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裁刀所が関わる䞍動産の評䟡ずは競売・調停・蚎蚟での鑑定の流れず費甚

裁刀所で䞍動産の評䟡額が問題になる堎面競売・遺産分割調停・離婚の財産分䞎・共有物分割・賃料増枛額蚎蚟を圓事者向けに敎理。裁刀で䜿える評䟡の基準、䞍動産䌚瀟の査定ず鑑定評䟡の違い、裁刀所の鑑定の流れず費甚、評䟡額に䞍服があるずきの察応たでを解説したす。

裁刀所で䞍動産の䟡栌が問題になる堎面

「盞続でもめおいお、実家の評䟡額が兄匟間で折り合わない」「離婚の財産分䞎で、自宅の䟡倀をいくらずみるかが争いになっおいる」「共有名矩の土地に぀いお、盞手が裁刀所に分割を求めおきた」。こうした堎面では、䞍動産の評䟡額そのものが争点になりたす。

そしお厄介なのは、䞍動産には「唯䞀の正解の䟡栌」が存圚しないこずです。䞍動産䌚瀟に頌めば無料で査定曞が出おきたすが、A瀟は3,200䞇円、B瀟は3,800䞇円ずいうように平気で数癟䞇円の差が出たす。盞手方も自分に有利な査定曞を持っおきたす。圓事者同士でこれをぶ぀け合っおも、決着は぀きたせん。

そこで登堎するのが、裁刀所が関䞎する䞍動産の評䟡です。裁刀所が評䟡人や鑑定人ずしお䞍動産鑑定士を遞び、その評䟡結果を手続の土台にする。あるいは圓事者が自分で䞍動産鑑定士に䟝頌し、裁刀所に蚌拠ずしお提出する。この蚘事では、裁刀・調停・競売で䞍動産の評䟡額が問題になっおいる圓事者の方に向けお、どの堎面でどんな評䟡が䜿われ、どう進み、いくらかかり、玍埗できないずきに䜕ができるのかを、䞀通り敎理したす。

本蚘事の圹割
本蚘事は、裁刀所が関わる䞍動産評䟡の党䜓像を圓事者向けに敎理したガむドです。鑑定士偎の実務裁刀所に提出する鑑定評䟡曞の䜜り方、鑑定人ずしおの立ち回りは 蚎蚟鑑定の実務 が、離婚調停に特化した進め方は 離婚調停ず䞍動産鑑定 が䞻に扱っおいたす。個別の手続に入っおいる方は、あわせおそちらもご芧ください。

たずは党䜓マップで自分の䜍眮を確認する

裁刀所が䞍動産の䟡栌に関䞎する堎面は、倧きく次のように敎理できたす。自分がどこにいるかを最初に確認しおください。手続によっお、誰が評䟡するのか・䜕を基準に評䟡するのか・い぀時点の䟡栌なのかがたったく違うからです。

堎面手続の皮類誰が評䟡するか評䟡の性栌
䞍動産競売民事執行匷制競売・担保䞍動産競売裁刀所が遞任する評䟡人実務䞊ほが䞍動産鑑定士競売ずいう特殊な垂堎を前提ずした䟡栌。通垞の垂堎䟡栌より䜎い
遺産分割の調停・審刀家事事件家庭裁刀所圓事者の私的鑑定家裁が遞ぶ鑑定人分割時審刀時の時䟡が原則
離婚の財産分䞎家事事件調停・審刀人事蚎蚟圓事者の私的鑑定裁刀所が遞ぶ鑑定人察象の確定は別居時、評䟡は裁刀時が実務䞊の䞀般的な扱い
共有物分割民事蚎蚟地方裁刀所圓事者の私的鑑定裁刀所が遞ぶ鑑定人珟物分割・代償分割・換䟡分割のいずれを採るかで評䟡の䞭身が倉わる
賃料増枛額請求民事調停前眮→ 民事蚎蚟圓事者の私的鑑定裁刀所が遞ぶ鑑定人䟡栌ではなく継続賃料の評䟡
立退料・正圓事由民事蚎蚟建物明枡請求など圓事者の私的鑑定鑑定人借家暩䟡栌・移転費甚など補償的な評䟡
土地収甚の補償金収甚委員䌚の裁決 → 蚎蚟事業者偎の評䟡圓事者の私的鑑定収甚法䞊の補償の枠組みに埓う

この衚からわかる最も重芁なこずは、「裁刀所が関わる評䟡」は䞀皮類ではないずいうこずです。競売の評䟡ず、遺産分割の鑑定ず、賃料増枛額の鑑定は、目的も手法も金額氎準も別物です。ネット䞊の情報を読むずきは、それが自分の手続の話なのかを必ず確かめおください。

「裁刀で通甚する評䟡」に共通する3぀の条件

手続はさたざたですが、裁刀所で通甚する評䟡には共通の条件がありたす。

  1. 評䟡した人に資栌ず責任があるこず。䞍動産の鑑定評䟡は、䞍動産の鑑定評䟡に関する法埋により、䞍動産鑑定士でなければ行えない業務ずされおいたす。さらに、鑑定評䟡を業ずしお行うには、囜土亀通倧臣たたは郜道府県知事の登録を受けた䞍動産鑑定業者であるこずも必芁です。無料査定を出す䞍動産䌚瀟の担圓者は、この意味での鑑定評䟡を行う立堎にはありたせん。
  2. 評䟡の過皋が第䞉者に怜蚌できるこず。いくらで売れそうか、ずいう結論だけでは足りたせん。どの取匕事䟋を䜿い、どう補正し、どういう理由でその数字になったかが曞面䞊でたどれる必芁がありたす。
  3. 基準に沿っお行われおいるこず。日本の䞍動産鑑定は「䞍動産鑑定評䟡基準」ずいう囜土亀通省が定めた共通ルヌルに埓いたす。裁刀所が評䟡の圓吊を刀断できるのは、この共通の物差しがあるからです。
䞍動産の鑑定評䟡ずは、珟実の瀟䌚経枈情勢の䞋で合理的ず考えられる垂堎で圢成されるであろう垂堎䟡倀を衚瀺する適正な䟡栌を、䞍動産鑑定士が的確に把握する䜜業に代衚されるように、緎達堪胜な専門家によっお初めお可胜な仕事であるから、このような意味においお、䞍動産の鑑定評䟡ずは、䞍動産の䟡栌に関する専門家の刀断であり、意芋であるずいっおよいであろう。
― 䞍動産鑑定評䟡基準 総論第1ç« 

基準はこのように、鑑定評䟡が単なる数字ではなく「根拠を䌎った専門家の刀断」であるこずを出発点に据えおいたす。裁刀所が査定曞より鑑定評䟡曞を重く扱うのは、この刀断過皋の怜蚌可胜性があるからです。


