鑑定評価基準の重要定義100|論文で「書ける形」に落とす逐語と書き分け
不動産鑑定評価基準の重要定義100を、基準原文の逐語・答案に書く短縮版・落としてはいけないキーワード・頻出度の4点セットで整理。紛らわしい定義の書き分け20ペアと白紙再現の確認手順まで収録し、「読んで分かる」を「白紙に書ける」へ変換します。
鑑定理論の論文式試験は、定義を白紙に再現できるかどうかで得点の土台が決まります。設問がどんな角度から来ても、答案の書き出しは「〜とは、〜をいう。」という定義の提示から始まるからです。ところが多くの受験生が、答案用紙を前にして初めて自分の暗記の穴に気づきます。読めば意味は分かる。選択肢を見れば正誤も判断できる。しかし、何も見ずに書けと言われると、語尾が濁り、要件が一つ抜け、修飾語の順序が入れ替わる。これは理解不足ではなく、「理解」と「再現」が別の能力であることに起因します。
本記事は、この落差を埋めるための教材です。鑑定評価基準の総論第1章から各論第3章までを通し、試験で問われる定義を100個に絞り込みました。各定義について、①基準原文の逐語、②試験時間内に書ける短縮版、③落としてはいけないキーワード、④短答式・論文式それぞれの頻出度、の4点をセットで示します。逐語はすべて基準の原文と照合しています。記憶に頼った「だいたいこんな内容」ではなく、実際に答案へ書き写せる形で提示することが本記事の唯一の存在価値だからです。
さらに後半では、混同が起きやすい定義を20組のペアとして並べ、「何が違うか」を1行で言い切る形に整理しました。正常価格と特定価格、近隣地域と類似地域、独立鑑定評価と部分鑑定評価。これらは意味を知っていても、答案の中で書き分けようとした瞬間に手が止まる論点です。最後に、覚えたかどうかを自分で確かめる具体的な手順を置きます。
「読んで分かる」と「白紙に書ける」は別の能力
基準を読んでいるとき、あなたの脳は再認(recognition)という作業をしています。目の前にある文字列が正しいかどうかを判定する作業です。一方、答案を書くときに要求されるのは想起(recall)です。手がかりのない状態から、記憶の中の文字列を丸ごと引き出してくる作業です。この二つは神経科学的にも別の負荷であり、再認は容易でも想起は難しい。「読めば分かるのに書けない」という感覚は、能力不足ではなく、練習していない作業を本番で要求されているだけです。
もう一つ、定義の再現には語順の記憶という独特の負荷があります。たとえば正常賃料と限定賃料の定義は、末尾がそれぞれ「経済価値を表示する適正な賃料」と「経済価値を適正に表示する賃料」で、「適正」の位置が違うだけです。意味理解では区別のつかないこの差を、答案では書き分けなければならない。逆に言えば、こうした細部まで再現できる答案は、採点者から見て「基準を持っている受験生」と即座に判別されます。
そして定義の再現は、答案全体の設計にも効いてきます。定義を正確に置ければ、そこから要件を一つずつ検討する構成が自動的に立ち上がります。定義が曖昧なまま書き始めた答案は、論点の抜けを自分で発見できず、字数だけ費やして結論に届きません。定義は暗記項目であると同時に、答案の骨組みを生成する装置なのです。
定義暗記の到達レベルを3段階で定義する
「基準を暗記した」という言葉は人によって指す水準がまったく違います。自分が今どこにいるのかを測れないと、学習の打ち切り判断ができません。そこで到達レベルを3段階で定義します。
| レベル | 状態 | 確認方法 | 得点への効果 |
|---|---|---|---|
| L1 認識 | 定義文を見れば正しいか判定できる。穴埋めなら埋まる | 選択肢の正誤判定、穴埋めドリル | 短答式で戦える。論文式では点にならない |
| L2 骨格再現 | 主語・対象・要件・効果の順で、自分の言葉を交えつつ書ける | 白紙にキーワードだけ書き出す | 論文式で「意味は合っている」答案になる。可もなく不可もなし |
| L3 逐語再現 | 基準の語順・接続語・末尾まで含めて書ける | 白紙に書いて原文と1文字ずつ照合 | 論点の抜けが構造的に消える。上位答案の条件 |
多くの受験生はL1で止まったまま「暗記した」と自己申告します。しかし論文式で差がつくのはL2からL3への移行区間です。ここで重要なのは、すべての定義をL3にする必要はないということ。頻出度の高い定義だけL3、それ以外はL2で十分です。だからこそ本記事では、各定義に頻出度を付けています。優先順位の考え方そのものについては確実に暗記すべき鑑定評価基準の36の重要箇所が体系的に整理していますので、そちらと併読すると投資配分を決めやすくなります。
本記事の役割と、既存記事との使い分け
鑑定評価基準の暗記まわりには、目的の異なる教材が複数あります。役割が重ならないよう、それぞれの位置づけを明示しておきます。
| 記事 | 扱うもの | 到達させる状態 |
|---|---|---|
| 重要用語事典50選 | 用語の意味の説明 | 読んで理解できる(L1) |
| 重要フレーズ30選 | 答案で使う加点フレーズ | 定義以外の言い回しを増やす |
| 暗記すべき36の重要箇所 | 暗記の優先順位 | どこから手をつけるかが決まる |
| 穴埋め練習問題50選 | キーワードの保持 | 部分想起ができる(L1〜L2) |
| 本記事 | 定義の逐語と書ける形 | 白紙に書ける(L2〜L3) |
意味を知るためなら鑑定評価基準の重要用語事典50選、答案の言い回しを増やすなら論文試験で高得点を狙える重要フレーズ30選、キーワードの保持を鍛えるなら鑑定評価基準の穴埋め練習問題50選を使ってください。本記事はそれらの後段、覚えた内容を答案の文字列に変換する工程を担当します。書いた答案の減点パターンを潰す作業は基準条文の正確な再現術、記憶の入れ方そのものは鑑定評価基準を効率的に覚える7つの方法が扱います。
定義を答案に落とす型
定義を書けるようにするには、丸暗記の前に構造を把握したほうが早く定着します。鑑定評価基準の定義文は、ほぼ例外なく次の4要素で構成されています。
主語(何を定義するか)+ 対象・場面(どんな不動産・どんな状況か)+ 要件(どんな条件を満たすか)+ 効果(何をいうのか)
この型で正常価格の定義を分解してみます。
| 要素 | 正常価格の定義における該当部分 |
|---|---|
| 主語 | 正常価格とは |
| 対象・場面 | 市場性を有する不動産について |
| 要件 | 現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう |
| 効果 | 市場価値を表示する適正な価格をいう |
この構造が見えると、暗記の負荷が一気に下がります。「対象・場面」の部分は価格の三兄弟(正常・限定・特定)で共通して「市場性を有する不動産について」であり、変わるのは「要件」だけだと分かるからです。特殊価格だけが「一般的に市場性を有しない不動産について」となる。ここを構造で押さえれば、4つの価格の定義は実質的に要件部分の暗記に還元されます。
答案での書き出しパターン
定義を答案に置くときの書き出しは、設問の型に応じて次の3パターンを使い分けます。
- 定義先行型:「正常価格とは、市場性を有する不動産について……をいう。」と定義から入り、以下でその要件を分解する。定義そのものを問う設問、および何を書くべきか迷ったときの安全策。
- 問題提起型:「本問で求めるべき価格の種類を検討するに当たり、まず正常価格の意義を確認する。正常価格とは……」と、なぜ定義を持ち出すかを示してから入る。事例問題で有効。
- 対比型:「正常価格が……であるのに対し、特定価格は……である。」と2つの定義を並べる。書き分けを問う設問で使う。
いずれの場合も、定義部分は必ず「〜とは、〜をいう。」の形で完結させるのが鉄則です。「正常価格は市場価値を表示する適正な価格であり、これは……」と説明に流れ込むと、どこまでが基準の定義でどこからが自分の説明かが採点者に伝わりません。定義は独立した1文で置き、解説は次の文から始めます。
短縮するときに削ってよい部分・削ってはいけない部分
試験時間内にすべての定義を逐語で書くのは現実的ではありません。短縮は必要です。ただし削り方には順序があります。
| 優先度 | 部分 | 判断 |
|---|---|---|
| 最初に削る | 例示(「〜等に細分される」「〜を例示すれば」以下) | 削ってよい。設問が例示を求めていない限り不要 |
| 次に削る | 括弧書きの補足(「(廃止前の借地法を含む。)」等) | 削ってよい。ただし略称の定義括弧は残す |
| 慎重に | 修飾の重ね(「現実の社会経済情勢の下で」等) | 場面の限定に効いているものは残す |
| 削らない | 要件を構成する語 | 1語落ちると別の概念になる |
| 削らない | 末尾(「〜をいう」「〜という」) | 定義文であることの標識 |
「削らない」に分類した要件語が、本記事で各定義に付した落としてはいけないキーワードです。
重要定義100の読み方
ここから100の定義を基準の章立て順に並べます。各項目の構成は次のとおりです。
- 逐語:基準原文をそのまま引用します。長い定義は「(中略)」で省略箇所を明示しています。
- 答案版:試験時間内に書ける長さへ圧縮した1〜2文。逐語が書ければそれに越したことはありませんが、時間配分上ここまで書ければ十分に得点になる水準です。
- 落とせない語:これが抜けると定義として成立しない、または別概念と区別できなくなる語。
- 頻出:短答式・論文式それぞれの出題頻度を◎(頻出)/○(出る)/△(周辺知識)で示します。
総論第1章 不動産の鑑定評価に関する基本的考察(定義1〜6)
第1章は鑑定評価の出発点を定める章で、定義の数自体は多くありません。しかし論文式の書き出しで「不動産の鑑定評価とは」を置く場面は頻繁にあり、ここを曖昧に書くと答案全体の格が下がります。
1|不動産
不動産は、通常、土地とその定着物をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第1節
- 答案版:不動産とは、通常、土地とその定着物をいう。
- 落とせない語:通常/土地/定着物
- 頻出:短答△/論文△(前提の確認として1行置く程度)
2|不動産の価格
不動産の価格は、一般に、(1) その不動産に対してわれわれが認める効用 (2) その不動産の相対的稀少性 (3) その不動産に対する有効需要 の三者の相関結合によって生ずる不動産の経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第1節
- 答案版:不動産の価格は、効用・相対的稀少性・有効需要の三者の相関結合によって生ずる経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。
- 落とせない語:効用/相対的稀少性/有効需要/相関結合/貨幣額
- 頻出:短答◎/論文◎(価格形成要因の定義と連動して問われる)
「相対的」稀少性であって単なる稀少性ではない点、「相関結合」であって「相互作用」ではない点が、書き取りで最も崩れやすい箇所です。三要素の順序も効用→相対的稀少性→有効需要で固定して覚えます。
3|土地の自然的特性
(1)自然的特性として、地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等を有し、固定的であって硬直的である。― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第2節
- 答案版:土地は自然的特性として、地理的位置の固定性、不動性、永続性、不増性、個別性等を有し、固定的であって硬直的である。
- 落とせない語:地理的位置の固定性/不動性/永続性/不増性/個別性/硬直的
- 頻出:短答◎/論文○
4|土地の人文的特性
(2)人文的特性として、用途の多様性(用途の競合、転換及び併存の可能性)、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等を有し、可変的であって伸縮的である。― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第2節
- 答案版:土地は人文的特性として、用途の多様性、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等を有し、可変的であって伸縮的である。
- 落とせない語:用途の多様性/併合及び分割の可能性/社会的及び経済的位置の可変性/伸縮的
- 頻出:短答◎/論文○
