/ 鑑定理論

水道光熱費収入とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

対象不動産の運営において電気・水道・ガス・地域冷暖房熱源等に要する費用のうち、賃貸部分に係るものとして賃借人との契約により徴収する収入で、満室想定で計上します。つまり、テナントが自分の部屋で使った電気や水道の代金を、契約に基づいてテナントから受け取るお金です。

水道光熱費収入とは

大きなビルでは、電力会社や水道局との契約はビル全体で一本にまとまっていて、オーナーがまとめて支払います。そのうえで、各テナントが自分の部屋で使った分をメーターで測り、契約に基づいてテナントに請求して回収します。この回収したお金が水道光熱費収入です。証券化対象不動産のDCF法では、家賃や共益費と分けてこの項目に、満室想定で書きます。支払う側の費用は、運営費用の「水道光熱費」に別に書きます。

水道光熱費収入の図解:運営収益の三行目が水道光熱費収入。部屋の中で使った分をテナントから回収する。

運営収益の三行目が水道光熱費収入。部屋の中で使った分をテナントから回収する。

貸室の中の分が水道光熱費収入で、共用部分の分は共益費収入です

定義の要は「賃貸部分に係るもの」です。同じ電気・水道・ガス等の費用でも、共用部分に係るものとして集める収入は共益費収入、貸室(賃貸部分)に係るものとして集める収入が水道光熱費収入です。テナントの使用量に応じて変わる分と、共用部分の維持のために分担する分を分けて書くことで、収入の中身が読む人に分かります。

水道光熱費収入の図解:同じ電気代でも、貸室の中の分は水道光熱費収入、共用部分の分は共益費収入。

同じ電気代でも、貸室の中の分は水道光熱費収入、共用部分の分は共益費収入。

満室想定で書き、空室の分は空室等損失で引きます

水道光熱費収入は、空室があるとその部屋の分は入ってきません。それでも計上する額は満室を前提にした賃貸部分の分で、空室等の発生予測による減少分は空室等損失に計上します。貸室賃料収入や共益費収入と同じ扱いです。収入の行に空室を引いた後の数字を入れてしまうと、空室のリスクがどこに表れているのかが表から読めなくなります。

費用の側の水道光熱費は、共用部分の分も含めた建物全体の額です

運営費用の水道光熱費は「対象不動産の運営において電気・水道・ガス・地域冷暖房熱源等に要する費用」で、賃貸部分にも共用部分にも限定していません。電力会社への支払いは建物全体で発生するからです。その費用のうち、賃貸部分の分は水道光熱費収入で、共用部分の分は共益費収入で回収される、という対応です。収入の側が二つに分かれていても、費用の側は一つの行に全体を書きます。

対象不動産の運営において電気・水道・ガス・地域冷暖房熱源等に要する費用のうち、賃貸部分に係るものとして賃借人との契約により徴収する収入(満室想定)

出典: 各論第3章 第5節

実務ではこう使う

テナントへの電気料金の請求明細から貸室部分の徴収額を集計し、満室想定に引き直して計上します。費用の側では電力会社や水道局への支払額全体を水道光熱費に計上し、共益費収入・水道光熱費収入との差額がオーナーの実質的な負担になっていることを確かめて、評価書で対応を説明します。

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