを見ます。不動性は土地の欠点ではなく、土地が地域と結び付いて有用性を発揮する出発点です。

宝石は持ち込めるが、土地は持ち込めないから鑑定士が現地へ行く。
自然的特性として、地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等を有し、固定的であって硬直的である。
出典: 総論第1章 第2節
実務ではこう使う
鑑定士は評価のたびに現地に行き、対象不動産の周りを歩いて確かめます。土地を事務所に運んで来られないからです。取引事例も、遠く離れた地域の事例は使えず、同一需給圏内の類似地域等から集めます。土地は動かない、という当たり前の事実が、仕事の手順を決めています。
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