自然的特性は3つ、人文的特性は3つ。自然的=固定的・硬直的、人文的=可変的・伸縮的という末尾の対比までセットで書けると完成度が上がります。
5|不動産の鑑定評価
不動産の鑑定評価は、その対象である不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示することである。― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第3節
- 答案版:不動産の鑑定評価とは、その対象である不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示することである。
- 落とせない語:経済価値/判定/貨幣額/表示
- 頻出:短答◎/論文◎
「判定し」「表示する」の2動詞構造が核です。「評価する」「算定する」と言い換えてしまうと基準の定義から外れます。
6|専門家の判断・意見としての鑑定評価
不動産の鑑定評価とは、不動産の価格に関する専門家の判断であり、意見であるといってよいであろう。― 不動産鑑定評価基準 総論第1章第3節
- 答案版:不動産の鑑定評価は、不動産の価格に関する専門家の判断であり、意見である。
- 落とせない語:専門家/判断/意見
- 頻出:短答○/論文◎(鑑定評価の性格を論じる設問の締めに使える)
総論第2章 不動産の種別及び類型(定義7〜22)
第2章は定義の密度が最も高い章です。短い定義が連続するため一見易しく見えますが、実際の答案では「更地」「建付地」「底地」の定義を1語違わずに書けるかが問われます。種別・類型の体系そのものは不動産の種別と類型で整理されていますので、体系図と本記事の逐語を往復してください。
7|不動産の種類
不動産の種類とは、不動産の種別及び類型の二面から成る複合的な不動産の概念を示すものであり、この不動産の種別及び類型が不動産の経済価値を本質的に決定づけるものであるから、この両面の分析をまって初めて精度の高い不動産の鑑定評価が可能となるものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章
- 答案版:不動産の種類とは、不動産の種別及び類型の二面から成る複合的な不動産の概念をいう。
- 落とせない語:種別/類型/二面/複合的
- 頻出:短答◎/論文○
8|不動産の種別
不動産の種別とは、不動産の用途に関して区分される不動産の分類をいい(後略)― 不動産鑑定評価基準 総論第2章
- 答案版:不動産の種別とは、不動産の用途に関して区分される不動産の分類をいう。
- 落とせない語:用途/区分/分類
- 頻出:短答◎/論文◎
9|不動産の類型
不動産の類型とは、その有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される不動産の分類をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章
- 答案版:不動産の類型とは、その有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される不動産の分類をいう。
- 落とせない語:有形的利用/権利関係の態様/分類
- 頻出:短答◎/論文◎
種別=用途、類型=有形的利用+権利関係。この対が第2章の背骨です。「有形的利用」を「物理的利用」と書き換える誤りが非常に多いので注意してください。
10|宅地地域
宅地地域とは、居住、商業活動、工業生産活動等の用に供される建物、構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいい、住宅地域、商業地域、工業地域等に細分される。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第1節
- 答案版:宅地地域とは、建物、構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。
- 落とせない語:敷地の用に供されること/自然的、社会的、経済的及び行政的観点/合理的と判断される地域
- 頻出:短答◎/論文○
11|農地地域
農地地域とは、農業生産活動のうち耕作の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第1節
- 答案版:農地地域とは、農業生産活動のうち耕作の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。
- 落とせない語:農業生産活動のうち耕作/四観点/合理的と判断される地域
- 頻出:短答◎/論文△
12|林地地域
林地地域とは、林業生産活動のうち木竹又は特用林産物の生育の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第1節
- 答案版:林地地域とは、林業生産活動のうち木竹又は特用林産物の生育の用に供されることが、四観点からみて合理的と判断される地域をいう。
- 落とせない語:林業生産活動/木竹又は特用林産物の生育/四観点
- 頻出:短答◎/論文△
3つの地域種別はいずれも「〜の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域」という共通構文です。異なるのは前半の用途部分だけ。短答式では「林地地域」の定義に「木竹」だけを書いて「特用林産物」を落とす引っかけが定番です。なお土地の種別としての宅地・農地・林地は、それぞれ対応する地域のうちにある土地をいい、林地については「(立木竹を除く。)」という括弧が付く点も押さえておきます。
13|見込地
見込地とは、宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地をいい、宅地見込地、農地見込地等に分けられる。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第1節
- 答案版:見込地とは、地域の種別の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地をいう。
- 落とせない語:相互間/転換しつつある/地域のうちにある土地
- 頻出:短答◎/論文○
14|移行地
移行地とは、宅地地域、農地地域等のうちにあって、細分されたある種別の地域から他の種別の地域へと移行しつつある地域のうちにある土地をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第1節
- 答案版:移行地とは、宅地地域、農地地域等のうちにあって、細分されたある種別の地域から他の種別の地域へと移行しつつある地域のうちにある土地をいう。
- 落とせない語:うちにあって/細分された/移行しつつある
- 頻出:短答◎/論文○
見込地=地域種別の相互間の転換、移行地=同一地域種別のうちにあって細分された地域間の移行。「相互間/うちにあって」と「転換/移行」の2組を同時に切り替えるのがコツです。
15|更地
更地とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:更地とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう。
- 落とせない語:建物等の定着物がなく/かつ/使用収益を制約する権利/宅地
- 頻出:短答◎/論文◎
最頻出定義の一つ。「かつ」で結ばれた2要件(物理的に更地であること+権利が付着していないこと)の両方を書くこと、末尾が「土地」ではなく「宅地」であることが要点です。
16|建付地
建付地とは、建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:建付地とは、建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地をいう。
- 落とせない語:建物等の用に供されている敷地/同一の所有者に属している/宅地
- 頻出:短答◎/論文◎
17|借地権
借地権とは、借地借家法(廃止前の借地法を含む。)に基づく借地権(建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:借地権とは、借地借家法に基づく借地権、すなわち建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
- 落とせない語:建物の所有を目的とする/地上権/土地の賃借権
- 頻出:短答◎/論文◎
18|底地
底地とは、宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:底地とは、宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権をいう。
- 落とせない語:借地権の付着/当該宅地/所有権
- 頻出:短答◎/論文◎
底地は「土地」ではなく「所有権」であることが最重要です。「借地権が付着した宅地」と書くと、権利ではなく物を指してしまい定義として不正確になります。
19|区分地上権
区分地上権とは、工作物を所有するため、地下又は空間に上下の範囲を定めて設定された地上権をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:区分地上権とは、工作物を所有するため、地下又は空間に上下の範囲を定めて設定された地上権をいう。
- 落とせない語:工作物を所有するため/地下又は空間/上下の範囲を定めて
- 頻出:短答◎/論文○
借地権が「建物の所有を目的とする」のに対し、区分地上権は「工作物を所有するため」。目的物の違いが書き分けの分岐点です。詳細な評価手法は区分地上権の評価が扱っています。
20|自用の建物及びその敷地
自用の建物及びその敷地とは、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であり、その所有者による使用収益を制約する権利の付着していない場合における当該建物及びその敷地をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:自用の建物及びその敷地とは、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であり、その所有者による使用収益を制約する権利の付着していない場合における当該建物及びその敷地をいう。
- 落とせない語:同一人/その所有者による使用収益を制約する権利/付着していない
- 頻出:短答◎/論文◎
21|貸家及びその敷地
貸家及びその敷地とは、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であるが、建物が賃貸借に供されている場合における当該建物及びその敷地をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:貸家及びその敷地とは、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であるが、建物が賃貸借に供されている場合における当該建物及びその敷地をいう。
- 落とせない語:同一人であるが/建物が賃貸借に供されている
- 頻出:短答◎/論文◎
自用と貸家は前半が完全に共通で、「〜であり」と「〜であるが」の接続で分岐します。この1文字の差を意識して書くと2つの定義が同時に固まります。なお借地権付建物は「借地権を権原とする建物が存する場合における当該建物及び借地権をいう」であり、対象が建物と借地権の組であって敷地の所有権ではない点が特徴です。
22|区分所有建物及びその敷地
区分所有建物及びその敷地とは、建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分並びに当該専有部分に係る同条第4項に規定する共用部分の共有持分及び同条第6項に規定する敷地利用権をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節
- 答案版:区分所有建物及びその敷地とは、区分所有法上の専有部分並びに当該専有部分に係る共用部分の共有持分及び敷地利用権をいう。
- 落とせない語:専有部分/共用部分の共有持分/敷地利用権
- 頻出:短答◎/論文○
条番号まで再現できれば理想ですが、時間内に書けなければ3要素(専有部分・共用部分の共有持分・敷地利用権)を落とさないことを優先します。
総論第3章・第4章 価格形成要因と諸原則(定義23〜37)
第3章の要因3分類と第4章の11原則は、どちらも「並べて書かせる」形で出題されます。要因は定義そのものが問われ、原則は名称と内容の対応が問われるという違いがあります。