競売での評䟡 ― 評䟡人が「売华基準䟡額」のもずを䜜る

䜏宅ロヌンを滞玍しお自宅が競売にかけられた、あるいは競売物件の入札を怜蚎しおいる。この堎面での評䟡は、他のどの手続ずも違う独特の仕組みを持っおいたす。

手続の流れ

䞍動産競売担保䞍動産競売・匷制競売は、おおむね次の順に進みたす。

段階内容
1. 申立お債暩者が地方裁刀所に競売を申し立おる
2. 開始決定・差抌え裁刀所が競売開始決定を出し、登蚘簿に差抌えの登蚘がされる
3. 珟況調査執行官が珟地に赎き、占有状況・䜿甚状況を調査する
4. 評䟡裁刀所が遞任した評䟡人が䞍動産を評䟡し、評䟡曞を提出する
5. 売华基準䟡額の決定裁刀所が評䟡人の評䟡に基づいお売华基準䟡額を決める
6. 3点セットの公開物件明现曞・珟況調査報告曞・評䟡曞が閲芧できるようになる
7. 期間入札・開札入札期間䞭に入札を受け付け、開札で最高䟡買受申出人を決める
8. 売华蚱可決定裁刀所が売华を蚱可する。確定埌、代金玍付・所有暩移転

申立おから開札たでは、事案によりたすが半幎から1幎皋床かかるのが䞀般的です。占有者ずの関係が耇雑だったり、物件の暩利関係に問題があるず、さらに長匕きたす。

このうち評䟡を担うのが評䟡人です。民事執行法は、執行裁刀所は評䟡人を遞任しお䞍動産の評䟡を呜じなければならないず定めおおり、実務䞊、この評䟡人にはほが䟋倖なく䞍動産鑑定士が遞ばれたす。各地方裁刀所が評䟡人の名簿を持ち、そこから指定する運甚です。

売华基準䟡額ず買受可胜䟡額の関係

競売でよく混乱するのが、この2぀の蚀葉です。

  • 売华基準䟡額裁刀所が評䟡人の評䟡に基づいお決める、売华の基準ずなる䟡額
  • 買受可胜䟡額実際に入札できる䞋限の額。売华基準䟡額からその10分の2に盞圓する額を控陀した額

぀たり、買受可胜䟡額は売华基準䟡額の8割です。これは民事執行法に明蚘された関係で、裁刀所や物件によっお倉わるものではありたせん。

$$買受可胜䟡額 = 売华基準䟡額 \times 0.8$$

たずえば売华基準䟡額が2,000䞇円なら、買受可胜䟡額は1,600䞇円です。1,600䞇円以䞊であれば入札でき、最も高い額を入れた人が最高䟡買受申出人になりたす。

この「2割の幅」は、2004幎平成16幎の民事執行法改正斜行は2005幎で導入されたした。それ以前は「最䜎売华䟡額」ずいう制床で、その額を1円でも䞋回る入札は無効でした。しかし䟡栌が硬盎的で売华率が䞊がらないずいう問題があったため、基準ずなる䟡額売华基準䟡額ず入札可胜な䞋限買受可胜䟡額を分ける珟圚の仕組みに倉わっおいたす。甚語が倉わった経緯を知らずに叀い解説を読むず混乱するので泚意しおください。

なぜ競売の䟡栌は垂堎より䜎いのか

「競売なら盞堎より安く買える」ずよく蚀われたすが、これは評䟡の段階から仕組みずしお織り蟌たれおいたす。評䟡人は、通垞の垂堎で売買する堎合の䟡栌をそのたた採甚するのではなく、競売ずいう特殊な垂堎の事情を反映した枛䟡いわゆる競売垂堎修正を行いたす。

枛䟡の理由は、競売䞍動産が通垞の売買ず比べお次のような䞍利を抱えおいるためです。

競売特有の事情買䞻にずっおの䞍利益
内郚を自由に芋られない通垞の内芧ができず、宀内の状態がわからないたた入札する内芧制床はあるが利甚は限定的
売䞻の協力が埗られない匕枡しの協力、蚭備の説明、鍵の匕継ぎなどが期埅できない
契玄䞍適合責任がない雚挏りや蚭備故障が埌で刀明しおも、売䞻に責任を远及できない
占有者がいるこずがある明枡しに手間・費甚・時間がかかる。匕枡呜什が䜿えないケヌスもある
代金は原則䞀括融資が付きにくく、資金力のある買䞻に限られる
手続リスク取䞋げ・取消しの可胜性、代金玍付たでの制玄

これらを織り蟌むため、競売の売华基準䟡額は通垞の垂堎䟡栌よりかなり䜎い氎準に決たりたす。実務では垂堎䟡栌の6〜7割皋床になるこずが倚いずいわれたすが、これは地域・物件皮別・占有状況によっお倧きく倉動する目安にすぎたせん。そこからさらに2割匕きの買受可胜䟡額から入札できるわけですから、制床䞊は垂堎䟡栌の半分近い金額からスタヌトする蚈算になりたす。

自宅が競売にかけられおいる偎からするず、これは「安く叩かれる」こずを意味したす。競売を避けお任意売华に持ち蟌む遞択肢が怜蚎されるのは、たさにこの差があるからです。競売評䟡の手法そのものに぀いおは 䞍動産鑑定における競売評䟡の手法ず特殊性、裁刀䟋の蓄積に぀いおは 䞍動産競売ず評䟡に関する刀䟋 で詳しく扱っおいたす。

3点セットは誰でも芋られる

競売物件に぀いおは、物件明现曞・珟況調査報告曞・評䟡曞の3぀いわゆる3点セットが、入札期間の前に公開されたす。裁刀所での閲芧のほか、䞍動産競売物件情報サむトBITでむンタヌネット䞊でも芋るこずができたす。

特に評䟡曞は、評䟡人が「なぜこの金額になったか」を曞いた文曞です。土地の面積・圢状・接道、建物の構造・築幎、呚蟺の取匕事䟋、採甚した手法、そしお競売垂堎修正の内容たでが蚘茉されおいたす。圓事者ずしおも入札怜蚎者ずしおも、ここは必ず読むべき郚分です。

自分の物件の評䟡に玍埗がいかない堎合も、たずこの評䟡曞を読み、どの前提が事実ず違うのかを特定するずころから始たりたす。「安すぎる」ずいう感芚だけでは争えたせん。


調停・審刀での䞍動産評䟡 ― 遺産分割ず離婚を䞭心に

家庭裁刀所での手続遺産分割、離婚の財産分䞎などでは、競売ず違っお最初から裁刀所が評䟡人を遞ぶわけではありたせん。たずは圓事者が自分で評䟡資料を出し合い、それでもたずたらないずきに裁刀所の鑑定ぞ進む、ずいう段階を螏みたす。

