/ 鑑定理論

四つの要因とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

四つの要因とは、不動産のあり方と経済価値を相互作用によって決定している、自然的、社会的、経済的及び行政的な要因のことです。つまり、地形や気候、人口や暮らし方、景気や金利、都市計画や税制という、土地の使われ方と値打ちを動かす四つの出どころの力です。

四つの要因とは

一区画の土地の値段が動く理由を数えてみると、川が近くて地盤が弱い、子育て世帯が増えている、住宅ローンの金利が下がった、用途地域が変わって高い建物が建てられるようになった、というように出どころの違う力が重なっています。基準はこれらを自然的、社会的、経済的及び行政的な要因と四つに分け、不動産のあり方も経済価値も、この四つの相互作用によって決定される、と定めています。自然的とは土地と自然そのもの、社会的とは人々の暮らし方、経済的とはお金と景気、行政的とは国や自治体の決まりのことです。土地の値打ちを動かす力を、出どころで四つに仕分けした呼び名です。

四つの要因の図解:地盤の図も国勢調査も金利の紙も都市計画図も、出どころで四つの棚に仕分ける。

地盤の図も国勢調査も金利の紙も都市計画図も、出どころで四つの棚に仕分ける。

四つは、価格を動かす力を出どころで仕分けたものです

自然的要因は、地形、地盤、日照、気候のように、土地と自然そのものから来る力です。社会的要因は、人口の増減、世帯の姿、生活様式のように、人々の暮らし方から来る力です。経済的要因は、景気、金利、所得、物価のように、お金の流れから来る力です。行政的要因は、都市計画や建築の規制、税制のように、国や自治体の決まりから来る力です。出どころが違えば、動き方も、調べるための資料も違うので、基準はこの四つを別々の名前で呼びます。

四つは相互作用で働くので、一つだけでは決まりません

基準が「相互作用」と書くのは、四つの要因が別々に価格へ足されるのではなく、互いに影響し合いながら一緒に働くからです。川沿いの低い土地(自然的)について市が浸水の想定図を公表すると(行政的)、住みたい世帯が減り(社会的)、地価が下がって金融機関の融資も慎重になります(経済的)。一つの要因が動くと、出どころの違う要因が次々と動き、その連なりの結果として一つの価格が決まります。だから鑑定評価では、要因を一つずつ切り離して見るのではなく、要因どうしの相互関係まで分析します。

四つの要因の図解:浸水の想定図が公表されると、住む人が減り、地価が下がり、融資も慎重になる。

浸水の想定図が公表されると、住む人が減り、地価が下がり、融資も慎重になる。

同じ四つが、第1章と第3章の三か所に現れます

総論第1章第1節は、不動産のあり方を決める四つの要因を挙げたあと、価格の定義に続けて、経済価値も三者を動かすこの四つの要因の相互作用で決まる、と二度書きます。第3節の鑑定評価の手順では、五番目の段階で、収集した資料を分析して対象不動産に及ぼす自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の影響を判断する、と定めます。総論第3章は、価格形成要因のうち一般的要因を、自然的要因、社会的要因、経済的要因及び行政的要因に大別します。第1章で価格を動かす力の出どころを四つに決め、第3章でその四つを一般的要因の柱として並べ直す、というつながりです。

この不動産のあり方は、自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用によって決定されるとともに経済価値の本質を決定づけている。

出典: 総論第1章 第1節

実務ではこう使う

評価書の一般的要因の項は、自然的、社会的、経済的、行政的の四つの見出しで書くのが通常です。国勢調査の人口の動き、日本銀行の金利の動き、市の都市計画の変更を、それぞれの見出しに振り分け、対象不動産の価格にどう効くかを書きます。四つのうち一つでも見落とすと、価格の見通しが片寄ります。

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