相互作用とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
自然的、社会的、経済的及び行政的な四つの要因が、別々にではなく互いに影響し合いながら働き、不動産のあり方と経済価値を決めることです。つまり、要因は足し算ではなく絡み合って効くということです。
相互作用とは
山あいの町に温泉が湧けば、観光客が集まり、旅館や土産物店が建って地価が上がり、市は景観を守るために建物の高さを制限し、その規制が旅館の希少さを高めてまた地価に効きます。自然、社会、経済、行政の四つの動きは、一つずつ独立に効くのではなく、互いに次の動きを呼びます。基準は、不動産のあり方も、その経済価値も、自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用によって決定される、と定めます。四つの要因が絡み合って働く、この効き方が相互作用です。

自然・社会・経済・行政の四つが絡み合って、土地の使われ方と価格を決める。
一つの要因が動くと、他の要因も動きます
四つの要因は、ばらばらに価格へ加えられるのではなく、一つが動くと次を動かします。温泉が湧くという自然の動きが観光客という社会の動きを呼び、旅館が建つという経済の動きを呼び、高さ制限という行政の動きを呼び、その制限がまた経済に返ってきます。だから、金利だけ、人口だけ、都市計画だけを見て価格の先行きを読むことはできません。基準が「合計」ではなく「相互作用」と書くのは、要因どうしのこの連鎖を指しています。
相互作用は、不動産のあり方と経済価値の両方を決めます
基準は第1節で、この言葉を二度使います。一度目は、土地をどう使っているかという不動産のあり方が、四つの要因の相互作用によって決定される、という文です。二度目は、効用、相対的稀少性、有効需要の三者の相関結合で生じる経済価値が、その三者を動かす四つの要因の相互作用によって決定される、という文です。三者が結び付いて価格になるのが相関結合、その三者を後ろから動かすのが要因の相互作用で、使われ方と値段の両方が同じ四つの要因から決まります。

四つの要因が、土地の使われ方と値段の両方を決める。
第3章の一般的要因は、この四つの区分で整理されます
総論第3章は、価格形成要因を効用、相対的稀少性、有効需要の三者に影響を与える要因と定義し、そのうち一般的要因を自然的要因、社会的要因、経済的要因、行政的要因の四つに分けます。第1章で四つの要因の相互作用と書いたことが、第3章でこの四区分になって現れます。第1章が「なぜ四つか」を、第3章が「四つの中身は何か」を受け持っています。
この不動産のあり方は、自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用によって決定されるとともに経済価値の本質を決定づけている。
出典: 総論第1章 第1節
実務ではこう使う
評価書の一般的要因の分析では、人口の動き、金利、都市計画の変更を別々の項目に書きますが、判断のときは一つずつ独立に効くとは考えません。金利が下がって投資が増え、行政が容積率を緩め、街の景色が変わる、という絡み合いを読んで、対象不動産の価格がどこへ向かうかを見ます。要因を一つ見落とすと、他の要因の読みも狂います。
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