鑑定評価基準の一問一答100問
鑑定評価基準の一問一答100問を収録。短答式試験頻出の正誤判定問題を総論第1章から各論まで網羅。条文の微妙な改変を見抜く力を養う演習集で、各問に誤りの箇所の指摘と正しい条文を併記。穴埋め50選と合わせて暗記精度を高められます。
一問一答で短答式試験を攻略する
不動産鑑定士の短答式試験では、鑑定評価基準の条文に関する正誤判定が中心的な出題形式です。条文の一部を微妙に改変した選択肢を見抜くためには、基準の文言を正確に覚えていることが不可欠です。
本記事では、鑑定評価基準の全体像から各論までを網羅する100問の一問一答を用意しました。各問は「正しい」か「誤り」かを判断する形式で、解答には誤りの箇所の指摘と正しい条文を併記しています。穴埋め練習問題50選と合わせて取り組むことで、基準の暗記精度をさらに高めることができます。
一問一答は、ただ正解・不正解を確認するための道具ではありません。短答式試験の正誤問題は「どの語を、どの語に置き換えると誤りになるか」という改変の型が決まっており、その型を体に覚え込ませることが得点力に直結します。本記事の後半には、改変パターンの分類表、章別の頻出度の目安、暗記を加速させる学習法、そして本試験直前に確認したいFAQも収録しました。まずは100問を一周し、間違えた問題に印をつけたうえで、後半の解説で「なぜ間違えたのか」を体系的に整理してください。
総論第1章:基本的考察(問1〜10)
問1 不動産の鑑定評価は、その対象である不動産の経済価値を算定し、これを貨幣額をもって表示することである。
誤り。「算定」ではなく「判定」が正しい。鑑定評価の定義における最頻出の引っかけ問題である。
不動産の鑑定評価は、その対象である不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示することである。
― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第3節
問2 不動産の価格は、効用、相対的稀少性及び有効需要の三者の相関結合によって生ずる不動産の経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。
正しい。価格の三面性に関する正確な記述である。
問3 土地の自然的特性として、地理的位置の固定性、不動性、永続性、可分性、個別性等がある。
誤り。「可分性」ではなく「不増性」が正しい。土地の自然的特性は「固定的であって硬直的」なものである。
問4 不動産の鑑定評価とは、不動産の価格に関する専門家の判断であり、意見であるといってよい。
正しい。基準原文の記述のとおりである。
問5 不動産鑑定士は、自己の能力の限度を超えていると思われる不動産の鑑定評価であっても、依頼者の要請がある場合にはこれを引き受けなければならない。
誤り。自己の能力の限度を超えている場合や、公平な鑑定評価を害するおそれのあるときは、原則として引き受けてはならない。
問6 不動産の価格と賃料との間には、いわゆる元本と果実との間に認められる相関関係を認めることができる。
正しい。価格(元本)と賃料(果実)の関係は基準の重要概念である。
問7 不動産の現実の取引価格等は、一般的・画一的に形成されるのが通常である。
誤り。「個別的に形成されるのが通常」が正しい。不動産の取引価格は個別的な事情に左右されがちなものである。
問8 土地の人文的特性として、用途の多様性、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等がある。
正しい。人文的特性は「可変的であって伸縮的」なものである。
問9 不動産の属する地域は固定的なものであり、変化しないものである。
誤り。不動産の属する地域は固定的なものではなく、常に拡大縮小、集中拡散、発展衰退等の変化の過程にある。
問10 不動産の価格は、通常、現在の状況のみに基づいて形成される。
誤り。不動産の価格は「通常、過去と将来とにわたる長期的な考慮の下に形成される」。今日の価格は昨日の展開であり、明日を反映するものである。
第1章で押さえる対の概念
第1章は鑑定評価の出発点であり、後続の章すべての前提になります。短答では「特性の入れ替え」と「定義語の改変」が二大パターンです。土地の二大特性は次の対で整理すると混乱しません。
| 区分 | 性格 | 代表的な特性 |
|---|---|---|
| 自然的特性 | 固定的・硬直的 | 地理的位置の固定性、不動性、永続性、不増性、個別性 |
| 人文的特性 | 可変的・伸縮的 | 用途の多様性、併合及び分割の可能性、社会的・経済的位置の可変性 |
「不増性」を「可分性」「可動性」などに差し替える問3型は頻出です。自然的特性は動かない・増えない側、人文的特性は人が変えられる側、と性格で覚えると、見慣れない選択肢でも判別できます。価格の三面性(効用・相対的稀少性・有効需要)は、いずれか一つを「絶対的稀少性」「実需要」などに変える改変が定番なので、語をそのまま暗記してください。
総論第2章:種別及び類型(問11〜20)
