/ 鑑定理論

特別の人的関係とは?不動産鑑定評価基準での意味を図でわかりやすく解説

依頼者又は依頼者を代表する者が、関与不動産鑑定士本人であるか、関与不動産鑑定業者又はその代表者である場合など、人を通じたつながりです。つまり、依頼する側と評価する側が同じ人である関係です。

特別の人的関係とは

鑑定士が自分の会社の社長も務めていて、その会社の所有するビルを自分で評価する。依頼書の依頼者欄と評価書の署名欄に同じ名前が並ぶ、という場面です。株の持ち合いも取引もなくても、人が同じなら、依頼者の望みと鑑定士の判断が一つの頭の中で交わります。基準はこれを特別の人的関係と呼び、依頼者との間に有るか無いか、有るならどんな内容かを明らかにするよう定めています。

特別の人的関係の図解:依頼する側と評価する側が同じ人なら、人的関係を明らかにする。

依頼する側と評価する側が同じ人なら、人的関係を明らかにする。

人的関係は、依頼者かその代表者が鑑定士や業者と同じ人です

関与不動産鑑定士との人的関係は、当該依頼者又は当該依頼者を代表する者が当該不動産鑑定士である場合、その他これらと同等以上の人的関係がある場合です。関与不動産鑑定業者との人的関係は、依頼者又はその代表者が当該不動産鑑定業者又はその代表者である場合、その他同等以上の人的関係がある場合です。留意事項は「代表する者」まで含める理由を書いていませんが、会社が依頼者のときは代表者が会社の意思を決めるためと考えられます。明らかにすべき内容は、その関係に当たることとなった事項です。

人的関係があっても、取引関係があるとはされません

基準は特別の資本的関係、人的関係及び取引関係を並べ、留意事項は三つをそれぞれ別に定めています。人的関係は人が同じかどうかで、取引関係は前事業年度の借入れ・売上げ・取引額の割合で見ます。社長が同じでも、その会社からの売上げがわずかなら取引関係には当たりませんし、売上げの大半を占める依頼者でも、社長が別人なら人的関係には当たりません。一つが有ることから別の一つを導く定めはありません。

特別の人的関係の図解:人が同じことと、取引が多いことは別の関係。

人が同じことと、取引が多いことは別の関係。

提出先等との関係にも、依頼者を読み替えて準用します

依頼者との関係について定めた人的関係の内容は、提出先等と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との関係にも、「依頼者」を「提出先等」と読み替えて準用します。評価書を提出する先の会社の代表者が自社の代表者と同じ人であれば、依頼者の場合と同じように明らかにします。

当該依頼者又は当該依頼者を代表する者が当該不動産鑑定士である場合その他これらと同等以上の人的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、当該関係に該当することとなった事項とする。

出典: 総論第8章 第2節

実務ではこう使う

自分が代表を務める会社の所有不動産を、自分の事務所で評価する依頼がその典型です。このときは評価書の利害関係欄に「依頼者の代表者は関与不動産鑑定士本人」と書き、公平な鑑定評価を害するおそれがないかを別に判断します。役員の兼任など「同等以上」に当たる関係も同じ扱いです。

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