特例事業とは?不動産特定共同事業法での意味を図でわかりやすく解説
不動産取引から生ずる収益の分配を専ら行うことを目的とする法人が、不動産取引に係る業務を一の不動産特定共同事業者等に、契約の締結の勧誘を不動産特定共同事業者に委託して営む不動産特定共同事業です(2条8項)。つまり、物件を持つだけの会社が実務を許可業者に任せる形で、その法人(特例事業者)は許可ではなく届出で...
特例事業とは
大きなビルを投資商品にするとき、運用会社が倒産すると、そのビルまで差し押さえられて投資家が損をするおそれがあります。そこで物件だけを持つ別の会社を作り、その会社を契約の当事者にして、実務は許可を持つ業者に任せます。物件を運用会社の倒産から切り離すこの仕組みが特例事業で、平成25年の改正で設けられました。物件を持つ法人は、自分では実務も勧誘もしないので、許可ではなく届出で営めます。

運用会社が倒れても物件は別の法人のものだから、投資家の取り分が守られる。
不動産取引に係る業務は、一の事業者に委託します
特例事業を営む法人は、契約に基づき営まれる不動産取引に係る業務を、一の不動産特定共同事業者(3号事業を行う者に限る)又は小規模不動産特定共同事業者(小規模第2号事業を行う者に限る)に委託しなければなりません(2条8項2号)。自分で行うことも、二社以上に分けることもできません。条文に理由は書いていませんが、責任の所在を一社にまとめて、投資家が誰に問えばよいかをはっきりさせるためと考えられます。
契約の締結の勧誘は、4号事業者に委託します
投資家を集める勧誘の業務は、不動産特定共同事業者(4号事業を行う者に限る)に委託しなければなりません(2条8項3号)。4号事業は、特例事業者が当事者である契約の締結の代理又は媒介をする事業です。取引の実務と投資家の勧誘は別の専門なので、委託先も別に定められています。勧誘の委託先に小規模不動産特定共同事業者は入りません。

実務は一の3号事業者か小規模第2号事業者へ、勧誘は4号事業者へ。委託は二本。
相手方を特例投資家に限るのは、大きな工事のときだけです
契約に係る不動産について、宅地の造成又は建物の建築に関する工事などで、その費用の額が主務省令で定める金額を超えるものを行う場合は、特例投資家のみを相手方又は事業参加者としなければなりません(2条8項4号)。それ以外の特例事業には一般の投資家も参加できます。開発型の事業ほど失敗の危険が大きいので、その場合だけプロに限る作りです。費用の線は、不動産取引に係る業務を3号事業者に委託するときは対象不動産の価格の1割、小規模事業者に委託するときは1億円です(施行規則2条)。

大きな工事をするときだけ、相手方は特例投資家のみ。
特例事業者は許可ではなく届出をした者です
特例事業には3条1項の許可の規定は適用されません(58条1項)。営もうとする法人は、あらかじめ商号、役員、事務所、資本金、業務を委託する事業者などを主務大臣に届け出ます(58条2項)。この届出をした者が特例事業者です(2条9項)。特例事業を営めるのは分配を専ら行うことを目的とする法人で、不動産特定共同事業者、小規模不動産特定共同事業者、適格特例投資家限定事業者と、国内に事務所のない外国法人は除かれます(2条8項1号)。
不動産特定共同事業契約に基づき営まれる不動産取引に係る業務を一の不動産特定共同事業者(第四項第三号に掲げる行為に係る事業(以下「第三号事業」という。)を行う者に限る。)又は小規模不動産特定共同事業者(第六項第二号に掲げる行為に係る事業(以下「小規模第二号事業」という。)を行う者に限る。)に委託するものであること。
出典: 不動産特定共同事業法 2条8項2号
実務ではこう使う
特例事業では物件を持つ法人と、実務を行う許可業者が分かれるため、鑑定評価の依頼者は特例事業者でも、窓口は委託を受けた不動産特定共同事業者になります。評価書には所有者である特例事業者と依頼の経路を明記し、利害関係の有無を確認します。開発型の案件では、工事費が相手方の限定に関わるので、想定する工事の内容も前提条件に書きます。
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