問11 不動産の種別とは、その有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される不動産の分類をいう。
誤り。これは「類型」の定義である。種別は「不動産の用途に関して区分される不動産の分類」をいう。種別と類型の完全整備で両概念の違いを確認できる。
問12 宅地地域とは、居住、商業活動、工業生産活動等の用に供される建物、構築物等の敷地の用に供されることが合理的と判断される地域をいう。
正しい。宅地地域の定義として正確である。
問13 更地とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない土地をいう。
誤り。「土地」ではなく「宅地」が正しい。更地はあくまで宅地の類型の一つである。
問14 借地権とは、民法に基づく土地の賃借権をいう。
誤り。「借地借家法(廃止前の借地法を含む。)に基づく借地権(建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)」が正しい。
問15 区分所有建物及びその敷地とは、建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分並びに共用部分の共有持分及び敷地利用権をいう。
正しい。基準原文の定義のとおりである。
問16 見込地とは、宅地地域内において、ある用途から他の用途へと転換しつつある地域のうちにある土地をいう。
誤り。見込地は「宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において」転換しつつある地域の土地をいう。宅地地域内の細分間の移動は「移行地」である。
問17 建付地とは、建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地をいう。
正しい。建付地の定義として正確である。
問18 自用の建物及びその敷地には、借地権付建物が含まれる。
誤り。自用の建物及びその敷地は、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であることが要件であり、借地権付建物は別の類型である。
問19 地域の種別は、宅地地域、農地地域、林地地域の三種類に限られる。
誤り。「宅地地域、農地地域、林地地域等に分けられる」であり、三種類に限定されてはいない。
問20 宅地の類型は、更地、建付地、借地権、底地に分けられる。
誤り。これらに加えて「区分地上権等」も含まれる。
見込地と移行地を一発で見分ける
第2章で最も間違えやすいのが見込地と移行地の区別(問16型)です。どちらも「変化しつつある地域」の土地ですが、変化の舞台が違います。
| 用語 | 変化の範囲 | 具体例 |
|---|---|---|
| 見込地 | 宅地地域・農地地域・林地地域などの種別の相互間 | 農地地域から宅地地域へ転換途上の土地 |
| 移行地 | 同一種別内の細分された地域相互間(住宅地域↔商業地域など) | 住宅地域から商業地域へ移行途上の土地 |
「種別をまたぐ=見込地、種別の中で動く=移行地」と覚えます。問16は「宅地地域内において」と限定している点で、相互間を要件とする見込地の定義から外れるため誤りになります。類型の取り違え(更地と建付地、底地と借地権など)も頻出なので、宅地の類型は更地・建付地・借地権・底地・区分地上権等を一括で押さえてください。
総論第3章:価格形成要因(問21〜30)
問21 価格形成要因は、一般的要因と個別的要因の二つに分けられる。
誤り。「一般的要因、地域要因及び個別的要因」の三つに分けられる。価格形成要因の解説で詳しく確認できる。
問22 一般的要因は、自然的要因、社会的要因、経済的要因及び行政的要因に大別される。
正しい。一般的要因の四分類は正確に覚えておく必要がある。
問23 地域要因とは、不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因をいう。
誤り。これは「個別的要因」の定義である。地域要因は「一般的要因の相関結合によって規模、構成の内容、機能等にわたる各地域の特性を形成し、その地域に属する不動産の価格の形成に全般的な影響を与える要因」をいう。
問24 住宅地域の地域要因には、洪水、地すべり等の災害の発生の危険性が含まれる。
正しい。住宅地域の地域要因の例示として基準に明記されている。
問25 商業地の個別的要因には、商業地域の中心への接近性が含まれる。
正しい。商業地固有の個別的要因として基準に明記されている。
問26 情報通信基盤の整備の状態は、住宅地域の地域要因には含まれない。
誤り。「情報通信基盤の整備の状態」は住宅地域の地域要因として明示的に列挙されている。
問27 建物に関する個別的要因として、有害な物質の使用の有無及びその状態がある。
正しい。アスベスト等を念頭に置いた要因である。
問28 賃貸用不動産に関する個別的要因には、賃貸経営管理の良否が含まれる。
正しい。賃借人の状況、貸室の稼働状況等が具体例として挙げられている。
問29 価格形成要因の分析に当たっては、要因の現状のみを把握すれば足りる。
誤り。価格形成要因を把握するとともに、「その推移及び動向並びに諸要因間の相互関係を十分に分析」しなければならない。