23|価格形成要因
不動産の価格を形成する要因(以下「価格形成要因」という。)とは、不動産の効用及び相対的稀少性並びに不動産に対する有効需要の三者に影響を与える要因をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第3章
- 答案版:価格形成要因とは、不動産の効用及び相対的稀少性並びに不動産に対する有効需要の三者に影響を与える要因をいう。
- 落とせない語:効用/相対的稀少性/有効需要/三者に影響を与える
- 頻出:短答◎/論文◎
第1章の「不動産の価格」の定義と三要素が完全に一致します。価格=三者の相関結合による経済価値、要因=三者に影響を与えるもの、という接続で覚えると両方が固まります。要因の全体像は価格形成要因の解説を参照してください。
24|一般的要因
一般的要因とは、一般経済社会における不動産のあり方及びその価格の水準に影響を与える要因をいう。それは、自然的要因、社会的要因、経済的要因及び行政的要因に大別される。― 不動産鑑定評価基準 総論第3章第1節
- 答案版:一般的要因とは、一般経済社会における不動産のあり方及びその価格の水準に影響を与える要因をいい、自然的・社会的・経済的・行政的要因に大別される。
- 落とせない語:一般経済社会/不動産のあり方/価格の水準/四要因に大別
- 頻出:短答◎/論文◎
25|地域要因
地域要因とは、一般的要因の相関結合によって規模、構成の内容、機能等にわたる各地域の特性を形成し、その地域に属する不動産の価格の形成に全般的な影響を与える要因をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第3章第2節
- 答案版:地域要因とは、一般的要因の相関結合によって各地域の特性を形成し、その地域に属する不動産の価格の形成に全般的な影響を与える要因をいう。
- 落とせない語:一般的要因の相関結合/各地域の特性を形成/全般的な影響
- 頻出:短答◎/論文◎
「一般的要因の相関結合によって」という出自の記述を落とすと、一般的要因との関係が答案上で切れてしまいます。詳しくは地域要因とはで整理しています。
26|個別的要因
個別的要因とは、不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節
- 答案版:個別的要因とは、不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因をいう。
- 落とせない語:個別性を生じさせ/個別的に形成する
- 頻出:短答◎/論文◎
一般的要因=価格の水準、地域要因=全般的な影響、個別的要因=個別的に形成。この3語の対比が答案での書き分けの核になります。
27|需要と供給の原則
一般に財の価格は、その財の需要と供給との相互関係によって定まるとともに、その価格は、また、その財の需要と供給とに影響を及ぼす。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:財の価格は需要と供給との相互関係によって定まるとともに、価格もまた需要と供給に影響を及ぼす。不動産は自然的特性及び人文的特性を有するため、その反映が認められる。
- 落とせない語:相互関係/影響を及ぼす(双方向性)
- 頻出:短答○/論文○
28|変動の原則
一般に財の価格は、その価格を形成する要因の変化に伴って変動する。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:財の価格は、価格形成要因の変化に伴って変動する。鑑定評価に当たっては要因が常に変動の過程にあることを認識し、各要因間の相互因果関係を動的に把握すべきである。
- 落とせない語:要因の変化/変動の過程/動的に把握
- 頻出:短答○/論文◎
29|代替の原則
代替性を有する二以上の財が存在する場合には、これらの財の価格は、相互に影響を及ぼして定まる。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:代替性を有する二以上の財が存在する場合、これらの価格は相互に影響を及ぼして定まる。不動産の価格も代替可能な他の不動産又は財の価格と相互に関連して形成される。
- 落とせない語:代替性を有する二以上の財/相互に影響を及ぼして定まる
- 頻出:短答◎/論文◎(取引事例比較法・同一需給圏の理論的根拠として頻出)
30|最有効使用の原則
不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(以下「最有効使用」という。)を前提として把握される価格を標準として形成される。この場合の最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:最有効使用とは、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用をいい、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。
- 落とせない語:効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用/客観的にみて/良識と通常の使用能力/合理的かつ合法的/最高最善
- 頻出:短答◎/論文◎(基準全体で最重要級)
鑑定理論で最も頻繁に書く定義です。「合理的かつ合法的」の2要件、「良識と通常の使用能力を持つ人」という主体設定、「客観的にみて」という視点、この3点セットは必ず入れます。判定基準の詳細は最有効使用の判定を参照してください。
31|均衡の原則
不動産の収益性又は快適性が最高度に発揮されるためには、その構成要素の組合せが均衡を得ていることが必要である。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:不動産の収益性又は快適性が最高度に発揮されるためには、その構成要素の組合せが均衡を得ていることが必要である。
- 落とせない語:収益性又は快適性/構成要素の組合せ/均衡(内部)
- 頻出:短答◎/論文◎
32|収益逓増及び逓減の原則
ある単位投資額を継続的に増加させると、これに伴って総収益は増加する。しかし、増加させる単位投資額に対応する収益は、ある点までは増加するが、その後は減少する。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:単位投資額を継続的に増加させると総収益は増加するが、増加させる単位投資額に対応する収益は、ある点までは増加し、その後は減少する。
- 落とせない語:総収益は増加/単位投資額に対応する収益/ある点までは増加
- 頻出:短答○/論文○
総収益と限界収益の挙動が逆であることが要点です。「総収益が減少する」と書くと誤りになります。
33|収益配分の原則
土地、資本、労働及び経営(組織)の各要素の結合によって生ずる総収益は、これらの各要素に配分される。したがって、このような総収益のうち、資本、労働及び経営(組織)に配分される部分以外の部分は、それぞれの配分が正しく行われる限り、土地に帰属するものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:土地、資本、労働及び経営(組織)の結合によって生ずる総収益はこれらに配分され、土地以外に配分される部分以外は土地に帰属する。
- 落とせない語:土地、資本、労働及び経営(組織)/土地に帰属
- 頻出:短答◎/論文◎(土地残余法・純収益の定義の根拠)
34|寄与の原則
不動産のある部分がその不動産全体の収益獲得に寄与する度合いは、その不動産全体の価格に影響を及ぼす。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:不動産のある部分がその不動産全体の収益獲得に寄与する度合いは、その不動産全体の価格に影響を及ぼす。
- 落とせない語:ある部分/収益獲得に寄与する度合い/全体の価格
- 頻出:短答○/論文○(追加投資の適否判定と結びつけて論じる)
35|適合の原則
不動産の収益性又は快適性が最高度に発揮されるためには、当該不動産がその環境に適合していることが必要である。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:不動産の収益性又は快適性が最高度に発揮されるためには、当該不動産がその環境に適合していることが必要である。
- 落とせない語:収益性又は快適性/その環境に適合(外部)
- 頻出:短答◎/論文◎
均衡=不動産の内部(構成要素の組合せ)、適合=不動産と外部環境の関係。前半の文言が同一なので、後半だけを切り替える形で覚えます。
36|競争の原則
一般に、超過利潤は競争を惹起し、競争は超過利潤を減少させ、終局的にはこれを消滅させる傾向を持つ。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:超過利潤は競争を惹起し、競争は超過利潤を減少させ、終局的には消滅させる傾向を持つ。不動産の価格もこのような競争の過程において形成される。
- 落とせない語:超過利潤/惹起/終局的には消滅
- 頻出:短答○/論文○
37|予測の原則
財の価格は、その財の将来の収益性等についての予測を反映して定まる。― 不動産鑑定評価基準 総論第4章
- 答案版:財の価格は、将来の収益性等についての予測を反映して定まる。不動産の価格も、価格形成要因の変動についての市場参加者による予測によって左右される。
- 落とせない語:将来の収益性等/予測を反映/市場参加者による予測
- 頻出:短答○/論文◎(収益還元法・DCF法の理論的根拠)
総論第5章 鑑定評価の基本的事項(定義38〜54)
第5章は論文式の得点源であると同時に、定義の取り違えが起きやすい章です。条件設定の3種(対象確定条件・想定上の条件・調査範囲等条件)と価格の4種(正常・限定・特定・特殊)は、毎年どこかの形で問われると考えて構いません。
38|鑑定評価の基本的事項
不動産の鑑定評価に当たっては、基本的事項として、対象不動産、価格時点及び価格又は賃料の種類を確定しなければならない。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章
- 答案版:鑑定評価の基本的事項として、対象不動産、価格時点及び価格又は賃料の種類を確定しなければならない。
- 落とせない語:対象不動産/価格時点/価格又は賃料の種類
- 頻出:短答◎/論文◎
3項目を順序どおり並べます。なお対象不動産の確定とは、物的な確定のみならず、所有権及び所有権以外の権利を確定することであり、依頼目的及び条件に照応する対象不動産と現実の利用状況とを照合して確認するという実践行為を経て最終的に確定されるものとされています。
39|対象確定条件
対象不動産の確定に当たって必要となる鑑定評価の条件を対象確定条件という。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節
- 答案版:対象確定条件とは、対象不動産の確定に当たって必要となる鑑定評価の条件をいう。
- 落とせない語:対象不動産の確定に当たって/必要となる/鑑定評価の条件
- 頻出:短答◎/論文◎
条件設定の全体像は対象確定条件とはにまとめてあります。
40|独立鑑定評価
不動産が土地及び建物等の結合により構成されている場合において、その土地のみを建物等が存しない独立のもの(更地)として鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を独立鑑定評価という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節
- 答案版:独立鑑定評価とは、土地及び建物等の結合により構成されている不動産について、その土地のみを建物等が存しない独立のもの(更地)として鑑定評価の対象とすることをいう。
- 落とせない語:土地のみ/建物等が存しない独立のもの/更地
- 頻出:短答◎/論文◎
41|部分鑑定評価
不動産が土地及び建物等の結合により構成されている場合において、その状態を所与として、その不動産の構成部分を鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を部分鑑定評価という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節
- 答案版:部分鑑定評価とは、土地及び建物等の結合により構成されている不動産について、その状態を所与として、その不動産の構成部分を鑑定評価の対象とすることをいう。