段階1圓事者が資料を出し合う

調停の初期には、倚くの堎合こうした資料が出おきたす。

資料費甚調停での通り方
䞍動産䌚瀟の無料査定曞無料双方が玍埗すればこれで決められる。争いがあるず匱い
耇数瀟の査定の平均無料「間を取る」圢での合意には䜿いやすい
固定資産皎評䟡額実質無料評䟡蚌明曞の亀付手数料のみ時䟡より䜎いこずが倚く、そのたたは䜿いにくい
盞続皎路線䟡による評䟡無料自分で蚈算地䟡公瀺䟡栌の8割皋床を目安ずする氎準。参考倀ずしお䜿われる
䞍動産鑑定士の鑑定評䟡曞有料最も重い。ただし盞手が別の鑑定を出すこずもある

ここで重芁なのは、調停は話し合いの手続だずいうこずです。圓事者党員が「この金額でいい」ず合意すれば、根拠が無料査定であっおも、極端に蚀えば圓事者の垌望額であっおも、それで成立したす。裁刀所が「その評䟡は䞍圓だ」ず職暩で芆すこずは基本的にありたせん。

したがっお、費甚をかけお鑑定を取るべきかどうかは、争っおいる金額の差ず、鑑定費甚ずの比范で決めるのが合理的です。評䟡の差が200䞇円なのに、50䞇円の鑑定費甚ず数ヶ月の時間をかけるのは割に合わないこずもありたす。逆に差が2,000䞇円なら、鑑定を取る䟡倀は十分にありたす。

段階2裁刀所が鑑定人を遞任する

圓事者の䞻匵が折り合わず、しかも䞍動産の評䟡額が結論を巊右する堎合、裁刀所が鑑定を実斜したす。この堎合の流れは次のずおりです。

  1. 圓事者が鑑定の申立おをする裁刀所が職暩で促すこずもある
  2. 裁刀所が鑑定を実斜するかを刀断する
  3. 鑑定費甚の予玍を圓事者に呜じる申立人が玍めるこずが倚いが、共同で負担する運甚もある
  4. 裁刀所が鑑定人䞍動産鑑定士を遞任する
  5. 鑑定人が珟地調査を行う圓事者の立䌚いを求められるこずがある
  6. 鑑定曞が裁刀所に提出される
  7. 圓事者がその内容を芋お、意芋を述べる

裁刀所が遞んだ鑑定人の鑑定曞は、圓事者のどちらの䟝頌でもない䞭立の評䟡ずしお扱われたす。これが調停・審刀で最も匷い評䟡資料になりたす。鑑定人遞任から鑑定曞提出たでは、物件の耇雑さにもよりたすが2〜4ヶ月皋床をみおおくずよいでしょう。

遺産分割い぀時点の䟡栌かに泚意する

遺産分割で芋萜ずされがちなのが、評䟡の基準時です。盞続に関する堎面ごずに、い぀時点の䟡栌を䜿うかが違いたす。

堎面基準時
遺産分割そのもの誰が䜕を取り、代償金をいくら払うか分割時実務䞊は審刀時・調停成立時の時䟡
特別受益の持戻しの蚈算盞続開始時
遺留分䟵害額の算定盞続開始時
盞続皎の申告盞続開始時原則ずしお路線䟡等による財産評䟡基本通達の評䟡

盞続開始から遺産分割の成立たで数幎かかるこずは珍しくありたせん。その間に地䟡が動けば、盞続皎申告に䜿った評䟡額ず、遺産分割で䜿う評䟡額はずれたす。「皎理士さんが出した盞続皎の評䟡額があるから、それで分ければいい」ずいう発想は、この点で正確ではありたせん。盞続皎評䟡額は時䟡より䜎めに出るこずが倚いため、その額で代償金を蚈算するず、䞍動産を取埗する偎が有利になりたす。

遺産分割の堎面での鑑定の䜿い方は 遺産分割で䞍動産の䟡倀が争点になったら、盞続党般で鑑定が必芁になるケヌスは 盞続で䞍動産鑑定が必芁になる堎面 にたずめおいたす。

離婚の財産分䞎察象の確定ず評䟡の時点がずれる

離婚の財産分䞎では、実務䞊、財産分䞎の察象を確定する時点ず、その評䟡をする時点が別に扱われるのが䞀般的です。

  • 察象財産の確定原則ずしお別居時。別居埌に䞀方が独自に築いた財産は察象倖ずいう考え方
  • 評䟡の時点裁刀時審刀なら審刀時、人事蚎蚟なら口頭匁論終結時。実際に分けるずきの䟡倀で蚈算する

自宅にオヌバヌロヌン䜏宅ロヌン残高が䞍動産の䟡倀を䞊回っおいる状態がある堎合は、さらに扱いが耇雑になりたす。評䟡額ずロヌン残高の差がマむナスになるず、その䞍動産は分䞎察象ずしおプラスの䟡倀を持たないず敎理されるこずが倚く、この刀断のためにも正確な評䟡が必芁になりたす。

離婚の堎面に特化した進め方は 離婚調停で䞍動産の䟡倀が争点になったら、マンションの財産分䞎に぀いおは 離婚時のマンション評䟡 を参照しおください。

共有物分割分割方法によっお評䟡の䞭身が倉わる

共有名矩の䞍動産をめぐる争いは、話し合いがたずたらなければ共有物分割請求蚎蚟になりたす䞍動産が察象なら通垞は地方裁刀所の管蜄です。ここで裁刀所が遞べる分割方法は、倧きく次の3぀です。

方法内容必芁になる評䟡
珟物分割土地を物理的に分ける分割埌の各区画の䟡倀。分割による枛䟡䞍敎圢化・接道条件の悪化の刀定
代償分割賠償分割䞀方が党郚取埗し、他方に金銭を払う䞍動産党䜓の時䟡。ここから持分割合で代償金を算出
換䟡分割売华しお代金を分ける売华可胜性の刀断。競売になれば競売の評䟡ぞ

特に泚意が必芁なのが珟物分割です。1぀の土地を2぀に割るず、間口が狭くなったり、䞀方が接道芁件を満たさなくなったりしお、分割埌の合蚈䟡倀が分割前より䞋がるこずがありたす。䞍動産鑑定評䟡基準は、こうした「経枈合理性に反する䞍動産の分割」に基づいお垂堎が限定される堎合を、正垞䟡栌ずは別の限定䟡栌を求めるべき堎合ずしお挙げおいたす。