問30 転換し又は移行しつつある地域については、常に転換後又は移行後の種別の地域の地域要因をより重視すべきである。
誤り。転換又は移行の程度の低い場合には、「転換前又は移行前の種別の地域の地域要因をより重視すべき」である。
三層構造と「全般的/個別的」の対比
第3章は「要因が何層に分かれるか」「各要因の影響の及び方」を問う章です。価格形成要因は次の三層で、それぞれ影響の及び方が異なります。
| 要因 | 影響の及び方 | 性格 |
|---|---|---|
| 一般的要因 | 全般的(自然・社会・経済・行政) | 国・地方レベルで作用 |
| 地域要因 | その地域全般に作用 | 地域の特性を形成 |
| 個別的要因 | 個々の不動産に個別性を生じさせる | 価格を個別的に形成 |
問23のように地域要因の定義に「個別性を生じさせ、個別的に形成する」を混ぜ込むのが定番の改変です。地域要因は「全般的」、個別的要因は「個別的」というキーワードの対で覚えてください。一般的要因の四分類「自然・社会・経済・行政」は、いずれか一つを「物理的要因」「技術的要因」などに差し替える改変があるため、四つを順番ごと暗記するのが安全です。
総論第4章:価格に関する諸原則(問31〜40)
問31 最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で主観的にみて合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。
誤り。「主観的」ではなく「客観的にみて」が正しい。最有効使用の原則で詳しく解説している。
問32 ある不動産についての現実の使用方法は、常に最有効使用に基づいているものである。
誤り。現実の使用方法は「必ずしも最有効使用に基づいているものではなく」、不合理な使用のために十分な効用を発揮していない場合がある。
問33 不動産の価格に関する諸原則は、孤立しているものではなく、直接的又は間接的に相互に関連しているものである。
正しい。諸原則の相互関連性に関する基準の記述のとおりである。
問34 収益逓増及び逓減の原則では、ある単位投資額を継続的に増加させると、これに伴う収益は常に増加し続ける。
誤り。「ある点までは増加するが、その後は減少する」のが収益逓増及び逓減の原則である。
問35 寄与の原則は、不動産の最有効使用の判定に当たっての不動産の追加投資の適否の判定等に有用である。
正しい。寄与の原則の実務的な意義に関する正確な記述である。
問36 代替の原則は、不動産の価格が代替可能な他の不動産又は財の価格と独立して形成されることを示す。
誤り。「相互に関連して形成される」が正しい。代替の原則は取引事例比較法の理論的根拠でもある。
問37 予測の原則によれば、不動産の価格は、価格形成要因の変動についての市場参加者による予測によって左右される。
正しい。予測の原則の内容として正確である。
問38 均衡の原則は、不動産の最有効使用の判定において活用される原則の一つである。
正しい。「不動産の最有効使用を判定するためには、この均衡を得ているかどうかを分析することが必要」とされている。
問39 適合の原則は、当該不動産がその環境に適合していることの必要性を示す原則である。
正しい。適合の原則の内容として正確である。
問40 競争の原則によれば、超過利潤は競争を抑制する傾向を持つ。
誤り。超過利潤は競争を「惹起し」、競争は超過利潤を「減少させ」、終局的にはこれを消滅させる傾向を持つ。
諸原則と各手法の対応を結びつける
諸原則は単独で問われるだけでなく、「どの手法の理論的根拠になっているか」を問う形でも出題されます。原則と手法をひもづけて覚えると、応用問題にも対応できます。
| 原則 | 内容の核 | 関連する手法・場面 |
|---|---|---|
| 代替の原則 | 価格は代替可能な他財と相互関連して形成 | 取引事例比較法・賃貸事例比較法 |
| 均衡の原則 | 構成要素間の内部均衡 | 最有効使用の判定・原価法の減価 |
| 適合の原則 | 環境への外部適合 | 最有効使用の判定・地域分析 |
| 寄与の原則 | 部分が全体に寄与する程度 | 追加投資の適否・開発法 |
| 収益逓増逓減の原則 | 投資はある点から収益が減少 | 追加投資・最有効使用 |
| 予測・変動の原則 | 将来予測と変動が価格を左右 | 収益還元法・予測の前提 |
「均衡=内側、適合=外側」の対は論文でも頻出のフレーズです。最頻出の改変は「客観的」を「主観的」に差し替える問31型と、代替の原則を「独立して形成」と言い換える問36型です。
総論第5章:鑑定評価の基本的事項(問41〜55)
問41 鑑定評価の基本的事項として確定すべきものは、対象不動産と価格時点の二つである。
誤り。「対象不動産、価格時点及び価格又は賃料の種類」の三つを確定しなければならない。
問42 独立鑑定評価とは、不動産の構成部分を鑑定評価の対象とする場合をいう。
誤り。独立鑑定評価は土地及び建物等が結合している場合にその土地のみを更地として対象とするものである。構成部分を対象とするのは「部分鑑定評価」である。対象確定条件の解説で各条件の違いを確認できる。