- 落とせない語:その状態を所与として/構成部分
- 頻出:短答◎/論文◎
「その状態を所与として」の有無が独立鑑定評価との唯一の分岐点です。この5文字が抜けた瞬間に定義が崩壊します。
42|併合鑑定評価・分割鑑定評価
不動産の併合又は分割を前提として、併合後又は分割後の不動産を単独のものとして鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を併合鑑定評価又は分割鑑定評価という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節
- 答案版:併合鑑定評価又は分割鑑定評価とは、不動産の併合又は分割を前提として、併合後又は分割後の不動産を単独のものとして鑑定評価の対象とすることをいう。
- 落とせない語:併合後又は分割後/単独のものとして
- 頻出:短答◎/論文○
43|未竣工建物等鑑定評価
造成に関する工事が完了していない土地又は建築に係る工事(建物を新築するもののほか、増改築等を含む。)が完了していない建物について、当該工事の完了を前提として鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を未竣工建物等鑑定評価という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節
- 答案版:未竣工建物等鑑定評価とは、造成工事が完了していない土地又は建築工事が完了していない建物について、当該工事の完了を前提として鑑定評価の対象とすることをいう。
- 落とせない語:造成に関する工事/建築に係る工事/当該工事の完了を前提として
- 頻出:短答◎/論文◎
論文式では、この条件を設定する際の追加要件(設計図書等・請負契約書等の収集、法令上必要な許認可等の取得、発注者の資金調達能力等の観点からの工事完了の実現性)まで書けると差がつきます。
44|地域要因又は個別的要因についての想定上の条件
対象不動産について、依頼目的に応じ対象不動産に係る価格形成要因のうち地域要因又は個別的要因について想定上の条件を設定する場合がある。この場合には、設定する想定上の条件が鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点に加え、特に実現性及び合法性の観点から妥当なものでなければならない。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節
- 答案版:想定上の条件とは、価格形成要因のうち地域要因又は個別的要因について設定される条件をいい、利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点に加え、特に実現性及び合法性の観点から妥当でなければならない。
- 落とせない語:地域要因又は個別的要因/実現性及び合法性/利用者の利益を害するおそれ
- 頻出:短答◎/論文◎
「実現性及び合法性」は想定上の条件に固有の要件です。対象確定条件の妥当性審査には登場しません。
45|調査範囲等条件
不動産鑑定士の通常の調査の範囲では、対象不動産の価格への影響の程度を判断するための事実の確認が困難な特定の価格形成要因が存する場合、当該価格形成要因について調査の範囲に係る条件(以下「調査範囲等条件」という。)を設定することができる。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節
- 答案版:調査範囲等条件とは、通常の調査の範囲では価格への影響の程度を判断するための事実の確認が困難な特定の価格形成要因について、調査の範囲に係る条件を設定するものをいう。設定できるのは、利用者の利益を害するおそれがないと判断される場合に限られる。
- 落とせない語:通常の調査の範囲/事実の確認が困難/特定の価格形成要因/調査の範囲に係る条件
- 頻出:短答◎/論文◎
土壌汚染等の実務論点と結びつけた出題が多い項目です。詳細は調査範囲等条件とはを参照してください。
46|価格時点
不動産の鑑定評価を行うに当たっては、不動産の価格の判定の基準日を確定する必要があり、この日を価格時点という。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第2節
- 答案版:価格時点とは、不動産の価格の判定の基準日をいう。価格形成要因は時の経過により変動するため、不動産の価格はその判定の基準となった日においてのみ妥当する。
- 落とせない語:価格の判定の基準日/その日においてのみ妥当
- 頻出:短答◎/論文◎
価格時点は現在・過去・将来の3区分がある点まで押さえます。価格時点の設定で場面別に整理しています。
47|賃料の価格時点
賃料の価格時点は、賃料の算定の期間の収益性を反映するものとしてその期間の期首となる。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第2節
- 答案版:賃料の価格時点は、賃料の算定の期間の収益性を反映するものとして、その期間の期首となる。
- 落とせない語:算定の期間の収益性/期首
- 頻出:短答◎/論文○
「期首」であって「期末」ではない。単純ですが短答式で確実に狙われます。
48|正常価格
正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節
- 答案版:正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。
- 落とせない語:市場性を有する不動産/現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場/市場価値/適正な価格
- 頻出:短答◎/論文◎(最重要)
この定義は逐語で書けるようにしてください。加えて市場の3条件(市場参加者の自由な参入退出、特別でない取引形態、相当の期間の市場公開)と、市場参加者が満たすべき5要件まで書けると、正常価格を論じる設問で上位に入ります。正常価格とは、正常価格の要件も併せてどうぞ。
49|限定価格
限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節
- 答案版:限定価格とは、市場性を有する不動産について、併合又は分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をいう。
- 落とせない語:併合又は(一部を取得する際の)分割/市場が相対的に限定される/取得部分/市場限定に基づく市場価値
- 頻出:短答◎/論文◎
50|特定価格
特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節
- 答案版:特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。
- 落とせない語:法令等による社会的要請/鑑定評価目的の下で/正常価格の前提となる諸条件を満たさない/経済価値
- 頻出:短答◎/論文◎
限定価格が「市場価値」を表示するのに対し、特定価格は「経済価値」を表示します。この末尾の1語が両者を分ける決定的な差です。3類型の相互関係は限定価格・特定価格、特定価格の適用場面で確認できます。
51|特殊価格
特殊価格とは、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節
- 答案版:特殊価格とは、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。
- 落とせない語:一般的に市場性を有しない不動産/利用現況等を前提/経済価値
- 頻出:短答◎/論文◎
4つの価格のうち特殊価格だけが「市場性を有しない不動産」を対象とします。ここが分類の第一分岐です。
52|正常賃料
正常賃料とは、正常価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等(賃借権若しくは地上権又は地役権に基づき、不動産を使用し、又は収益することをいう。)の契約において成立するであろう経済価値を表示する適正な賃料(新規賃料)をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節
- 答案版:正常賃料とは、正常価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等の契約において成立するであろう経済価値を表示する適正な賃料(新規賃料)をいう。
- 落とせない語:正常価格と同一の市場概念/新たな賃貸借等/経済価値を表示する適正な賃料/新規賃料
- 頻出:短答◎/論文◎
53|限定賃料
限定賃料とは、限定価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等の契約において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料(新規賃料)をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節
- 答案版:限定賃料とは、限定価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等の契約において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料(新規賃料)をいう。
- 落とせない語:限定価格と同一の市場概念/経済価値を適正に表示する賃料/新規賃料
- 頻出:短答◎/論文○
正常賃料は「経済価値を表示する適正な賃料」、限定賃料は「経済価値を適正に表示する賃料」。語順が入れ替わっています。細かすぎると思うかもしれませんが、逐語再現を狙うならここまで揃えます。
54|継続賃料
継続賃料とは、不動産の賃貸借等の継続に係る特定の当事者間において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節
- 答案版:継続賃料とは、不動産の賃貸借等の継続に係る特定の当事者間において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料をいう。
- 落とせない語:賃貸借等の継続/特定の当事者間/経済価値を適正に表示する賃料
- 頻出:短答◎/論文◎
継続賃料には「新規賃料」の括弧書きが付きません。また「特定の当事者間」という限定が入るのが最大の特徴です。新規と継続の関係は新規賃料と継続賃料の違いで詳述しています。
総論第6章 地域分析及び個別分析(定義55〜61)
第6章は論文式で最も出題頻度が高い章の一つです。近隣地域・類似地域・同一需給圏の3つは、定義の逐語と相互関係の両方を書かせる問題が繰り返し出ています。
55|地域分析
地域分析とは、その対象不動産がどのような地域に存するか、その地域はどのような特性を有するか、また、対象不動産に係る市場はどのような特性を有するか、及びそれらの特性はその地域内の不動産の利用形態と価格形成について全般的にどのような影響力を持っているかを分析し、判定することをいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第6章第1節
- 答案版:地域分析とは、対象不動産がどのような地域に存し、その地域及び対象不動産に係る市場がどのような特性を有し、それらの特性が地域内の不動産の利用形態と価格形成について全般的にどのような影響力を持っているかを分析し、判定することをいう。
- 落とせない語:どのような地域に存するか/市場はどのような特性/利用形態と価格形成/全般的/分析し、判定する
- 頻出:短答◎/論文◎
長い定義ですが、「地域はどこか」「地域の特性は」「市場の特性は」「影響力は」の4つの問いを並べた構造だと分かれば再現しやすくなります。地域分析と個別分析で両者の役割分担を確認できます。
56|用途的地域
地域分析に当たって特に重要な地域は、用途的観点から区分される地域(以下「用途的地域」という。)、すなわち近隣地域及びその類似地域と、近隣地域及びこれと相関関係にある類似地域を含むより広域的な地域、すなわち同一需給圏である。― 不動産鑑定評価基準 総論第6章第1節
- 答案版:用途的地域とは、用途的観点から区分される地域をいい、近隣地域及びその類似地域がこれに当たる。
- 落とせない語:用途的観点から区分される地域/近隣地域及びその類似地域
- 頻出:短答◎/論文○
57|近隣地域