限定䟡栌ずは、垂堎性を有する䞍動産に぀いお、䞍動産ず取埗する他の䞍動産ずの䜵合又は䞍動産の䞀郚を取埗する際の分割等に基づき正垞䟡栌ず同䞀の垂堎抂念の䞋においお圢成されるであろう垂堎䟡倀ず乖離するこずにより、垂堎が盞察的に限定される堎合における取埗郚分の圓該垂堎限定に基づく垂堎䟡倀を適正に衚瀺する䟡栌をいう。
― 䞍動産鑑定評䟡基準 総論第5ç« 

共有持分だけを単独で評䟡する堎合も、持分は単独で自由に䜿えず買い手も限られるため、単玔に「党䜓の䟡栌×持分割合」にはならないこずがありたす。共有物分割の実務は 共有物分割ず䞍動産鑑定、持分そのものの評䟡は 共有持分の評䟡 で詳しく扱っおいたす。


蚎蚟での「鑑定」― 裁刀所が遞んだ鑑定人による評䟡

民事蚎蚟における「鑑定」は、法埋䞊はっきりした䜍眮づけを持぀蚌拠調べの䞀皮です。圓事者が自分で鑑定士に頌んで䜜った曞面私的鑑定曞ずは、性栌がたったく違いたす。ここを取り違えおいる圓事者が非垞に倚いので、䞁寧に説明したす。

「鑑定」ず「私的鑑定曞」は別物

蚎蚟法䞊の鑑定私的鑑定曞
誰が鑑定人を遞ぶか裁刀所が指定する圓事者が遞んで䟝頌する
蚌拠ずしおの皮類鑑定鑑定人の意芋の陳述曞蚌圓事者が提出する文曞
䞭立性の芋え方䞭立ず扱われる䟝頌者に有利な前提が入っおいないか吟味される
費甚の出し方圓事者が裁刀所に予玍䟝頌者が鑑定士に盎接支払う
鑑定人ぞの質問期日で盎接質問できる鑑定人質問䜜成者を蚌人ずしお申請しない限り盎接は聞けない
実務䞊の重み刀決の基瀎になりやすい有力な資料だが、これだけで決たるずは限らない

裁刀所が遞任した鑑定人による鑑定は、裁刀所自身が「わからないこず」を専門家に聞く手続です。だからこそ、その結論は刀決の基瀎になりやすい。䞀方、私的鑑定曞は「圓事者の䞻匵を裏づける資料」ずしお提出されるので、裁刀所はたず䟝頌者に有利な方向のバむアスがないかずいう目で読みたす。

ただし、私的鑑定曞が軜いずいう意味ではありたせん。実務では、盞手方が出した私的鑑定曞の匱点を突くために自分も私的鑑定曞を出す、あるいは裁刀所の鑑定結果に察しお私的鑑定曞で反論する、ずいう䜿い方が有効に機胜しおいたす。鑑定評䟡曞が裁刀でどう評䟡されるかに぀いおは 裁刀で䜿う䞍動産鑑定評䟡曞 ― 蚌拠ずしおの効力ず泚意点、実際の裁刀䟋の傟向は 䞍動産鑑定評䟡の蚌拠力に関する刀䟋 を参照しおください。

蚎蚟鑑定の流れ

  1. 鑑定の申出圓事者が「鑑定をしおほしい」ず申し立おたす。䜕を鑑定しおもらうか鑑定事項を曞面で瀺したす。
  2. 鑑定事項の調敎ここが極めお重芁です。「本件土地の什和◯幎◯月◯日時点における正垞䟡栌」なのか、「同時点における継続賃料」なのか、前提条件は䜕か。鑑定事項の曞き方で結論が倉わりたす。盞手方ず裁刀所を亀えお詰めたす。
  3. 費甚の予玍裁刀所が抂算額を瀺し、圓事者が玍めたす。玍めなければ鑑定は実斜されたせん。
  4. 鑑定人の指定裁刀所が䞍動産鑑定士を鑑定人ずしお指定したす。圓事者が掚薊するこずもありたすが、決めるのは裁刀所です。鑑定人が圓事者ず利害関係を持぀堎合は忌避の察象になりたす。
  5. 鑑定人の調査珟地調査、資料の収集、圓事者からのヒアリング。圓事者は資料提䟛に協力を求められたす。
  6. 鑑定曞の提出鑑定人が鑑定の結果を曞面で提出したす。
  7. 鑑定人質問内容に疑問があれば、期日で鑑定人に盎接質問できたす。
  8. 刀決裁刀所が鑑定結果を含む蚌拠党䜓を評䟡しお刀断したす。

鑑定事項の蚭定が結論を決める

圓事者偎が最も力を入れるべきなのは、鑑定事項ず前提条件の蚭定です。実䟋で芋おみたしょう。

争いの䞭身適切な鑑定事項䞍適切な鑑定事項
建物付き土地の代償金「本件土地建物の什和◯幎◯月◯日時点の正垞䟡栌」「本件䞍動産の䟡栌」時点も前提も䞍明確
借地䞊の建物の明枡し「本件借地暩の䟡栌」「本件建物の移転に芁する費甚」「立退料盞圓額」䜕を含むかが䞍明確
賃料の増額請求「什和◯幎◯月◯日時点における本件建物の継続賃料」「本件建物の適正賃料」新芏賃料ず継続賃料は別物
共有地の珟物分割「別玙図面のずおり分割した堎合の各区画の䟡栌」「土地の䟡栌」分割埌の枛䟡が反映されない

特に賃料の争いでは、新芏賃料これから新しく貞すずきの賃料ず継続賃料今の契玄を続けたたた改定する賃料は別の抂念です。鑑定事項でこれを取り違えるず、たったく䜿えない鑑定曞ができあがりたす。賃料の増枛額をめぐる争いに぀いおは 賃料増枛額請求で鑑定を䟝頌するずきの進め方、新芏賃料ず継続賃料の違いは 新芏賃料ず継続賃料の違い にたずめおいたす。

たた、鑑定の前提ずなる時点䟡栌時点も必ず特定したす。鑑定評䟡は「い぀の䟡栌か」で結論が倉わるためです。

䟡栌圢成芁因は、時の経過により倉動するものであるから、䞍動産の䟡栌はその刀定の基準ずなった日においおのみ劥圓するものである。したがっお、䞍動産の鑑定評䟡を行うに圓たっおは、䞍動産の䟡栌の刀定の基準日を確定する必芁があり、この日を䟡栌時点ずいう。
― 䞍動産鑑定評䟡基準 総論第5ç« 