問43 正常価格における市場参加者は、売り急ぎ、買い進み等をもたらす特別な動機のないことが要件とされる。
正しい。正常価格の前提となる市場参加者の要件として正確である。
問44 正常価格における「相当の期間」とは、対象不動産の取得に際し必要となる情報が公開され、需要者層に十分浸透するまでの期間をいう。
正しい。留意事項における相当の期間の定義として正確である。
問45 限定価格を求める場合の例として、借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合がある。
正しい。基準に例示されている限定価格を求める場合の一つである。
問46 特定価格は、市場性を有しない不動産について求める価格である。
誤り。特定価格は「市場性を有する不動産について」求めるものである。市場性を有しない不動産について求めるのは「特殊価格」である。4つの価格の違いを確認。
問47 特殊価格の例として、文化財の指定を受けた建造物について鑑定評価を行う場合がある。
正しい。特殊価格を求める場合の典型例として基準に例示されている。
問48 将来時点の鑑定評価は、原則として行うべきである。
誤り。将来時点の鑑定評価は「原則として行うべきではない」。ただし、特に必要がある場合で妥当性を欠かないときは設定できる。
問49 賃料の価格時点は、賃料の算定の期間の期末となる。
誤り。賃料の価格時点は「賃料の算定の期間の収益性を反映するものとしてその期間の期首」となる。
問50 正常賃料とは、正常価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等の契約において成立するであろう経済価値を表示する適正な賃料をいう。
正しい。正常賃料の定義として正確である。
問51 継続賃料とは、不動産の賃貸借等の継続に係る不特定多数の当事者間において成立するであろう経済価値を表示する賃料をいう。
誤り。「不特定多数」ではなく「特定の当事者間」が正しい。継続賃料は既存の契約関係を前提とする。
問52 対象確定条件を設定するに当たっては、鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点から妥当性を確認しなければならない。
正しい。対象確定条件の設定にあたっての基本的な判断基準である。
問53 想定上の条件を設定する場合には、実現性の観点のみから妥当性を判断すればよい。
誤り。鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点に加え、「特に実現性及び合法性の観点から妥当なものでなければならない」。
問54 証券化対象不動産の鑑定評価においては、想定上の条件を自由に設定できる。
誤り。証券化対象不動産等の鑑定評価が利用者の利益に重大な影響を及ぼす可能性がある場合には、原則として条件設定をしてはならない。
問55 条件設定をする場合、依頼者との間で当該条件設定に係る合意がなくても鑑定評価を行うことができる。
誤り。条件設定をする場合は「依頼者との間で当該条件設定に係る鑑定評価依頼契約上の合意がなくてはならない」。
四種類の価格を対比表で固める
第5章は短答で最も配点ウェイトが高い章の一つです。とりわけ正常価格・限定価格・特定価格・特殊価格の四価格は、定義・市場性・前提のどこを改変されても気づけるよう、対比表で一括暗記します。
| 価格の種類 | 市場性 | 市場概念・前提 | 典型例 |
|---|---|---|---|
| 正常価格 | 有する | 現実の社会経済情勢下の合理的市場で成立 | 一般的な売買 |
| 限定価格 | 有する | 市場が相対的に限定された市場参加者間 | 隣接地の併合、借地権者の底地取得 |
| 特定価格 | 有する | 法令等による社会的要請を背景に正常価格の前提を欠く | 証券化対象、民事再生法関連、会社更生法関連 |
| 特殊価格 | 有しない | 文化財等、市場性のない不動産の保存等 | 文化財建造物、宗教建築物 |
問46のように「特定価格=市場性を有しない」と入れ替えるのが定番の罠です。市場性を有しないのは特殊価格だけと覚えておけば、特定価格との取り違えを防げます。賃料側では、価格時点が「期首」である点(問49)、継続賃料が「特定の当事者間」である点(問51)が頻出の改変箇所です。対象確定条件(独立鑑定評価・部分鑑定評価)と条件設定(想定上の条件・調査範囲等条件)は別物であり、独立鑑定評価を「構成部分を対象とする」と説明する問42型はほぼ毎年見かけるパターンです。
総論第6章:地域分析及び個別分析(問56〜65)
問56 類似地域とは、近隣地域と同一の特性を有する地域をいう。
誤り。「同一の」ではなく「類似する特性を有する地域」が正しい。類似地域はあくまで類似性に基づいて判定される。
問57 住宅地の同一需給圏は、一般に都心への通勤可能な地域の範囲に一致する傾向がある。
正しい。基準原文の記述のとおりである。ただし、地縁的選好性により範囲が狭められる傾向があることにも注意。
問58 近隣地域と同一需給圏内に存する類似地域とは、必ず隣接しているものである。