近隣地域とは、対象不動産の属する用途的地域であって、より大きな規模と内容とを持つ地域である都市あるいは農村等の内部にあって、居住、商業活動、工業生産活動等人の生活と活動とに関して、ある特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを示している地域をいい、対象不動産の価格の形成に関して直接に影響を与えるような特性を持つものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第6章第1節
- 答案版:近隣地域とは、対象不動産の属する用途的地域であって、都市あるいは農村等の内部にあって、ある特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを示している地域をいい、対象不動産の価格の形成に関して直接に影響を与えるような特性を持つものである。
- 落とせない語:対象不動産の属する用途的地域/内部にあって/特定の用途/地域的にまとまり/直接に影響
- 頻出:短答◎/論文◎
「対象不動産の属する」で始めること、末尾を「直接に影響を与えるような特性」で締めることが定義の両端です。近隣地域とはも参照してください。
58|類似地域
類似地域とは、近隣地域の地域の特性と類似する特性を有する地域であり、その地域に属する不動産は、特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを持つものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第6章第1節
- 答案版:類似地域とは、近隣地域の地域の特性と類似する特性を有する地域をいい、その地域に属する不動産は特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを持つ。
- 落とせない語:近隣地域の地域の特性と類似する特性/地域的にまとまり
- 頻出:短答◎/論文◎
類似地域は「近隣地域の特性との類似性を前提として判定される」ものであり、対象不動産が属するわけではありません。近隣地域と類似地域で違いを図解しています。
59|同一需給圏
同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。それは、近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲を規定するものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第6章第1節
- 答案版:同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲を規定する。
- 落とせない語:代替関係が成立/相互に影響を及ぼす/圏域/近隣地域を含んでより広域的
- 頻出:短答◎/論文◎
末尾が「地域」ではなく「圏域」であることが特徴です。用途別の判定基準(住宅地は通勤可能な地域の範囲、高度商業地は広域的等)まで書ければ完成度が上がります。同一需給圏とはで用途別の整理を扱っています。
60|標準的使用
近隣地域の特性は、通常、その地域に属する不動産の一般的な標準的使用に具体的に現れるが、この標準的使用は、利用形態からみた地域相互間の相対的位置関係及び価格形成を明らかにする手掛りとなるとともに、その地域に属する不動産のそれぞれについての最有効使用を判定する有力な標準となるものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第6章第1節
- 答案版:標準的使用とは、近隣地域の特性が具体的に現れる、その地域に属する不動産の一般的な使用方法をいい、各不動産の最有効使用を判定する有力な標準となる。
- 落とせない語:近隣地域の特性/具体的に現れる/最有効使用を判定する有力な標準
- 頻出:短答◎/論文◎
「有力な標準」であって「基準」ではありません。標準的使用に拘束されるわけではなく、位置・規模・環境等によっては標準的使用と異なる用途の可能性が最有効使用となり得る点まで押さえます。
61|個別分析
個別分析とは、対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析してその最有効使用を判定することをいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第6章第2節
- 答案版:個別分析とは、対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析して、その最有効使用を判定することをいう。
- 落とせない語:個別的要因/利用形態と価格形成/最有効使用を判定する
- 頻出:短答◎/論文◎
地域分析が「標準的使用」を、個別分析が「最有効使用」を判定する。この対応が答案での基本骨格です。
総論第7章第1節 価格を求める鑑定評価の手法(定義62〜85)
第7章第1節は基準の中で最も分量が多く、定義も集中しています。手法名と試算価格名の対応(原価法→積算価格、取引事例比較法→比準価格、収益還元法→収益価格)を機械的に出せるようにしたうえで、各手法の定義を逐語で持ちます。
62|三方式
不動産の鑑定評価の方式には、原価方式、比較方式及び収益方式の三方式がある。(中略)原価方式は不動産の再調達(建築、造成等による新規の調達をいう。)に要する原価に着目して、比較方式は不動産の取引事例又は賃貸借等の事例に着目して、収益方式は不動産から生み出される収益に着目して、それぞれ不動産の価格又は賃料を求めようとするものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章
- 答案版:鑑定評価の方式には原価方式、比較方式及び収益方式の三方式があり、それぞれ再調達に要する原価、取引事例又は賃貸借等の事例、生み出される収益に着目して価格又は賃料を求める。
- 落とせない語:原価方式/比較方式/収益方式/再調達に要する原価/事例/収益
- 頻出:短答◎/論文◎
三方式の比較は鑑定評価3手法の徹底比較で扱っています。
63|試算価格・試算賃料
それぞれの鑑定評価の手法の適用により求められた価格又は賃料を試算価格又は試算賃料という。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章
- 答案版:試算価格又は試算賃料とは、それぞれの鑑定評価の手法の適用により求められた価格又は賃料をいう。
- 落とせない語:手法の適用により求められた
- 頻出:短答◎/論文○
64|取引事例等
鑑定評価の各手法の適用に当たって必要とされる事例には、原価法の適用に当たって必要な建設事例、取引事例比較法の適用に当たって必要な取引事例及び収益還元法の適用に当たって必要な収益事例(以下「取引事例等」という。)がある。取引事例等は、鑑定評価の各手法に即応し、適切にして合理的な計画に基づき、豊富に秩序正しく収集し、選択すべきであり、投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはならない。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:取引事例等とは、建設事例、取引事例及び収益事例をいい、各手法に即応し、適切にして合理的な計画に基づき、豊富に秩序正しく収集し、選択すべきであって、投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはならない。
- 落とせない語:建設事例/取引事例/収益事例/豊富に秩序正しく/投機的取引/適正さを欠くもの
- 頻出:短答◎/論文◎
「豊富に秩序正しく」は基準特有の言い回しで、答案に出てくると印象が良い表現です。
65|同一需給圏内の類似地域等
近隣地域又は同一需給圏内の類似地域若しくは必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺の地域(以下「同一需給圏内の類似地域等」という。)に存する不動産― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:同一需給圏内の類似地域等とは、近隣地域又は同一需給圏内の類似地域若しくは必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺の地域をいう。
- 落とせない語:必要やむを得ない場合/近隣地域の周辺の地域
- 頻出:短答◎/論文○
「近隣地域の周辺の地域」は無条件に使えるわけではなく、必要やむを得ない場合に限られます。この限定を落とすと事例選択の要件を誤って書くことになります。
66|同一需給圏内の代替競争不動産
対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合等において同一需給圏内に存し対象不動産と代替、競争等の関係が成立していると認められる不動産(以下「同一需給圏内の代替競争不動産」という。)― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:同一需給圏内の代替競争不動産とは、対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合等において、同一需給圏内に存し対象不動産と代替、競争等の関係が成立していると認められる不動産をいう。
- 落とせない語:最有効使用が標準的使用と異なる場合等/同一需給圏内に存し/代替、競争等の関係
- 頻出:短答◎/論文◎
67|事情補正
取引事例等に係る取引等が特殊な事情を含み、これが当該取引事例等に係る価格等に影響を及ぼしているときは適切に補正しなければならない。(中略)特殊な事情とは、正常価格を求める場合には、正常価格の前提となる現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる諸条件を欠くに至らしめる事情のことである。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:事情補正とは、取引事例等に係る取引等が特殊な事情を含み、これが価格等に影響を及ぼしているときに適切に補正することをいう。特殊な事情とは、正常価格を求める場合には、正常価格の前提となる諸条件を欠くに至らしめる事情をいう。
- 落とせない語:特殊な事情/価格等に影響を及ぼしている/諸条件を欠くに至らしめる事情
- 頻出:短答◎/論文◎
68|時点修正
取引事例等に係る取引等の時点が価格時点と異なることにより、その間に価格水準に変動があると認められる場合には、当該取引事例等の価格等を価格時点の価格等に修正しなければならない。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:時点修正とは、取引事例等に係る取引等の時点が価格時点と異なり、その間に価格水準に変動があると認められる場合に、当該事例の価格等を価格時点の価格等に修正することをいう。
- 落とせない語:取引等の時点/価格時点と異なる/価格水準に変動/価格時点の価格等に修正
- 頻出:短答◎/論文◎
時点修正とはで修正率の求め方まで扱っています。
69|原価法
原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法である(この手法による試算価格を積算価格という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:原価法とは、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格(積算価格)を求める手法である。
- 落とせない語:価格時点における/再調達原価/減価修正/積算価格
- 頻出:短答◎/論文◎
有効性の記述(建物又は建物及びその敷地である場合、土地のみの場合でも再調達原価を適切に求められるとき)まで書けると加点されます。原価法で適用手順を整理しています。
70|再調達原価
再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう。
- 落とせない語:価格時点において/再調達することを想定/適正な原価の総額
- 頻出:短答◎/論文◎
なお建設資材、工法等の変遷により再調達原価を求めることが困難な場合には、対象不動産と同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価(置換原価)を再調達原価とみなします。「同等の有用性」がキーワードです。再調達原価とはも参照してください。
71|直接法