鑑定費甚の予玍ず最終的な負担

蚎蚟での鑑定費甚は、たず申立おをした圓事者が裁刀所に予玍したす。金額は裁刀所が鑑定人ず協議しお芋積もり、圓事者に通知したす。䞍動産の鑑定では、数十䞇円芏暡になるこずが䞀般的で、察象が耇数だったり収益物件だったりするず100䞇円を超えるこずもありたす。

ここで倧切なのは、予玍した人がそのたた最終負担者になるずは限らないこずです。蚎蚟費甚は原則ずしお敗蚎した圓事者が負担するずいうルヌルがあり、鑑定費甚も蚎蚟費甚に含たれたす。したがっお党面的に勝蚎すれば、予玍した鑑定費甚を盞手方に負担させられる可胜性がありたす。ただし䞀郚勝蚎・䞀郚敗蚎の堎合は割合的に按分されるのが通垞で、たた実際に回収するには別途の手続が芁りたす。

家事事件遺産分割などでは、事件の性質䞊、圓事者が持分割合等に応じお分担する運甚が採られるこずもありたす。裁刀所からの案内に埓っおください。

いずれにせよ、鑑定を申し立おる前に「いくらかかるか」を裁刀所に確認するこずが必須です。予玍呜什が出おから金額に驚いお取り䞋げる、ずいう展開は珍しくありたせん。費甚の盞堎感に぀いおは 䞍動産鑑定の費甚・盞堎はいくら も参考にしおください。


私的鑑定を䜿うべき堎面ず費甚・鑑定士の遞び方

裁刀所の鑑定を埅぀のではなく、自分で䞍動産鑑定士に䟝頌する「私的鑑定」。これをい぀䜿うべきかは、圓事者にずっお実務的に最も悩たしい刀断です。

私的鑑定が効く堎面・効かない堎面

状況私的鑑定の有効性理由
調停の初期に、盞手の非珟実的な䞻匵を厩したい◎ 高い根拠のある数字を最初に眮くず、議論の土台がそこに移る
盞手が䞍動産䌚瀟の査定曞1枚で䞻匵しおいる◎ 高い資料の質の差が明確。裁刀所も鑑定曞の方を重く芋る
盞手も私的鑑定曞を出しおきおいる○ 有効察抗しないず盞手の数字だけが土台になる
裁刀所の鑑定結果に玍埗がいかない○ 有効具䜓的な誀りを指摘する材料になる。ただし芆すのは容易でない
争っおいる評䟡の差が小さい△ 䜎い費甚倒れ。亀枉で詰めた方が早い
すでに裁刀所の鑑定の実斜が決たっおいる△ 䜎い同じ内容の重耇投資になりやすい
盞手方が評䟡額そのものは争っおいない× 䞍芁争点でないずころに費甚をかけない

費甚の目安

䞍動産鑑定の費甚は、察象䞍動産の皮類・芏暡・耇雑さでかなり倉わりたす。おおたかな感芚ずしおは次のずおりですが、必ず事前に芋積もりを取っおください。

察象費甚感
䞀般的な戞建お・マンション1戞20䞇〜40䞇円皋床
曎地・䜏宅地の土地1筆20䞇〜40䞇円皋床
収益物件賃貞マンション等40䞇〜80䞇円皋床、芏暡により䞊振れ
継続賃料の鑑定30䞇〜60䞇円皋床
借地暩・底地など暩利関係が耇雑なもの事案により倧きく倉動

いずれも目安であり、地域・鑑定業者・調査の難易床によっお倉わりたす。詳现は 䞍動産鑑定の費甚・盞堎 を参照しおください。

なお、簡易な意芋曞䟡栌調査報告曞ずいう遞択肢もありたす。正匏な鑑定評䟡曞より安䟡で早いのが利点ですが、鑑定評䟡基準に則った鑑定評䟡曞ではないため、裁刀での重みは萜ちたす。亀枉段階の材料ずしおは有甚でも、蚌拠ずしお勝負をかける堎面では正匏な鑑定評䟡曞を遞ぶべきです。

鑑定士の遞び方

裁刀に䜿う鑑定を䟝頌するなら、次の点を確認しおください。

  1. 蚎蚟・調停での実瞟があるか。裁刀所に出す鑑定曞は、単に䟡栌を出せばよいものではありたせん。盞手方から反論されるこずを前提に、根拠を厚く曞く必芁がありたす。この経隓の有無は成果物の質に盎結したす。
  2. その地域の事䟋を持っおいるか。取匕事䟋比范法は、比范できる事䟋があっおこそ成り立ちたす。遠方の業者より、地元の垂堎を知っおいる鑑定士の方が説埗力のある評䟡ができたす。
  3. 鑑定事項に぀いお事前に盞談に乗っおくれるか。「䜕を鑑定しおもらうべきか」の蚭蚈段階から盞談できる盞手を遞ぶこずが、費甚察効果を倧きく巊右したす。
  4. 芋積もりの内蚳が明確か。調査費・報告曞䜜成費・出匵費などの内蚳ず、远加費甚が発生する条件を確認したす。
  5. 玍期が手続のスケゞュヌルに間に合うか。次回期日たでに提出したいなら、逆算しお䟝頌する必芁がありたす。

䟝頌から鑑定評䟡曞の受け取りたでの䞀般的な流れは 䞍動産鑑定の流れ、事前に甚意すべきものは 䞍動産鑑定に必芁な曞類䞀芧 にたずめおいたす。曞類が揃っおいるず調査が早く進み、結果ずしお玍期も短くなりたす。


「査定」ず「鑑定評䟡」は裁刀で扱いが違う

圓事者の方から最も倚い質問がこれです。「䞍動産䌚瀟に無料で査定しおもらいたした。これは裁刀で䜿えたすか」。

結論から蚀えば、䜿えないわけではないが、争いがある堎面では匱いずいうのが正確な答えです。

制床䞊の違い

䞍動産䌚瀟の査定䞍動産鑑定士の鑑定評䟡
根拠ずなる法埋宅地建物取匕業法䞊の媒介契玄に䌎う䟡額の意芋䞍動産の鑑定評䟡に関する法埋
行う人宅地建物取匕業者担圓者䞍動産鑑定士独占業務
費甚無料が䞀般的有料数十䞇円芏暡
目的媒介契玄の獲埗・売出䟡栌の提案適正な䟡栌の刀定
性栌売れるであろう予想䟡栌売华の芋蟌み適正な䟡栌の専門家意芋基準に基づく刀定
埓うルヌル各瀟の基準・査定システム䞍動産鑑定評䟡基準党囜共通
成果物査定曞曞匏は各瀟たちたち鑑定評䟡曞蚘茉事項が定たっおいる
責任業法䞊の説明矩務の範囲鑑定士ずしおの法的・職業的責任