誤り。「隣接すると否とにかかわらず」、地域要因の類似性に基づいて代替、競争等の関係が成立する。
問59 個別分析において、個々の不動産の最有効使用は、近隣地域の標準的使用との相互関係とは無関係に判定される。
誤り。個々の不動産の最有効使用は「一般に近隣地域の地域の特性の制約下にある」ため、標準的使用との相互関係を明らかにして判定する必要がある。
問60 最有効使用の判定に当たっては、使用収益が将来相当の期間にわたって持続し得る使用方法であることが必要である。
正しい。最有効使用の判定上の留意点として基準に明記されている。
問61 対象不動産に係る市場の特性を把握する必要はない。
誤り。地域分析において「対象不動産に係る市場の特性」を把握することは重要であり、市場参加者の属性や需給動向を的確に把握する必要がある。
問62 現実の建物の用途等が更地としての最有効使用に一致していない場合でも、建物及びその敷地と更地の最有効使用の内容は必ず一致する。
誤り。「建物及びその敷地と更地の最有効使用の内容が必ずしも一致するものではない」。更地としての最有効使用の実現に要する費用等を勘案する必要がある。
問63 建物の取壊しが最有効使用と判定される場合には、建物の取壊し費用等は考慮不要である。
誤り。「現実の建物の用途等を継続する場合の経済価値と建物の取壊しや用途変更等を行う場合のそれらに要する費用等を適切に勘案した経済価値を十分比較考量すること」が求められる。
問64 高度商業地の同一需給圏は、一般に広域的に形成される傾向がある。
正しい。高度商業地は広域的な商業背後地に基づく商業収益に関して代替性が及ぶため、広域的な範囲となる。
問65 大工場地の同一需給圏は、全国的な規模となる傾向がある。
正しい。高度の輸送機関に関して代替性を有する産業基盤指向型工業地等の同一需給圏は全国規模となる。
用途別の同一需給圏の広がりを比較する
第6章では同一需給圏の地理的な広がりが用途別に問われます。問57・問64・問65のように、用途を入れ替えて広狭を逆転させる改変があるため、傾向を表で頭に入れておきます。
| 用途 | 同一需給圏の広がりの傾向 | 代替性が及ぶ理由 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 都心への通勤可能圏に一致しやすい | 通勤利便性・地縁的選好性 |
| 近隣商業地 | 比較的狭い範囲 | 近隣居住者の日常購買 |
| 高度商業地 | 広域的 | 広域的な商業背後地の収益 |
| 大工場地(産業基盤指向型) | 全国的規模 | 高度の輸送機関による代替性 |
近隣地域・類似地域・同一需給圏の三概念も整理しておきます。近隣地域は対象不動産が属する用途的地域、類似地域は近隣地域と類似する(同一ではない)特性をもつ地域、同一需給圏は両者を含み代替・競争関係が成立する圏域です。類似地域を「同一の特性」と言い換える問56型、類似地域が「必ず隣接」とする問58型がいずれも頻出の誤りです。
総論第7章:鑑定評価の方式(問66〜85)
問66 鑑定評価の三方式とは、原価方式、比較方式及び利回り方式である。
誤り。「利回り方式」ではなく「収益方式」が正しい。三方式の徹底比較を参照。
問67 原価法は、対象不動産が土地のみである場合には適用できない。
誤り。土地のみの場合でも「再調達原価を適切に求めることができるときはこの手法を適用することができる」。
問68 置換原価とは、対象不動産と同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価をいう。
正しい。再調達原価を直接求めることが困難な場合に用いられる概念である。
問69 減価修正の方法には、耐用年数に基づく方法と観察減価法があり、いずれか一方のみを適用すればよい。
誤り。「これらを併用するものとする」とされている。
問70 経済的残存耐用年数とは、価格時点において、対象不動産の用途や利用状況に即し、物理的要因及び機能的要因に照らした劣化の程度並びに経済的要因に照らした市場競争力の程度に応じてその効用が十分に持続すると考えられる期間をいう。
正しい。経済的残存耐用年数の定義として正確であり、耐用年数に基づく方法において特に重視されるべきものである。
問71 取引事例は、投機的取引であると認められる事例を含んでもよい。
誤り。取引事例等は「投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはならない」。
問72 取引事例比較法における事情補正とは、取引時点と価格時点の価格水準の変動を修正することである。
誤り。これは「時点修正」の説明である。事情補正は、取引に含まれる特殊な事情が価格に影響しているときに行う補正である。
問73 収益還元法は、賃貸用不動産の価格を求める場合にのみ有効である。
誤り。収益還元法は「賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に特に有効」であり、さらに「自用の不動産といえども賃貸を想定することにより適用される」。
