/ 鑑定理論

地理的位置の固定性とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

土地はその場所が決まっていて、人が動かしたり選び直したりできないという、土地の自然的特性の一つ目です。つまり、家は建て替えられても、土地の住所は一生変わりません。

地理的位置の固定性とは

同じ間取りの家でも、都心の住宅街に建つか山あいに建つかで値打ちはまるで違います。車なら気に入らなければ乗り換えられますし、家なら建て替えられます。土地の場所だけは、どうしても選び直せません。この、場所が決まっていて動かないという性質が地理的位置の固定性で、基準は自然的特性の一つ目に挙げ、五つまとめて「固定的であって硬直的である」と締めています。

地理的位置の固定性の図解:家は同じものを建てられるが、土地の場所は一つに決まっている。

家は同じものを建てられるが、土地の場所は一つに決まっている。

場所は動きませんが、社会的及び経済的位置は動きます

地理的位置の固定性は、緯度と経度で表される場所が動かないことです。一方、その場所が街の中で占める位置づけは、駅ができれば一等地になり、道路が付け替えられれば人の流れから外れるというように動きます。基準はこれを社会的及び経済的位置の可変性と呼んで人文的特性の側に置いていて、地理的位置の固定性と対で読めます。同じ「位置」の語でも、地理的位置は土地そのものの場所、社会的及び経済的位置は人が作る街の中での立場です。

地理的位置の固定性の図解:画鋲は動いていないのに、周りが変わって位置づけが変わる。

画鋲は動いていないのに、周りが変わって位置づけが変わる。

固定だから、その場所の条件を与件として利用します

場所を選び直せないので、不動産は、地盤や日当たりのような自然的条件と、駅までの距離や用途地域のような人文的条件を、その場所に付いてくるものとして受け入れて利用するしかありません。基準はこれを、土地の持つ諸特性に照応する特定の自然的条件及び人文的条件を与件として利用する、と書きます。ただし、固定的で硬直的なのは土地そのものです。基準は続けて、諸条件の変化に伴って利用形態と社会的及び経済的な有用性は変化する、と定めています。

地理的位置の固定性の図解:場所を選び直せないから、その場所の条件を前提にして家の設計を決める。

場所を選び直せないから、その場所の条件を前提にして家の設計を決める。

場所が固定だから、同じ土地は二つとありません

土地の場所が一つに決まっている以上、まったく同じ場所にある別の土地はあり得ません。これが個別性(非同質性、非代替性)で、基準は固定性と同じ自然的特性の並びに挙げています。ただ、基準は同じ節で、不動産はその属する地域内の他の不動産との間に協働、代替、競争等の関係にたつとも定め、総論第4章には代替の原則があります。二つを合わせて読めば、土地が二つとないのは理論的で物理的な意味で、条件がおおむね似ている土地の間には代替の関係が認められることになります。同じ駅から同じくらい歩く同じ広さの区画なら、買い手はどちらかを選ぶからです。

自然的特性として、地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等を有し、固定的であって硬直的である。

出典: 総論第1章 第2節

実務ではこう使う

現地調査では、公図と境界杭を照らして対象不動産の位置を確定し、そこから駅までの距離、前面道路、周りの建物を一つずつ書き取ります。場所は変えられないので、価格に効く条件はすべてその場所に紐付いて決まります。同じ建物の評価でも、敷地の位置が違えば別の仕事です。

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