鑑定評価基準の語呂合わせ暗記法
鑑定評価基準の語呂合わせ暗記法を紹介。価格の三面性「コウキュウ」、4つの価格「聖剣特撮」、10の諸原則「需変代・最均逓・配寄適・競予」、減価の三要因「ブキケイ」、鑑定評価の手順10ステップなど、試験頻出の列挙事項を効率的に暗記できます。
語呂合わせで基準暗記を加速する
不動産鑑定士試験の鑑定評価基準は膨大な条文量があり、そのまま暗記するのは容易ではありません。しかし、列挙事項や分類体系については語呂合わせを活用することで、記憶の定着を大幅に加速させることができます。
本記事では、鑑定評価基準の全体像から試験で特に問われやすい列挙事項を中心に、効果的な語呂合わせを紹介します。語呂合わせはあくまで暗記の入口であり、正確な条文の理解は穴埋め練習問題50選や一問一答100問で補完してください。
価格の三面性:「コウキュウ(効稀有)」
不動産の価格は、(1)効用、(2)相対的稀少性、(3)有効需要の三者の相関結合によって生ずる。
― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第1節
語呂合わせ:「効・稀・有(コウキュウ)」
効用、相対的稀少性、有効需要の頭文字を取って「コウキュウ(高級)」と覚えます。「高級な不動産の価格は、効用・稀少性・有効需要で決まる」とイメージすると定着しやすくなります。
価格の四種類:「聖剣特撮(せいけんとくさつ)」
4つの価格の種類を覚えるための語呂合わせです。
- 聖=正常価格
- 剣=限定価格
- 特=特定価格
- 撮=特殊価格
語呂合わせ:「聖剣特撮」
聖剣が登場する特撮番組をイメージしてください。4つの価格の違いで各価格の定義を正確に確認しておきましょう。
10の諸原則:「需・変・代・最・均・逓・配・寄・適・競・予」
不動産の価格に関する諸原則は、需要と供給の原則、変動の原則、代替の原則、最有効使用の原則、均衡の原則、収益逓増及び逓減の原則、収益配分の原則、寄与の原則、適合の原則、競争の原則、予測の原則がある。
― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
語呂合わせ:「需変代・最均逓・配寄適・競予」
4-3-3-2のリズムで「じゅへんだい・さいきんてい・はいきてき・きょうよ」と唱えます。
| 略称 | 正式名称 |
|---|---|
| 需 | 需要と供給の原則 |
| 変 | 変動の原則 |
| 代 | 代替の原則 |
| 最 | 最有効使用の原則 |
| 均 | 均衡の原則 |
| 逓 | 収益逓増及び逓減の原則 |
| 配 | 収益配分の原則 |
| 寄 | 寄与の原則 |
| 適 | 適合の原則 |
| 競 | 競争の原則 |
| 予 | 予測の原則 |
三方式と試算価格:「原比収(げんぴしゅう)」→「積比収(せきひしゅう)」
手法の語呂:「原比収」
- 原価法
- 取引事例比較法
- 収益還元法
試算価格の語呂:「積比収」
- 積算価格(原価法)
- 比準価格(取引事例比較法)
- 収益価格(収益還元法)
鑑定評価の三方式で各手法の着目点(費用性・市場性・収益性)も合わせて覚えましょう。
減価の三要因:「物・機・経(ブキケイ)」
減価の要因は、物理的要因、機能的要因及び経済的要因に分けられる。
― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
語呂合わせ:「武器で減価して経験を積む(ブキケイ)」
- 物理的要因:摩滅・破損・老朽化
- 機能的要因:機能的陳腐化(設計不良・型式の旧式化等)
- 経済的要因:経済的不適応(近隣地域の衰退等)
原価法の適用手順で減価修正の方法を確認してください。
一般的要因の四分類:「自社経行(じしゃけいぎょう)」
一般的要因は、自然的要因、社会的要因、経済的要因及び行政的要因に大別される。
― 不動産鑑定評価基準 総論第3章第1節
語呂合わせ:「自社の経営を行う(じしゃのけいぎょう)」
- 自然的要因
- 社会的要因
- 経済的要因
- 行政的要因
価格形成要因の解説で各要因の具体例を確認しましょう。
鑑定評価の手順10ステップ:「基依処確・収検適調・決報」
鑑定評価の手順は10ステップあり、これを正確に覚えることは重要です。
語呂合わせ:「基・依・処・確・収・検・適・調・決・報」
| ステップ | 略称 | 正式名称 |
|---|---|---|
| 1 | 基 | 基本的事項の確定 |
| 2 | 依 | 依頼者、提出先等の確認 |
| 3 | 処 | 処理計画の策定 |
| 4 | 確 | 対象不動産の確認 |
| 5 | 収 | 資料の収集及び整理 |
| 6 | 検 | 資料の検討及び価格形成要因の分析 |
| 7 | 適 | 鑑定評価の手法の適用 |
| 8 | 調 | 試算価格又は試算賃料の調整 |
| 9 | 決 | 鑑定評価額の決定 |
| 10 | 報 | 鑑定評価報告書の作成 |
「きいしょかく・しゅうけんてき・ちょうけつほう」とリズムよく覚えます。