問74 直接還元法は、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法である。
正しい。直接還元法の基本的な定義として正確である。
問75 DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法である。
正しい。DCF法の仕組みで計算過程を確認できる。
問76 還元利回りと割引率は同一の概念である。
誤り。還元利回りは将来の収益に影響を与える要因の変動予測と不確実性を含むものであり、割引率はそのうち収益見通しで考慮された変動予測に係るものを除くものである。還元利回りの解説参照。
問77 純収益とは、不動産の総収益をいう。
誤り。純収益とは「不動産に帰属する適正な収益」であり、総収益から資本・労働・経営への貢献度に応じた分配分を控除した残余の部分をいう。
問78 積算法は、基礎価格に期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して試算賃料を求める手法である。
正しい。新規賃料を求める積算法の定義として正確である。
問79 差額配分法は、新規賃料を求める手法の一つである。
誤り。差額配分法は継続賃料を求める手法の一つである。継続賃料の求め方で4手法の比較を確認できる。
問80 スライド法は、直近合意時点における純賃料に変動率を乗じて得た額に価格時点における必要諸経費等を加算して試算賃料を求める手法である。
正しい。スライド法の定義として正確である。
問81 配分法は、取引事例比較法の適用方法の一つとして規定されている。
正しい。異類型の取引事例から対象不動産と同類型の部分の事例資料を求める方法として規定されている。
問82 収益分析法で求められる純収益は、減価償却前のものとする。
誤り。収益分析法の収益純賃料は「減価償却後のもの」とされている。
問83 開発法は、更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい場合等において適用される。
正しい。開発法の解説で適用場面と計算手順を確認できる。
問84 継続賃料利回りは、期待利回りと同じものである。
誤り。継続賃料利回りは、直近合意時点における基礎価格に対する純賃料の割合を踏まえ、継続賃料固有の価格形成要因に留意しつつ総合的に比較考量して求めるものであり、期待利回りとは異なる。
問85 賃貸事例比較法は、新規賃料を求める場合にも継続賃料を求める場合にも適用される。
正しい。新規賃料・継続賃料の両方について賃貸事例比較法が規定されている。
賃料手法は「新規」と「継続」で仕分ける
第7章は問数が最多の山場で、特に賃料手法の所属(新規か継続か)の取り違えが頻出します。問79のように差額配分法を「新規賃料の手法」と説明する改変は典型です。次の表で所属を固定してください。
| 区分 | 手法 | 求める賃料 |
|---|---|---|
| 新規賃料 | 積算法 | 基礎価格×期待利回り+必要諸経費等 |
| 新規賃料 | 賃貸事例比較法 | 比準賃料 |
| 新規賃料 | 収益分析法 | 収益純賃料(減価償却後)+必要諸経費等 |
| 継続賃料 | 差額配分法 | 正常実質賃料と実際実質賃料の差額を配分 |
| 継続賃料 | 利回り法 | 基礎価格×継続賃料利回り+必要諸経費等 |
| 継続賃料 | スライド法 | 純賃料×変動率+必要諸経費等 |
| 継続賃料 | 賃貸事例比較法 | 比準賃料 |
賃貸事例比較法だけは新規・継続の両方にまたがる点(問85)に注意が必要です。価格手法の側では、原価法における減価修正の「併用」(問69)、収益分析法の純収益が「減価償却後」である点(問82)、そして還元利回りと割引率が同一概念ではない点(問76)が、毎年のように改変対象になります。事情補正と時点修正の説明を入れ替える問72型も定番です。
還元利回りと割引率の関係を式で確認する
問76の還元利回りと割引率の違いは、収益価格の計算式で理解すると定着します。一期間の純収益を $a$、還元利回りを $R$ とすると、直接還元法による収益価格 $P$ は次式で表されます。
純収益が一定率 $g$ で永続的に変動すると見込む場合、還元利回り $R$ は割引率 $r$ と変動率 $g$ を用いて次のように関係づけられます。
この $g$ こそが「将来予測に基づく変動」に当たり、還元利回り $R$ には変動予測が織り込まれる一方、割引率 $r$ からは収益見通しで既に考慮された変動分が除かれます。だからこそ両者は同一概念ではないのです。
総論第8章・第9章と各論(問86〜100)
問86 試算価格の調整において、各試算価格を単純に算術平均して鑑定評価額を決定すべきである。
誤り。調整は「各試算価格の再吟味及び各試算価格が有する説得力に係る判断を行い」決定に導く作業であり、単純平均ではない。
問87 鑑定評価の手法の適用に当たっては、複数の鑑定評価の手法を適用すべきである。
正しい。複数の手法の適用が困難な場合でも、「その考え方をできるだけ参酌するように努めるべき」とされている。
問88 鑑定評価報告書は、鑑定評価額のみを記載すれば足りる。