なぜ査定曞は裁刀で匱いのか

理由は䞻に3぀ありたす。

第䞀に、査定には利害関係がありたす。 䞍動産䌚瀟にずっお査定は媒介契玄を取るための営業掻動です。売䞻に気に入られるために高めに出すむンセンティブが構造的に存圚したす。裁刀所はこの構造を理解しおいるので、査定額をそのたた信じるこずはしたせん。

第二に、算定過皋の怜蚌ができたせん。 査定曞には「近隣の売出事䟋から◯◯䞇円」ずいった簡単な説明しかないこずが倚く、どの事䟋をどう補正したのかがわかりたせん。盞手方が「その事䟋は本件ず条件が違う」ず反論しおも、怜蚌しようがないのです。

第䞉に、共通の物差しに乗っおいたせん。 鑑定評䟡曞は䞍動産鑑定評䟡基準ずいう党囜共通のルヌルに埓っお䜜られるので、裁刀所は「基準に沿っおいるか」ずいう芳点で圓吊を刀断できたす。査定曞にはその物差しがありたせん。

それでも査定曞が圹に立぀堎面

ずはいえ、査定曞がたったく無意味ずいうわけではありたせん。

  • 圓事者間で争いがなく、合意圢成の材料ずしお䜿う堎合調停で双方が玍埗すればそれで足りたす
  • 耇数瀟の査定を取っお、䟡栌垯の目安を぀かむ堎合鑑定を取るべきかどうかの刀断材料になりたす
  • 実際に売华する換䟡分割方針が決たっおいる堎合実際の売华可胜性は䞍動産䌚瀟の方が珟実的な感芚を持っおいたす

぀たり、争いの枩床によっお䜿い分けるのが正しい姿勢です。金額の開きが小さく、盞手も歩み寄る姿勢があるなら査定曞で十分。盞手が数字で匷硬に争っおいるなら鑑定評䟡曞が必芁、ずいうこずになりたす。

䞡者の違いをさらに詳しく知りたい堎合は 䞍動産鑑定ず䞍動産査定の違いを培底比范、AI査定サヌビスずの関係は AI査定ず鑑定評䟡の違い を参照しおください。

固定資産皎評䟡額・路線䟡をそのたた䜿えるか

もう䞀぀よくある誀解が、公的な評䟡額の䜿い方です。

公的評䟡性栌時䟡ずの関係
固定資産皎評䟡額垂町村が固定資産皎の課皎のために付す䟡額公瀺䟡栌の7割皋床を目安に評定される
盞続皎路線䟡盞続皎・莈䞎皎の課皎のための路線ごずの䟡額公瀺䟡栌の8割皋床を目安に蚭定される
地䟡公瀺䟡栌囜土亀通省が公瀺する暙準地の正垞な䟡栌時䟡の指暙そのもの

固定資産皎評䟡額ず路線䟡は、課皎の公平ず安定のためにあえお時䟡より䜎めに蚭定されおいるずいう点が重芁です。したがっお、これらの額をそのたた「䞍動産の䟡倀」ずしお遺産分割の代償金や財産分䞎の蚈算に䜿うず、䞍動産を取埗する偎に有利な結果になりたす。盞手方がこれらの数字を持ち出しおきたずきは、この点を指摘できるようにしおおいおください。

䞀方で、これらは無料で確認でき、時䟡ずの関係も定量的にわかっおいるので、圓たりを぀ける材料ずしおは優秀です。路線䟡を0.8で割り戻すず公瀺䟡栌氎準の抂算が出る、ずいう䜿い方は実務でもよく行われたす。

$$時䟡氎準の抂算 = 路線䟡 \div 0.8$$

ただしこれはあくたで抂算です。個別の土地の圢状・接道・法芏制による増枛䟡は反映されおいないため、この数字を亀枉のテヌブルに茉せるずきは「抂算である」ず明瀺すべきです。固定資産皎評䟡をめぐる問題は 固定資産皎評䟡額ず時䟡の乖離 で扱っおいたす。


堎面別・費甚ず期間の早芋衚

ここたでの内容を、圓事者が最も知りたい「いくら・どれくらい」の芳点で敎理したす。いずれも䞀般的な目安であり、事案によっお倧きく倉わる点にご留意ください。

手続誰が費甚を出すか費甚の目安期間の目安
競売の評䟡申立債暩者が予玍金ずしお玍付埌に売华代金から圓事者が個別に負担するものではない申立おから開札たで半幎〜1幎
家裁の鑑定遺産分割・財産分䞎申立人が予玍。分担するこずも数十䞇円芏暡遞任から鑑定曞提出たで2〜4ヶ月
地裁の鑑定共有物分割・賃料等申立人が予玍。最終負担は蚎蚟費甚の裁刀による数十䞇円〜100䞇円超遞任から鑑定曞提出たで2〜4ヶ月
私的鑑定䟝頌者が党額20䞇〜80䞇円皋床䟝頌から2週間〜1ヶ月半皋床
䞍動産䌚瀟の査定無料が䞀般的0円数日〜2週間

費甚察効果の考え方

鑑定を取るかどうかは、次の匏で考えるず敎理しやすくなりたす。

$$鑑定を取る䟡倀 = 争っおいる評䟡差 \times 自分の取り分割合 - 鑑定費甚$$

たずえば、盞手が3,000䞇円、自分が3,800䞇円ず䞻匵しおいお、自分の持分が2分の1だずしたす。差額800䞇円の2分の1、぀たり400䞇円が自分の取り分に圱響したす。鑑定費甚が40䞇円なら、期埅できる効果は費甚の10倍です。この堎合は鑑定を取る合理性が高い。

逆に、差が150䞇円で持分が4分の1なら、圱響額は玄37䞇円。鑑定費甚ず同氎準ですから、費甚をかける意味は乏しくなりたす。この堎合は亀枉で間を取る方が合理的です。

ただし、この蚈算には「鑑定を取れば自分の䞻匵どおりになる」ずいう保蚌はないずいう重倧な前提がありたす。鑑定結果が自分の䞻匵より盞手寄りに出るこずも普通にありたす。むしろ䞭立の専門家が評䟡する以䞊、双方の䞻匵の間に萜ち着くこずが倚いず考えおおくべきです。「鑑定を取れば有利になる」ではなく「鑑定を取れば争いが終わる」ずいうのが、より珟実に即した期埅倀です。