直接法は、対象不動産について直接的に再調達原価を求める方法である。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:直接法とは、対象不動産について直接的に再調達原価を求める方法をいう。
- 落とせない語:対象不動産について/直接的に
- 頻出:短答◎/論文○
72|間接法
間接法は、近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等に存する対象不動産と類似の不動産又は同一需給圏内の代替競争不動産から間接的に対象不動産の再調達原価を求める方法である。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:間接法とは、近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等に存する対象不動産と類似の不動産又は同一需給圏内の代替競争不動産から、間接的に対象不動産の再調達原価を求める方法をいう。
- 落とせない語:類似の不動産/代替競争不動産/間接的に
- 頻出:短答◎/論文○
直接法・間接法は資料としての信頼度に応じていずれかを適用し、必要に応じて併用します。「どちらか一方しか使えない」わけではない点が短答式の狙い所です。
73|減価修正の目的
減価修正の目的は、減価の要因に基づき発生した減価額を対象不動産の再調達原価から控除して価格時点における対象不動産の適正な積算価格を求めることである。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:減価修正の目的は、減価の要因に基づき発生した減価額を再調達原価から控除して、価格時点における対象不動産の適正な積算価格を求めることである。
- 落とせない語:減価の要因に基づき発生した減価額/再調達原価から控除/適正な積算価格
- 頻出:短答◎/論文◎
74|減価の要因
減価の要因は、物理的要因、機能的要因及び経済的要因に分けられる。これらの要因は、それぞれ独立しているものではなく、相互に関連し、影響を与え合いながら作用していることに留意しなければならない。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:減価の要因は、物理的要因、機能的要因及び経済的要因に分けられ、これらは独立ではなく相互に関連し、影響を与え合いながら作用する。
- 落とせない語:物理的要因/機能的要因/経済的要因/相互に関連
- 頻出:短答◎/論文◎
物理的=摩滅・破損・老朽化・偶発的損傷、機能的=機能的陳腐化(建物と敷地との不適応、設計の不良、型式の旧式化、設備の不足及びその能率の低下等)、経済的=経済的不適応(近隣地域の衰退、環境との不適合、市場性の減退等)。3要因の具体例までセットで押さえます。減価修正の解説で詳述しています。
75|耐用年数に基づく方法
耐用年数に基づく方法は、対象不動産の価格時点における経過年数及び経済的残存耐用年数の和として把握される耐用年数を基礎として減価額を把握する方法である。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:耐用年数に基づく方法とは、価格時点における経過年数及び経済的残存耐用年数の和として把握される耐用年数を基礎として減価額を把握する方法をいう。
- 落とせない語:経過年数/経済的残存耐用年数/和として把握される耐用年数
- 頻出:短答◎/論文◎
耐用年数は「経過年数+経済的残存耐用年数」であり、法定耐用年数ではありません。
76|経済的残存耐用年数
経済的残存耐用年数とは、価格時点において、対象不動産の用途や利用状況に即し、物理的要因及び機能的要因に照らした劣化の程度並びに経済的要因に照らした市場競争力の程度に応じてその効用が十分に持続すると考えられる期間をいい、この方法の適用に当たり特に重視されるべきものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:経済的残存耐用年数とは、価格時点において、対象不動産の用途や利用状況に即し、物理的要因及び機能的要因に照らした劣化の程度並びに経済的要因に照らした市場競争力の程度に応じて、その効用が十分に持続すると考えられる期間をいう。
- 落とせない語:用途や利用状況に即し/劣化の程度/市場競争力の程度/効用が十分に持続
- 頻出:短答◎/論文◎
77|観察減価法
観察減価法は、対象不動産について、設計、設備等の機能性、維持管理の状態、補修の状況、付近の環境との適合の状態等各減価の要因の実態を調査することにより、減価額を直接求める方法である。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:観察減価法とは、対象不動産について、設計、設備等の機能性、維持管理の状態、補修の状況、付近の環境との適合の状態等各減価の要因の実態を調査することにより、減価額を直接求める方法をいう。
- 落とせない語:各減価の要因の実態を調査/減価額を直接求める
- 頻出:短答◎/論文◎
減価額を求めるには耐用年数に基づく方法と観察減価法の二つがあり、これらを併用するものとされています。「いずれかを選択」ではありません。両者の使い分けは減価修正の2方法で扱っています。
78|取引事例比較法
取引事例比較法は、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法である(この手法による試算価格を比準価格という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:取引事例比較法とは、多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、対象不動産の試算価格(比準価格)を求める手法である。
- 落とせない語:多数の取引事例/適切な事例の選択/事情補正及び時点修正/地域要因の比較及び個別的要因の比較/比較考量/比準価格
- 頻出:短答◎/論文◎
「多数の」「適切な」「必要に応じて」「かつ」「比較考量し」という接続語まで含めて再現できると逐語レベルです。取引事例比較法に適用手順があります。
79|配分法
取引事例が対象不動産と同類型の不動産の部分を内包して複合的に構成されている異類型の不動産に係る場合においては、当該取引事例の取引価格から対象不動産と同類型の不動産以外の部分の価格が取引価格等により判明しているときは、その価格を控除し、又は(中略)当該事例の取引価格に対象不動産と同類型の不動産の部分に係る構成割合を乗じて、対象不動産の類型に係る事例資料を求めるものとする(この方法を配分法という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:配分法とは、取引事例が対象不動産と同類型の不動産の部分を内包して複合的に構成されている異類型の不動産に係る場合において、同類型以外の部分の価格を控除し、又は構成割合を乗じて、対象不動産の類型に係る事例資料を求める方法をいう。
- 落とせない語:同類型の不動産の部分を内包/異類型の不動産/控除/構成割合を乗じて/事例資料
- 頻出:短答◎/論文◎
配分法が求めるのは価格ではなく「事例資料」です。ここを「試算価格を求める方法」と書くと誤りになります。
80|収益還元法
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法である(この手法による試算価格を収益価格という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:収益還元法とは、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより、対象不動産の試算価格(収益価格)を求める手法である。
- 落とせない語:将来生み出すであろうと期待される/純収益/現在価値の総和/収益価格
- 頻出:短答◎/論文◎(最重要)
「文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものには基本的にすべて適用すべき」「自用の不動産といえども賃貸を想定することにより適用される」という適用範囲の記述もよく問われます。収益還元法で全体像を扱っています。
81|直接還元法
一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法(以下「直接還元法」という。)― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:直接還元法とは、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法をいう。
- 落とせない語:一期間の純収益/還元利回り/還元する
- 頻出:短答◎/論文◎
基本式は $P = \dfrac{a}{R}$($P$:収益価格、$a$:一期間の純収益、$R$:還元利回り)です。
82|DCF法
連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法(Discounted Cash Flow法(以下「DCF法」という。))― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:DCF法とは、連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法をいう。
- 落とせない語:連続する複数の期間/純収益及び復帰価格/発生時期に応じて/現在価値に割り引き/合計する
- 頻出:短答◎/論文◎
基本式は次のとおりです。
$P$:収益価格、$a_k$:毎期の純収益、$Y$:割引率、$n$:保有期間、$PR$:復帰価格。式まで再現できると計算問題との接続がよくなります。DCF法の仕組みで計算例を扱っています。
83|復帰価格
復帰価格とは、保有期間の満了時点における対象不動産の価格をいい(後略)― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:復帰価格とは、保有期間の満了時点における対象不動産の価格をいう。
- 落とせない語:保有期間の満了時点
- 頻出:短答◎/論文◎
基本式は $PR = \dfrac{a_{n+1}}{R_n}$($a_{n+1}$:$n+1$期の純収益、$R_n$:最終還元利回り)。$n$期ではなく$n+1$期の純収益を用いる点が頻出の引っかけです。
84|純収益
純収益とは、不動産に帰属する適正な収益をいい、収益目的のために用いられている不動産とこれに関与する資本(不動産に化体されているものを除く。)、労働及び経営(組織)の諸要素の結合によって生ずる総収益から、資本(不動産に化体されているものを除く。)、労働及び経営(組織)の総収益に対する貢献度に応じた分配分を控除した残余の部分をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:純収益とは、不動産に帰属する適正な収益をいい、不動産と資本、労働及び経営(組織)の結合によって生ずる総収益から、資本、労働及び経営(組織)の貢献度に応じた分配分を控除した残余の部分をいう。
- 落とせない語:不動産に帰属する適正な収益/総収益/貢献度に応じた分配分/残余の部分
- 頻出:短答◎/論文◎
収益配分の原則がそのまま定義に反映されています。純収益とはで算定実務を扱っています。
85|還元利回り及び割引率
還元利回りは、直接還元法の収益価格及びDCF法の復帰価格の算定において、一期間の純収益から対象不動産の価格を直接求める際に使用される率であり、将来の収益に影響を与える要因の変動予測と予測に伴う不確実性を含むものである。割引率は、DCF法において、ある将来時点の収益を現在時点の価値に割り戻す際に使用される率であり、還元利回りに含まれる変動予測と予測に伴う不確実性のうち、収益見通しにおいて考慮された連続する複数の期間に発生する純収益や復帰価格の変動予測に係るものを除くものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節
- 答案版:還元利回りは、一期間の純収益から対象不動産の価格を直接求める際に使用される率であり、将来の収益に影響を与える要因の変動予測と予測に伴う不確実性を含む。割引率は、ある将来時点の収益を現在時点の価値に割り戻す際に使用される率であり、還元利回りに含まれる変動予測等のうち収益見通しにおいて考慮されたものを除く。
- 落とせない語:一期間の純収益から/直接求める/変動予測と予測に伴う不確実性を含む/現在時点の価値に割り戻す/除くもの