誤り。鑑定評価報告書には、鑑定評価額のほか、鑑定評価の条件、対象不動産の確認に関する事項、鑑定評価額の決定の理由の要旨など、多数の記載事項が求められる。
問89 鑑定評価の手順として、資料の収集及び整理は、対象不動産の確認の前に行う。
誤り。手順の順序は「鑑定評価の基本的事項の確定→依頼者等の確認→処理計画の策定→対象不動産の確認→資料の収集及び整理」である。
問90 正常価格又は正常賃料を求めることができる不動産について限定価格を求めた場合は、正常価格を併記しなければならない。
正しい。かっこ書きで正常価格又は正常賃料の額を併記しなければならないと規定されている。
問91 更地の鑑定評価額は、比準価格のみに基づいて決定する。
誤り。更地の鑑定評価額は「比準価格並びに土地残余法による収益価格を関連づけて決定」し、再調達原価が把握できる場合は積算価格も関連づける。
問92 貸家及びその敷地の鑑定評価額は、積算価格を標準として決定する。
誤り。貸家及びその敷地の鑑定評価額は「実際実質賃料に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格を標準」として決定する。
問93 自用の建物及びその敷地の鑑定評価額は、積算価格、比準価格及び収益価格を関連づけて決定する。
正しい。三手法の試算価格を総合的に関連づけて決定する。
問94 証券化対象不動産の鑑定評価では、原価法を適用しなければならない。
誤り。証券化対象不動産では「DCF法を適用しなければならない」。直接還元法による検証を併せて行い、比準価格及び積算価格は検証手段として用いる。
問95 底地の鑑定評価額は、借地権割合を更地価格から控除して求めた価格のみに基づいて決定する。
誤り。底地の鑑定評価額は「実際支払賃料に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格及び比準価格を関連づけて決定する」。底地の鑑定評価を参照。
問96 借家権の鑑定評価は、借家権の取引慣行の有無にかかわらず同一の手法で行う。
誤り。借家権の鑑定評価額は「借家権の取引慣行がある場合」について規定されており、取引慣行の有無によって手法が異なる。
問97 建物及びその敷地の継続賃料を求める場合、「底地に対する利回りの推移」を考慮する。
誤り。建物及びその敷地の場合は「建物及びその敷地に対する利回り」と読み替える。
問98 宅地の正常賃料の鑑定評価額は、積算賃料のみに基づいて決定する。
誤り。「積算賃料、比準賃料及び配分法に準ずる方法に基づく比準賃料を関連づけて決定する」。新規賃料の求め方を確認。
問99 エンジニアリング・レポートは、証券化対象不動産の鑑定評価においてのみ活用される概念である。
正しい。エンジニアリング・レポートは各論第3章(証券化対象不動産)において規定された概念であり、通常の鑑定評価では他の専門家の調査結果等の活用として扱われる。
問100 継続賃料の鑑定評価額の決定に当たっては、契約当事者間の公平に留意する。
正しい。継続賃料は「契約当事者間の公平に留意の上決定する」と規定されている。
各論の「標準」と「関連づけ」を整理する
各論第1章は類型ごとに「どの試算価格を標準とし、何を関連づけるか」が問われます。問91・問92のように「のみ」「標準」を入れ替える改変が中心なので、類型別の決定方法を表で固めます。
| 類型 | 鑑定評価額の決定方法 |
|---|---|
| 更地 | 比準価格と土地残余法による収益価格を関連づけ(積算価格も把握できれば関連づけ) |
| 建付地 | 更地価格を基礎に、建付増減価を考慮 |
| 自用の建物及びその敷地 | 積算価格・比準価格・収益価格を関連づけ |
| 貸家及びその敷地 | 収益価格を標準とし、積算価格・比準価格を関連づけ |
| 底地 | 収益価格と比準価格を関連づけ |
「収益用不動産は収益価格を標準、自用は三手法を関連づけ」という大枠を押さえると、個別の改変を見抜きやすくなります。各論第3章(証券化対象不動産)では、DCF法の適用が義務であり、直接還元法は検証、比準価格・積算価格も検証手段である点(問94)、エンジニアリング・レポートの位置づけ(問99)が頻出です。
試験での出題ポイント
短答式試験で特に狙われる論点
上記100問の中でも、以下のパターンは特に出題頻度が高い論点です。
- 定義の微妙な改変:「判定」vs「算定」、「種別」vs「類型」の入れ替え
- 「原則として」の有無:条件設定の制限、将来時点の鑑定評価等
- 適用場面の取り違え:新規賃料と継続賃料、正常価格と特定価格
- 手法の定義の混同:三方式の試算価格名、各賃料手法の区別
誤り選択肢の作られ方を6類型で見抜く
短答の正誤問題は、出題者が原文をどう「壊す」かが概ねパターン化されています。本記事の誤り問題を分類すると、次の6類型に整理できます。誤りを疑うときは、この6つの視点で選択肢を点検してください。
| 類型 | 改変のしかた | 本記事での例 |
|---|---|---|
| 用語すり替え | 似た用語を入れ替える | 判定↔算定(問1)、種別↔類型(問11) |
| 対概念の逆転 | 主観↔客観、増加↔減少など | 客観的→主観的(問31)、抑制↔惹起(問40) |
