選択指標とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説
不動産の価格が持つ、人が不動産の使い方を選ぶときの手がかりとなる働きのことで、基準は、価格が要因の影響の下にあると同時に選択指標としてこれらの要因に影響を与える、と定めています。つまり、価格は要因が生んだ結果であるだけでなく、人の次の選択を導く手がかりでもあります。
選択指標とは
土地を売るか、貸すか、建て替えるか。持ち主が迷うとき、まず見るのは値段です。地価が上がっていれば農家は畑を手放して宅地に変わり、下がっていれば安さを見た買い手が別の使い方で入ってきます。このように、価格は人の選択を導く手がかりとして働き、基準はこの働きを選択指標と呼びます。価格は要因が生んだ結果であると同時に、要因を動かす選択指標でもある、これが二面性です。

値段を見て、農家も会社も家族も次の使い方を選ぶ。
選択指標は、二面性のうち価格が要因に影響を与える側です
不動産の価格は、自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の影響の下にあります。駅ができれば地価が上がるのは、この受ける側の関係です。基準はそこで止まらず、価格が選択指標としてこれらの要因に影響を与える、と続けます。上がった地価を見て農家が畑を手放し、アパートが建ち、街の様子が変わるという流れがそれで、価格が出発点になって社会的な要因や経済的な要因が動きます。受ける関係だけでは二面性にならず、選択指標として与える関係がそろって初めて二面性です。
不動産の使い方は、価格を選択の主要な指標として決まります
第1節の前半で基準は、不動産のあり方が、その経済価値を具体的に表している価格を選択の主要な指標として決定されている、と書きます。不動産のあり方とは、人が土地をどう構成し、どう役立てているかという姿です。一つの土地に店、駐車場、マンションと用途が競合するとき、どれにするかを人は価格を見て選び、選ばれた用途がその土地の価格を決めます。用途が価格を決め、価格が用途を選ぶ、この二つの関係の中で、価格は選択の主要な指標として働いています。
鑑定評価は、選択の手がかりとなる価格を社会に示します
価格が選択指標として働くなら、その価格が適正でなければ、人の選択も狂います。基準が、鑑定評価は社会における一連の価格秩序の中で対象不動産の価格の占める適正なあり所を指摘することであり、その社会的公共的意義は極めて大きい、と言うのはこのためです。売るか貸すか建て替えるかを決める依頼者も、地価公示を見る買い手も、示された価格を手がかりに次の行動を選びます。誤った価格は誤った選択を招くので、価格を示す仕事の責任は重くなります。

示された価格を手がかりに、依頼者が売る・貸す・建て替えるを選ぶ。
不動産の価格とこれらの要因との関係は、不動産の価格が、これらの要因の影響の下にあると同時に選択指標としてこれらの要因に影響を与えるという二面性を持つものである。
出典: 総論第1章 第1節
実務ではこう使う
地価公示の標準地の評価は、その価格が一般の土地の取引の指標となることを前提にした仕事です。依頼者が評価書を手にして売るか貸すか建て替えるかを決めるとき、評価額はまさに選択指標として使われています。だから評価書には、価格の根拠を第三者が追える形で書くことが求められます。
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