- 頻出:短答◎/論文◎
還元利回りが「含む」、割引率が「除く」。この動詞の対比が両者の関係を一言で表しています。還元利回りの種類比較でも整理しています。
総論第7章第2節 賃料を求める鑑定評価の手法(定義86〜95)
賃料の手法は、新規賃料(積算法・賃貸事例比較法・収益分析法等)と継続賃料(差額配分法・利回り法・スライド法・賃貸事例比較法等)で系統が分かれます。どちらの系統に属するかを間違えると、その設問は総崩れになります。
86|実質賃料
実質賃料とは、賃料の種類の如何を問わず賃貸人等に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等(以下「必要諸経費等」という。)から成り立つものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:実質賃料とは、賃料の種類の如何を問わず賃貸人等に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び必要諸経費等から成り立つ。
- 落とせない語:種類の如何を問わず/算定の期間に対応する/すべての経済的対価/純賃料/必要諸経費等
- 頻出:短答◎/論文◎
「すべての」を落とすと支払賃料との区別が消えます。賃料の鑑定評価は実質賃料を求めることを原則とします。
87|支払賃料
支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、契約に当たって、権利金、敷金、保証金等の一時金が授受される場合においては、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成するものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、一時金が授受される場合には、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成する。
- 落とせない語:各支払時期に支払われる賃料/運用益及び償却額/実質賃料を構成
- 頻出:短答◎/論文◎
実質賃料=支払賃料+一時金の運用益及び償却額、という関係式で押さえます。
88|積算法
積算法は、対象不動産について、価格時点における基礎価格を求め、これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を積算賃料という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:積算法とは、価格時点における基礎価格を求め、これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料(積算賃料)を求める手法である。
- 落とせない語:基礎価格/期待利回りを乗じて/必要諸経費等を加算/積算賃料
- 頻出:短答◎/論文◎
「基礎価格×期待利回り+必要諸経費等」という式で覚え、答案では基準の語順どおりに文章化します。積算法による新規賃料に計算例があります。
89|基礎価格
基礎価格とは、積算賃料を求めるための基礎となる価格をいい、原価法及び取引事例比較法により求めるものとする。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:基礎価格とは、積算賃料を求めるための基礎となる価格をいい、原価法及び取引事例比較法により求める。
- 落とせない語:積算賃料を求めるための基礎となる価格/原価法及び取引事例比較法
- 頻出:短答◎/論文◎
収益還元法は含まれません。賃料を求めるために収益価格を使うと循環論になるためです。
90|期待利回り
期待利回りとは、賃貸借等に供する不動産を取得するために要した資本に相当する額に対して期待される純収益のその資本相当額に対する割合をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:期待利回りとは、賃貸借等に供する不動産を取得するために要した資本に相当する額に対して期待される純収益の、その資本相当額に対する割合をいう。
- 落とせない語:取得するために要した資本に相当する額/期待される純収益/割合
- 頻出:短答◎/論文◎
期待利回りを求める方法は、収益還元法における還元利回りを求める方法に準ずるものとされ、その際は賃料の有する特性に留意します。
91|賃貸事例比較法
賃貸事例比較法は、まず多数の新規の賃貸借等の事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る実際実質賃料(実際に支払われている不動産に係るすべての経済的対価をいう。)に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考量し、これによって対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を比準賃料という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:賃貸事例比較法とは、多数の新規の賃貸借等の事例を収集して適切な事例の選択を行い、実際実質賃料に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考量し、対象不動産の試算賃料(比準賃料)を求める手法である。
- 落とせない語:新規の賃貸借等の事例/実際実質賃料/比準賃料
- 頻出:短答◎/論文◎
実際実質賃料とは「実際に支払われている不動産に係るすべての経済的対価」です。実質賃料(適正なすべての経済的対価)との1語差に注意します。賃貸事例比較法で適用上の留意点を扱っています。
92|収益分析法
収益分析法は、一般の企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産が一定期間に生み出すであろうと期待される純収益(減価償却後のものとし、これを収益純賃料という。)を求め、これに必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料を求める手法である(この手法による試算賃料を収益賃料という。)。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:収益分析法とは、一般の企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産が一定期間に生み出すであろうと期待される純収益(収益純賃料)を求め、これに必要諸経費等を加算して試算賃料(収益賃料)を求める手法である。
- 落とせない語:一般の企業経営に基づく総収益/収益純賃料/減価償却後/収益賃料
- 頻出:短答◎/論文◎
収益純賃料は「減価償却後」のものである点が定番の出題箇所です。有効なのは企業の用に供されている不動産に帰属する純収益を適切に求め得る場合に限られます。
93|差額配分法
差額配分法は、対象不動産の経済価値に即応した適正な実質賃料又は支払賃料と実際実質賃料又は実際支払賃料との間に発生している差額について、契約の内容、契約締結の経緯等を総合的に勘案して、当該差額のうち賃貸人等に帰属する部分を適切に判定して得た額を実際実質賃料又は実際支払賃料に加減して試算賃料を求める手法である。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:差額配分法とは、対象不動産の経済価値に即応した適正な賃料と実際の賃料との間に発生している差額について、契約の内容、契約締結の経緯等を総合的に勘案して、当該差額のうち賃貸人等に帰属する部分を適切に判定して得た額を、実際の賃料に加減して試算賃料を求める手法である。
- 落とせない語:経済価値に即応した適正な/差額/賃貸人等に帰属する部分/加減して
- 頻出:短答◎/論文◎
「加算」ではなく「加減」です。差額がマイナスになる場合もあるためで、ここは頻出の1語トラップです。
94|利回り法
利回り法は、基礎価格に継続賃料利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して試算賃料を求める手法である。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:利回り法とは、基礎価格に継続賃料利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して試算賃料を求める手法である。
- 落とせない語:基礎価格/継続賃料利回り/必要諸経費等を加算
- 頻出:短答◎/論文◎
積算法と式の形は同じで、乗じる利回りが期待利回りか継続賃料利回りかで分かれます。
95|スライド法
スライド法は、直近合意時点における純賃料に変動率を乗じて得た額に価格時点における必要諸経費等を加算して試算賃料を求める手法である。― 不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節
- 答案版:スライド法とは、直近合意時点における純賃料に変動率を乗じて得た額に、価格時点における必要諸経費等を加算して試算賃料を求める手法である。
- 落とせない語:直近合意時点における純賃料/変動率/価格時点における必要諸経費等
- 頻出:短答◎/論文◎
乗じる対象は「純賃料」、加算する必要諸経費等は「価格時点における」もの。時点が2つ登場するため、どちらがどちらかを取り違えないようにします。なお直近合意時点とは「契約当事者間で現行賃料を合意しそれを適用した時点」をいい、継続賃料の3手法すべてに関わる基礎概念です。継続賃料の求め方で手法間の関係を整理しています。
総論第8章・第9章と各論(定義96〜100)
手順と報告書の章は定義の数こそ少ないものの、論文式で正面から問われることがあります。各論からは、頻度と汎用性の高い3つを取り上げます。
96|試算価格又は試算賃料の調整
試算価格又は試算賃料の調整とは、鑑定評価の複数の手法により求められた各試算価格又は試算賃料の再吟味及び各試算価格又は試算賃料が有する説得力に係る判断を行い、鑑定評価における最終判断である鑑定評価額の決定に導く作業をいう。― 不動産鑑定評価基準 総論第8章第8節
- 答案版:試算価格又は試算賃料の調整とは、複数の手法により求められた各試算価格又は試算賃料の再吟味及びそれらが有する説得力に係る判断を行い、鑑定評価額の決定に導く作業をいう。
- 落とせない語:再吟味/説得力に係る判断/鑑定評価額の決定に導く作業
- 頻出:短答◎/論文◎
「平均する」「加重平均する」作業ではありません。再吟味6項目と説得力2項目まで書ければ上位答案になります。試算価格の調整で項目を列挙しています。
97|鑑定評価報告書
鑑定評価報告書は、不動産の鑑定評価の成果を記載した文書であり、不動産鑑定士が自己の専門的学識と経験に基づいた判断と意見を表明し、その責任を明らかにすることを目的とするものである。― 不動産鑑定評価基準 総論第9章
- 答案版:鑑定評価報告書とは、不動産の鑑定評価の成果を記載した文書であり、不動産鑑定士が自己の専門的学識と経験に基づいた判断と意見を表明し、その責任を明らかにすることを目的とするものである。
- 落とせない語:成果を記載した文書/専門的学識と経験/判断と意見を表明/責任を明らかにする
- 頻出:短答◎/論文○
鑑定評価報告書(不動産鑑定士が作成する文書)と鑑定評価書(不動産鑑定業者が依頼者に交付する文書)は別物です。報告書の内容が鑑定評価書の実質的な内容となります。
98|開発法
当該更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい場合等においては、さらに次に掲げる価格を比較考量して決定するものとする(この手法を開発法という。)。― 不動産鑑定評価基準 各論第1章第1節
- 答案版:開発法とは、更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい場合等において、一体利用又は分割利用を想定し、販売総額から通常の建物建築費相当額又は造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除して得た価格を求める手法をいう。
- 落とせない語:標準的な土地の面積に比べて大きい場合等/販売総額/控除/比較考量
- 頻出:短答◎/論文◎
一体利用が合理的なら建物建築費相当額を、分割利用が合理的なら造成費相当額を控除します。いずれの場合も「発注者が直接負担すべき通常の付帯費用」の控除を忘れないこと。