| 数・範囲の改変 | 三つを二つに、相互間を内部に | 要因の三層を二層に(問21)、相互間→地域内(問16) |
| 限定語の付加・削除 | 「のみ」「必ず」「常に」を足す | 比準価格のみ(問91)、必ず一致(問62) |
| 所属・場面の混同 | 手法や価格の所属を入れ替える | 差額配分法を新規賃料に(問79)、特定価格を市場性なしに(問46) |
| 原則の方向転換 | 「原則として行う/行わない」を逆転 | 将来時点を原則実施(問48) |
「のみ」「必ず」「常に」「すべて」といった強い限定語が出てきたら、まず疑ってかかるのが鉄則です。基準は例外を許容する記述が多く、強い断定はそれ自体が誤りのサインになりやすいからです。
章別の出題ウェイトの目安
学習時間の配分を考えるうえで、章ごとの相対的な出題ウェイトの目安を整理しました(年度により変動するため、あくまで傾向としての目安です)。
| 章 | テーマ | 出題ウェイトの目安 |
|---|---|---|
| 総論第1〜2章 | 基本的考察・種別類型 | 中 |
| 総論第3〜4章 | 価格形成要因・諸原則 | 中〜高 |
| 総論第5章 | 基本的事項(価格の種類等) | 高 |
| 総論第6章 | 地域分析・個別分析 | 中〜高 |
| 総論第7章 | 鑑定評価の方式 | 最高 |
| 総論第8〜9章 | 手順・鑑定評価報告書 | 中 |
| 各論第1〜3章 | 類型別・証券化 | 中〜高 |
総論第7章と第5章は配点上の山場とされることが多く、ここを薄くすると失点が膨らみがちです。一方で得点源にしやすいのは定義が固まっている第1章・第2章で、ここは取りこぼしを許さない姿勢で臨むのが効率的です。
暗記のコツ
- 誤りの選択肢を分析する:なぜ誤りなのかを理解することで、正しい条文が記憶に定着する
- 関連する条文をセットで覚える:例えば四種類の価格の定義は、対比しながらまとめて暗記する
- 繰り返し解く:間違えた問題に印をつけ、翌日に復習する
- 対の概念で覚える:均衡(内部)↔適合(外部)、見込地(種別間)↔移行地(種別内)のように、対比で記憶すると混同しにくい
- 音読で文末を体に入れる:「〜しなければならない」「原則として〜してはならない」など、基準特有の語尾を声に出すと、改変された語尾に違和感を覚えられる
復習サイクルの作り方
一問一答は一度解いて終わりにせず、間隔をあけた復習(分散学習)で長期記憶に移すのが効果的とされます。実務的には次のサイクルが回しやすいでしょう。
- 1周目:全100問を解き、誤答に印をつける
- 翌日:誤答だけを再演習し、正解できたら印を消す
- 3日後・1週間後:残った誤答を再演習
- 直前期:印が残った問題+本記事の比較表だけを高速で回す
このとき、正解した問題でも「なぜその語が正しいのか」を一言で説明できるかを確認すると、本番の見たことのない選択肢にも対応できる応用力がつきます。
よくある質問(FAQ)
一問一答と穴埋め問題は、どちらから取り組むべきですか。
まず穴埋め練習問題50選で正しい条文の語そのものをインプットし、その後に本記事の一問一答で「改変された誤りを見抜くアウトプット」を鍛える順序が効率的です。正しい文言が頭に入っていない段階で正誤判定に挑むと、消去法に頼ってしまい、改変パターンの感覚が育ちにくくなります。
基準は丸暗記しないと短答に対応できませんか。
定義・分類・手法名のように改変されやすい箇所は、語のレベルでの正確な暗記が必要です。一方で「なぜそう定めているのか」という趣旨を理解しておくと、丸暗記が抜けた箇所でも論理で正誤を推定できます。暗記と理解は二者択一ではなく、両輪で進めるのが王道です。
どのくらいの正答率を目標にすべきですか。
本記事のような基本論点の一問一答であれば、直前期には9割以上を安定して正解できる状態が一つの目安とされます。残りの1割、つまり毎回間違える問題こそが弱点であり、そこに学習時間を集中投下するのが得点を伸ばす近道です。
論文式試験の対策にも役立ちますか。
役立ちます。正誤判定で「正しい文言」を繰り返し確認する作業は、論文で求められる正確な定義の暗記と直結します。一問一答で土台を固めたうえで、論文試験で使える重要フレーズ30選で記述用のフレーズへと展開していくと、短答と論文の学習がつながります。
まとめ
本記事では、鑑定評価基準の条文に基づく一問一答100問を出題しました。短答式試験の正誤判定力を鍛えるためには、正しい条文と誤りのパターンの両方を知ることが不可欠です。
後半で整理した6つの改変類型(用語すり替え・対概念の逆転・数や範囲の改変・限定語の付加削除・所属や場面の混同・原則の方向転換)と、章別の比較表を意識しながら繰り返し演習することで、本番の試験で微妙な選択肢も確実に見分けられるようになります。「のみ」「必ず」「常に」といった強い限定語に反応する習慣をつけるだけでも、正答率は目に見えて上がります。
穴埋め練習問題50選で条文の正確な暗記を固め、本記事の一問一答で実戦的な正誤判定力を身につけてください。さらに学習を深めたい方は、鑑定評価基準の頻出論点ランキングや論文試験で使える重要フレーズ30選もご活用ください。