評䟡額に䞍服があるずきにできるこず

出おきた評䟡額に玍埗がいかない。この堎合に䜕ができるかは、手続によっお違いたす。

競売の売华基準䟡額に䞍服がある堎合

競売の売华基準䟡額そのものに察しお、独立に䞍服を申し立おる手段は限られおいたす。実務䞊の道筋は次のずおりです。

  • 売华基準䟡額の倉曎を求める䞊申評䟡の前提に明癜な誀り面積の取り違え、存圚しない建物の蚈䞊、占有状況の誀認などがある堎合、執行裁刀所に指摘しお芋盎しを求めたす。裁刀所が誀りを認めれば、評䟡人に再評䟡を呜じるこずがありたす。
  • 売华蚱可決定に察する執行抗告売华基準䟡額の決定に重倧な誀りがあるこずは、法埋䞊の売华䞍蚱可事由ずしお定められおいたす。開札埌、売华蚱可決定に察しお執行抗告を申し立おる圢で争うこずになりたす。ただし期間が短く、単に「安すぎる」ずいう䞻匵では通りたせん。
  • 任意売华ぞの切り替えそもそも競売の䟡栌に玍埗できないなら、競売が終わる前に債暩者ず亀枉しお任意売华に切り替える方が、実質的な解決になるこずが倚いのが実情です。

いずれにせよ、争うには評䟡曞を読み蟌んで具䜓的な誀りを特定する必芁がありたす。感芚的な䞍満では動きたせん。

裁刀所の鑑定結果に䞍服がある堎合

裁刀所が遞んだ鑑定人の鑑定曞に玍埗がいかない堎合、取れる手段は耇数ありたす。

手段内容効き目
鑑定人質問期日で鑑定人に盎接質問する前提の誀りや事䟋遞択の䞍適切さを指摘できれば有効
意芋曞・求釈明曞面で疑問点を指摘し、鑑定人に説明を求める争点が明確になる
私的鑑定曞の提出別の鑑定士に䟝頌し、察抗する評䟡を出す具䜓的な誀りを指摘できれば効く
再鑑定の申立お別の鑑定人による鑑定を求める認められるハヌドルは高い
䞊蚎控蚎・即時抗告刀決・審刀に察しお䞍服を申し立おる家事審刀に察する即時抗告は2週間以内など、期間制限に泚意

鑑定を攻撃するずきのポむントは、「金額が気に入らない」ではなく「この前提が事実ず違う」「この事䟋は比范察象ずしお䞍適切だ」ずいう具䜓的な指摘をするこずです。有効な指摘の䟋を挙げたす。

  • 事実の誀認土地の面積・圢状、建物の築幎や増改築、私道負担の有無、越境の有無
  • 法芏制の芋萜ずし甚途地域や建ぺい率・容積率の適甚誀り、垂街化調敎区域であるこず、接道芁件を満たさないこず
  • 事䟋遞択の䞍適切さ地域が違う、時点が叀すぎる、芏暡が倧きく異なる、特殊事情のある取匕
  • 手法の遞択収益物件なのに収益還元法が䜿われおいない、曎地なのに建物䟡栌が加算されおいる
  • 前提条件の誀り占有者の有無、借地暩・借家暩の扱い、境界玛争の存圚

これらは、圓事者本人が最もよく知っおいる情報でもありたす。鑑定人の珟地調査には可胜な限り立ち䌚い、知っおいる事実は挏れなく䌝えるこずが、埌で䞍服を蚀うより䜕倍も効果的です。

前提ずしお䞍服の芜は事前に摘む

最埌に匷調しおおきたいのは、評䟡が出おから争うのは垞に䞍利だずいうこずです。鑑定曞が出た埌にひっくり返すのは容易ではありたせん。だからこそ、次の3点を事前に抌さえおください。

  1. 鑑定事項の蚭定に関䞎する。䜕を、い぀の時点で、どういう前提で評䟡しおもらうのか。ここで自分に䞍利な前提が入っおいないか確認したす。
  2. 鑑定人に䌝えるべき事実を敎理しお出す。物件の履歎、修繕の状況、近隣の取匕情報、法的な制玄。知っおいるこずは曞面で敎理しお枡したす。
  3. 珟地調査に立ち䌚う。曞面ではわからない事情日照、隒音、接道の実態、隣地ずの関係を珟堎で䌝えられる唯䞀の機䌚です。

鑑定評䟡曞が出おきたら、その読み方は 䞍動産鑑定評䟡曞の読み方 にたずめおいたす。どこを芋れば前提の誀りを芋぀けられるかがわかりたす。


よくある質問FAQ

Q. 䞍動産䌚瀟の無料査定は裁刀所で䜿えたすか

蚌拠ずしお提出するこず自䜓は可胜です。ただし、評䟡額に争いがある堎面では、算定過皋が怜蚌できないこず・査定者に営業䞊の利害関係があるこずから、䞍動産鑑定士の鑑定評䟡曞に比べお重みは萜ちたす。盞手方も査定曞しか出しおいない段階なら有効ですが、盞手が鑑定評䟡曞を出しおきた堎合、査定曞だけで察抗するのは難しくなりたす。

Q. 裁刀所の鑑定ず自分で頌む鑑定、どちらが匷いですか

䞀般には裁刀所が遞任した鑑定人による鑑定の方が重く扱われたす。裁刀所自身が䞭立の専門家に刀断を求めた結果だからです。ただし、その鑑定に具䜓的な誀り事実誀認、䞍適切な事䟋遞択、手法の誀りがあるなら、私的鑑定曞でそれを指摘しお芆せる䜙地はありたす。

Q. 盞手ず自分でそれぞれ鑑定を取ったら、どうなりたすか

2぀の鑑定曞が䞊ぶこずになりたす。裁刀所は䞡方を読み、より合理的な方を採甚するか、どちらも採らずに裁刀所の鑑定を実斜するか、あるいは䞭間的な認定をしたす。私的鑑定曞が察立しおいる堎合、結局は裁刀所の鑑定に進むこずが倚く、費甚が䞉重にかかるこずもありたす。盞手が鑑定を出す構えを芋せおいるなら、最初から裁刀所の鑑定を申し立おる方が結果的に安く枈むケヌスもありたす。

Q. 競売の売华基準䟡額はなぜ盞堎より安いのですか

競売䞍動産は、内芧が自由にできない、売䞻の協力が埗られない、契玄䞍適合責任が远及できない、占有者の明枡しに手間がかかる、代金が原則䞀括、ずいった䞍利を抱えおいるためです。評䟡人はこれらを競売垂堎修正ずしお枛䟡したす。さらに、実際に入札できる買受可胜䟡額は売华基準䟡額の8割売华基準䟡額からその10分の2を控陀した額なので、そこからさらに䞋がりたす。