99|借家権
借家権とは、借地借家法(廃止前の借家法を含む。)が適用される建物の賃借権をいう。― 不動産鑑定評価基準 各論第1章第3節
- 答案版:借家権とは、借地借家法が適用される建物の賃借権をいう。
- 落とせない語:借地借家法が適用される/建物の賃借権
- 頻出:短答◎/論文○
借地権が「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」であるのに対し、借家権は「建物の賃借権」です。地上権が含まれない点も差異です。借家権の価格評価で評価手法を扱っています。
100|証券化対象不動産
この章において「証券化対象不動産」とは、次のいずれかに該当する不動産取引の目的である不動産又は不動産取引の目的となる見込みのある不動産(信託受益権に係るものを含む。)をいう。― 不動産鑑定評価基準 各論第3章第1節
- 答案版:証券化対象不動産とは、資産の流動化に関する法律等に規定する一定の不動産取引の目的である不動産又はその目的となる見込みのある不動産(信託受益権に係るものを含む。)をいう。
- 落とせない語:目的である不動産/目的となる見込みのある不動産/信託受益権に係るものを含む
- 頻出:短答◎/論文◎
「目的となる見込みのある不動産」まで含む点、「信託受益権に係るものを含む」点が、範囲を問う設問の狙い所です。証券化対象不動産の鑑定評価では収益価格を求めるに当たりDCF法を適用しなければならず、併せて直接還元法を適用して検証することが適切とされます。証券化対象不動産の評価基準も参照してください。
紛らわしい定義の書き分け20ペア
ここからは、意味は分かっていても答案で書き分けようとすると手が止まる20組を整理します。各ペアについて「何が違うか」を1行で言い切れるようにしてください。試験本番では、この1行が思い出せれば定義本体も芋づる式に出てきます。
| # | ペア | 違いを1行で |
|---|---|---|
| 1 | 正常価格/限定価格 | 市場が限定されるか否か。限定価格は併合・分割により市場が相対的に限定される場合の取得部分の価格 |
| 2 | 正常価格/特定価格 | 正常価格の前提となる諸条件を満たすか否か。特定価格は法令等による社会的要請を背景とする評価目的の下で生じる |
| 3 | 限定価格/特定価格 | 乖離の原因が当事者の限定(併合・分割)か評価目的(法令等の要請)か。表示するのも市場価値/経済価値で異なる |
| 4 | 特定価格/特殊価格 | 対象不動産に市場性があるか否か。特殊価格は一般的に市場性を有しない不動産が対象 |
| 5 | 正常賃料/限定賃料 | 前提が正常価格と同一の市場概念か限定価格と同一か。文言は「経済価値を表示する適正な賃料」/「経済価値を適正に表示する賃料」 |
| 6 | 新規賃料/継続賃料 | 新たな契約で成立する賃料か、継続に係る特定の当事者間で成立する賃料か |
| 7 | 実質賃料/支払賃料 | 実質賃料はすべての経済的対価、支払賃料は各支払時期に支払われる部分。差は一時金の運用益及び償却額 |
| 8 | 近隣地域/類似地域 | 対象不動産が属するか否か。類似地域は近隣地域の特性と類似する特性を持つ別の地域 |
| 9 | 近隣地域/同一需給圏 | 近隣地域は対象不動産が属する用途的地域、同一需給圏は代替関係が成立する不動産の存する圏域(近隣地域を含んでより広域的) |
| 10 | 標準的使用/最有効使用 | 標準的使用は近隣地域の一般的な使用方法、最有効使用は個々の不動産についての使用方法。前者は後者を判定する有力な標準 |
| 11 | 地域分析/個別分析 | 地域分析は地域の特性を分析して標準的使用を判定、個別分析は個別的要因を分析して最有効使用を判定 |
| 12 | 一般的要因/地域要因 | 一般的要因は一般経済社会における価格の水準に影響、地域要因はその相関結合により各地域の特性を形成 |
| 13 | 地域要因/個別的要因 | 地域要因は地域に属する不動産の価格形成に全般的な影響、個別的要因は個別性を生じさせ個別的に価格を形成 |
| 14 | 独立鑑定評価/部分鑑定評価 | 建物等が存しない独立のもの(更地)として評価するか、その状態を所与として構成部分を評価するか |
| 15 | 想定上の条件/調査範囲等条件 | 前者は地域要因又は個別的要因に想定を置く条件(実現性・合法性が要件)、後者は特定の価格形成要因の調査範囲を限定する条件 |
| 16 | 価格時点/価格の種類 | 価格時点は価格の判定の基準日(いつの価格か)、価格の種類はどの市場概念で求めるか(正常・限定・特定・特殊のいずれか) |
| 17 | 更地/建付地 | 更地は建物等がなく権利も付着していない宅地、建付地は建物等の用に供され所有者が同一の宅地 |
| 18 | 借地権/底地 | 借地権は借地権者に帰属する経済的利益、底地は借地権が付着した宅地の所有権(借地権設定者に帰属する経済的利益) |
| 19 | 再調達原価/置換原価 | 再調達原価は同一物の再調達を想定した原価、置換原価は同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価(求めることが困難な場合にみなす) |
| 20 | 還元利回り/割引率 | 還元利回りは変動予測と不確実性を含む、割引率は収益見通しで考慮された変動予測に係るものを除く |
特に事故が起きやすい3組の補足
独立鑑定評価と部分鑑定評価(ペア14)は、答案での事故率が最も高い組です。両者はいずれも「土地及び建物等の結合により構成されている場合」から始まり、途中まで文が同一です。分岐点は「その土地のみを建物等が存しない独立のもの(更地)として」か「その状態を所与として、その不動産の構成部分を」か。書き始める前に、どちらの語を使うかを頭の中で決めてから筆を下ろしてください。なお建付地の鑑定評価は、建物等と一体として継続使用することが合理的である場合に、その敷地について部分鑑定評価をするものである点も併せて押さえます。
事情補正と時点修正は、どちらも取引事例等を対象不動産と比較可能にする作業ですが、補正する軸が違います。事情補正は「特殊な事情」という質的な歪みを正常なものに直す作業、時点修正は「取引の時点と価格時点のずれ」という時間軸の差を埋める作業です。事情補正で言う特殊な事情は、正常価格を求める場合には「正常価格の前提となる現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる諸条件を欠くに至らしめる事情」と定義されており、正常価格の定義と直結しています。
均衡の原則と適合の原則は、前半の「不動産の収益性又は快適性が最高度に発揮されるためには」が完全に同一です。均衡は不動産の内部(構成要素の組合せ)、適合は不動産と外部環境の関係を見ます。答案では「均衡の原則は不動産内部の構成要素間の関係を、適合の原則は不動産と環境との関係を対象とする点で異なる」と1行入れておくと、両者を理解していることが明確に伝わります。
覚えたかを確認する手順
定義の暗記で最も危険なのは、「読み返し」を「復習」と勘違いすることです。読み返しは再認の練習にしかならず、想起の力は伸びません。以下の手順は、想起だけを鍛えるように設計しています。
ステップ1:白紙再現(1定義あたり2分)
用語名だけを見て、何も参照せずに定義を書きます。制限時間は2分。思い出せない部分は空欄のまま飛ばし、書ける部分だけ書きます。ここで「思い出せない」という失敗を経験することが重要で、この失敗の直後に正解を見ると、記憶への定着が最も強くなります。
ステップ2:キーワード照合(1定義あたり1分)
本記事の「落とせない語」と自分の答案を照合し、抜けた語に印をつけます。全文を照合する必要はありません。落とせない語がすべて入っていればL2到達、語順や接続語まで一致していればL3到達です。
ステップ3:抜けた語だけを記録する
ノートに「更地:かつ(脱落)」のように、用語名と抜けた語だけを1行で書きます。定義全文を書き写す復習ノートは作らないでください。時間がかかるうえに、次回の復習でまた読み返し(再認)をしてしまいます。抜けた語だけのリストなら、次回はそこを狙って想起できます。
ステップ4:3日後・1週間後・3週間後に再テスト
同じ定義を、間隔を空けて3回テストします。3回連続で落とせない語がすべて出れば、その定義はいったん卒業です。以降は月1回のスポットチェックに回します。
ステップ5:類似ペアで交互テスト
同じ定義を連続で3回書くより、紛らわしいペアを交互に書くほうが定着します。正常価格→特定価格→正常価格→限定価格、のように切り替えながら書くと、区別の記憶が同時に鍛えられます。前節の20ペアはこの交互テスト用の素材としても使えます。
進捗の管理表
100定義をこの手順で回すには管理が要ります。次のような簡易表をスプレッドシートで持つと運用しやすくなります。
| 章 | 定義数 | L1(認識) | L2(骨格) | L3(逐語) | 次回テスト日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総論第1章 | 6 | 6 | 4 | 2 | — |
| 総論第2章 | 16 | 16 | 12 | 6 | — |
| 総論第3章・第4章 | 15 | 15 | 10 | 3 | — |
| 総論第5章 | 17 | 17 | 14 | 8 | — |
| 総論第6章 | 7 | 7 | 7 | 5 | — |
| 総論第7章第1節 | 24 | 24 | 18 | 9 | — |
| 総論第7章第2節 | 10 | 10 | 7 | 3 | — |
| 第8章・第9章・各論 | 5 | 5 | 3 | 1 | — |
目標配分の目安は、直前期までにL2を100件、L3を頻出◎の40件程度です。全定義をL3にしようとすると、他科目の学習時間を圧迫して総合点が下がります。頻出度の高い定義から順にL3へ引き上げ、余力に応じて範囲を広げるのが合理的です。頻出度の全体像は基準の頻出ランキングで確認できます。
書き取りが続かないときの対処
白紙再現は負荷が高く、続かない受験生が多い作業です。挫折しそうなときは、次の順で負荷を下げます。
- 口頭再現に切り替える:書かずに声に出して言う。手の負担が消えるので通勤中でもできる
- キーワードだけ書く:定義全文ではなく、落とせない語を3〜5語だけ書き出す
- 穴埋め形式に落とす:定義文を印刷して要件語を塗りつぶし、埋める形にする
いずれも想起の練習になっている点が共通しています。逆に「基準を音読する」「テキストを読み返す」は再認の練習であり、書ける状態には近づきません。書き取り演習の設計そのものは基準の書き取り練習で扱っています。
今日から演習で仕上げる
鑑定士試験ブートラボでは、鑑定評価基準の穴埋めドリル、論証カードによる想起トレーニング、基準ビューアでの原文確認、短答式の肢別演習を提供しています。本記事の100定義を、まず穴埋めドリルでキーワードの保持を確認し、書けなかった定義を基準ビューアで原文照合するという流れが最短です。
まとめ
鑑定評価基準の定義暗記は、「読んで分かる」から「白紙に書ける」への変換作業です。この変換には、読み返しではなく想起の練習が必要であり、想起の精度は落としてはいけないキーワードが出てくるかどうかで測れます。
本記事で押さえた要点を再掲します。
- 定義の到達レベルはL1(認識)・L2(骨格再現)・L3(逐語再現)の3段階。全定義をL3にする必要はなく、頻出◎の定義から順に引き上げる
- 基準の定義は「主語+対象・場面+要件+効果」の4要素構造。この型が見えると暗記量が実質的に減る
- 短縮するときは例示→括弧書き→修飾の順に削り、要件語と末尾の「〜をいう」は絶対に削らない
- 紛らわしいペアは「何が違うか」を1行で言えるようにしておく。1行が出れば定義本体も引き出せる
- 確認は白紙再現→キーワード照合→抜けた語だけ記録→間隔を空けて再テスト。定義全文を書き写す復習ノートは作らない
100の定義を一気に仕上げようとする必要はありません。1日5定義でも20日で一周します。重要なのは、毎回「何も見ずに書く」工程を通すことです。
関連記事として、意味の理解には鑑定評価基準の重要用語事典50選、定義以外の答案表現には論文試験で高得点を狙える重要フレーズ30選、暗記の優先順位づけには確実に暗記すべき鑑定評価基準の36の重要箇所、キーワード保持の演習には鑑定評価基準の穴埋め練習問題50選をどうぞ。基準全体の構造を俯瞰したいときは鑑定評価基準の体系図が地図になります。
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