対象確定条件の五種類:「所独部併未(しょどくぶへいみ)」
対象確定条件には、現状所与、独立鑑定評価、部分鑑定評価、併合・分割鑑定評価、未竣工建物等鑑定評価がある。
― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節(要約)
語呂合わせ:「所独部併未」
- 所与(現状を所与として評価)
- 独立鑑定評価(更地として評価)
- 部分鑑定評価(構成部分を評価)
- 併合・分割鑑定評価
- 未竣工建物等鑑定評価
対象確定条件の解説と鑑定条件の設定で各条件の要件を確認してください。
新規賃料の三手法:「積比収(せきひしゅう)」
新規賃料を求める手法は価格の三手法と対応関係にあります。
- 積算法(原価方式系)→ 積算賃料
- 賃貸事例比較法(比較方式系)→ 比準賃料
- 収益分析法(収益方式系)→ 収益賃料
価格の三手法と同じ「積比収」で覚えられます。新規賃料の4手法比較で計算例を確認しましょう。
継続賃料の四手法:「差利ス賃(さりすちん)」
継続賃料を求める手法には、差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法がある。
― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
語呂合わせ:「差(さ)利(り)ス(す)賃(ちん)」→「去りすぎん!」
- 差額配分法
- 利回り法
- スライド法
- 賃貸事例比較法
継続賃料の4手法比較で各手法の特徴と計算例を確認してください。
正常価格の市場参加者要件:「売知労最資(うちろうさいし)」
市場参加者が満たすべき5要件を覚えます。
- 売り急ぎ・買い進み等の特別な動機のないこと
- 対象不動産について取引を成立させるために必要な通常の知識や情報を得ていること
- 取引を成立させるために通常必要と認められる労力、費用を費やしていること
- 対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行うこと
- 買主が通常の資金調達能力を有していること
語呂合わせ:「売知労最資(うちろうさいし)」→「内労災死」
少し物騒ですが、「労災で死亡事故が起きるような物件は正常市場の取引ではない」とイメージできます。
還元利回りの求め方:「類借土割借(るいしゃくどわりしゃく)」
還元利回りを求める方法:(ア)類似の不動産の取引事例との比較、(イ)借入金と自己資金に係る還元利回り、(ウ)土地と建物に係る還元利回り、(エ)割引率との関係、(オ)借入金償還余裕率の活用。
― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節(留意事項)
語呂合わせ:「類・借・土・割・借」
- 類似の不動産の取引事例との比較
- 借入金と自己資金
- 土地と建物
- 割引率との関係
- 借入金償還余裕率
還元利回りの解説で各方法の詳細を確認できます。
宅地の類型:「更建借底区(こうけんしゃくていく)」
宅地の類型は、更地、建付地、借地権、底地、区分地上権等に分けられる。
― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
語呂合わせ:「更(こう)建(けん)借(しゃく)底(てい)区(く)」→「公健借定区」
「公の健全な借地の定めのある区域」とイメージします。種別と類型の完全整備で全類型を確認しましょう。
建物及びその敷地の類型:「自貸借区(じたいしゃくく)」
- 自用の建物及びその敷地
- 貸家及びその敷地
- 借地権付建物
- 区分所有建物及びその敷地
語呂合わせ:「自貸借区(じたいしゃくく)」→「事態借区」
試験での出題ポイント
短答式試験
短答式試験では、列挙事項の抜け・入れ替えが頻出パターンです。語呂合わせで項目を正確に覚えておくことで、選択肢の中の「存在しない項目」や「順序の入れ替え」を見抜けるようになります。
論文式試験
論文式試験では、語呂合わせで覚えた項目を展開して正確な条文として書き出す力が求められます。語呂合わせはあくまで「思い出すきっかけ」であり、そこから正式な文言を引き出せるようにしておくことが重要です。論文試験で使える重要フレーズ30選と組み合わせて学習しましょう。
暗記のコツ
- 語呂合わせを自分でも作ってみる:自分で作った語呂合わせの方が記憶に残りやすい
- 語呂から正式名称を復元する練習を繰り返す
- 正式な条文の暗記と併用する:語呂合わせだけでは不十分
まとめ
本記事では、鑑定評価基準の暗記を効率化するための語呂合わせを15種類紹介しました。語呂合わせは、列挙事項や分類体系を素早く想起するための強力なツールです。
ただし、語呂合わせはあくまで暗記の補助手段であることを忘れないでください。正確な条文の理解には、穴埋め練習問題50選や一問一答100問での演習が不可欠です。語呂合わせで大枠を記憶し、演習で精度を高め、音読暗記法で条文全体を定着させるという三段階のアプローチで、効率的な基準暗記を実現してください。1ヶ月暗記スケジュールで計画的に進めましょう。