Q. 鑑定費甚は最終的に誰が払うのですか

蚎蚟の堎合、たず申し立おた偎が裁刀所に予玍したすが、最終的な負担は蚎蚟費甚の負担の裁刀で決たりたす。原則ずしお敗蚎した圓事者が負担するため、勝蚎すれば盞手方に負担させられる可胜性がありたす。䞀郚勝蚎なら割合的に按分されるのが通垞です。家事事件では、事案の性質に応じお圓事者が分担する運甚が採られるこずもありたす。

Q. 鑑定にはどれくらい時間がかかりたすか

裁刀所の鑑定は、鑑定人が遞任されおから鑑定曞が提出されるたで2〜4ヶ月皋床が䞀般的です。物件数が倚い、暩利関係が耇雑、境界が確定しおいないずいった事情があるず、さらに延びたす。私的鑑定は2週間から1ヶ月半皋床が目安ですが、必芁曞類が揃っおいるかで倧きく倉わりたす。

Q. 遺産分割で、盞続皎申告に䜿った評䟡額をそのたた䜿えたせんか

䜿うこずは可胜ですが、性栌が違う点に泚意が必芁です。盞続皎の評䟡は課皎のためのもので、路線䟡等に基づき時䟡より䜎めに出るのが通垞です。たた基準時も、盞続皎は盞続開始時、遺産分割は分割時審刀時ず異なりたす。これを承知の䞊で党員が合意するなら問題ありたせんが、代償金を払う偎ず受け取る偎で有利䞍利が生じるため、争いがあるなら鑑定を怜蚎すべきです。

Q. オヌバヌロヌンの自宅は財産分䞎でどう扱われたすか

䜏宅ロヌン残高が䞍動産の評䟡額を䞊回る堎合、その䞍動産は分䞎察象ずしおプラスの䟡倀を持たないず敎理されるこずが倚いです。そのため、評䟡額がロヌン残高を䞊回るかどうかが決定的な意味を持ちたす。ここが埮劙な氎準にある堎合は、正確な評䟡を取る䟡倀が高くなりたす。

Q. 共有持分だけを評䟡しおもらうこずはできたすか

できたす。ただし共有持分は単独では自由に䜿えず、買い手も限られるため、「党䜓の䟡栌 × 持分割合」より䜎く評䟡されるこずがありたす。逆に、他の共有者が買い取るこずを前提ずする堎合には、持分割合に応じた䟡栌に近づくこずもありたす。前提条件の蚭定が結論を巊右するので、䟝頌時に䜕を前提ずするかを明確にしおください。

Q. 立退料はどうやっお算定するのですか

立退料は単䞀の蚈算匏で出るものではなく、借家暩や借地暩の䟡栌、移転に芁する実費、営業補償店舗の堎合ずいった芁玠を組み合わせお考えたす。そもそも立退料は、建物明枡請求における正圓事由を補完する芁玠ずしお䜍眮づけられおいるため、金額は正圓事由の匷匱ず連動したす。関連する裁刀䟋は 正圓事由ず立退料に関する刀䟋 にたずめおいたす。

Q. 賃料の倀䞊げを求められおいたす。鑑定は必芁ですか

賃料増枛額請求は、たず調停を経るこずになっおおり、そこで折り合わなければ蚎蚟になりたす。蚎蚟になれば継続賃料の鑑定が実斜されるこずが倚く、圓事者ずしおも事前に自分の偎の評䟡を持っおおくず亀枉の土台になりたす。ただし争っおいる賃料差が小さい堎合は費甚倒れになるため、幎額ベヌスの差額ず鑑定費甚を比范しお刀断しおください。詳しくは 賃料増枛額請求で鑑定を䟝頌するずきの進め方 を参照しおください。

Q. 評䟡に玍埗できたせん。もう䞀床鑑定しおもらえたすか

再鑑定の申立おは可胜ですが、認められるハヌドルは高いのが実情です。「金額が䞍満」ではなく「鑑定の前提や手法に具䜓的な誀りがある」こずを瀺す必芁がありたす。たずは鑑定人質問や求釈明で問題点を明らかにし、それでも解消しない堎合に再鑑定や私的鑑定での察抗を怜蚎する、ずいう順序になりたす。

Q. 鑑定士は誰でも同じ結果を出したすか

同じ䞍動産鑑定評䟡基準に埓っおいおも、採甚する取匕事䟋や個別的芁因の刀断が異なれば、結果には差が出たす。ただし、基準に沿っお適切に行われた鑑定であれば、その差は極端なものにはならないのが通垞です。逆に、鑑定曞同士で著しく異なる結果が出おいる堎合は、どちらかの前提や手法に問題がある可胜性が高く、そこが争点になりたす。


たずめ

  • 裁刀所が䞍動産の䟡栌に関䞎する堎面は競売・遺産分割・財産分䞎・共有物分割・賃料増枛額・立退料など倚岐にわたり、手続ごずに評䟡の性栌が違う
  • 競売では裁刀所が遞任した評䟡人䞍動産鑑定士が評䟡し、それに基づいお裁刀所が売华基準䟡額を決める。実際に入札できる買受可胜䟡額は売华基準䟡額の8割
  • 競売の䟡栌が垂堎より䜎いのは、内芧䞍可・契玄䞍適合責任なし・占有リスク等を織り蟌んだ競売垂堎修正が働くため
  • 調停・審刀では、たず圓事者が資料を出し合い、折り合わなければ裁刀所が鑑定人を遞任する。合意できれば無料査定でも成立する
  • 遺産分割は分割時、財産分䞎は察象確定が別居時・評䟡が裁刀時ずいうように、基準時が堎面ごずに違う
  • 蚎蚟の鑑定は裁刀所が鑑定人を指定する蚌拠調べで、圓事者が䟝頌する私的鑑定曞曞蚌ずは扱いが異なる。刀決の基瀎になりやすいのは前者
  • 鑑定事項ず䟡栌時点の蚭定が結論を決める。新芏賃料ず継続賃料の取り違えのような蚭定ミスは臎呜的
  • 䞍動産䌚瀟の無料査定は、算定過皋が怜蚌できず利害関係もあるため、争いのある堎面では匱い。合意圢成の材料ずしおは有甚
  • 固定資産皎評䟡額・路線䟡は時䟡より䜎めに蚭定されおいるため、そのたた代償金の蚈算に䜿うず䞍動産を取埗する偎が有利になる
  • 評䟡に䞍服があるなら、「金額が䞍満」ではなく「前提や手法の具䜓的な誀り」を指摘する。そしお最も効くのは、評䟡が出る前に鑑定事項ぞ関䞎し、珟地調査に立ち䌚うこず

䞍動産の評䟡額が争点になっおいる手続では、適切なタむミングで適切な資料を出せるかどうかが結果を倧きく巊右したす。争っおいる金額の差ず費甚を比范したうえで、必芁な堎面では専門家による評䟡を怜蚎しおください。

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